TRPGにおける探索要素は没入感を阻害するのか?

はじめに

みなさん、こんにちは!今日は「TRPGにおける探索要素と没入感」というテーマについて私の主観100%で考えてみたいと思います。

最初にお断りしておきますが、特定の遊び方を否定する意図はまったくありません。ゲームの楽しみ方は人それぞれです。シューターを好む人、パズルゲームを好む人、美少女キャラクターを好む人、ゾンビやクリーチャーを好む人…千差万別ですよね。TRPGでも同じです。

どうも、ゾンビTRPGプレイヤーふれのです。では、よーいスタート!

TRPGとはリッチなおままごとである

TRPGを知らない人に説明するときに「大人のおままごと」って例え話で伝えることないですか? キャラクターになりきって、関係性を演じるという奇っ怪な遊び。この私はこの「ロールプレイ」がTRPGの核心部分だと思っています。

他にもTRPGならではの魅力は沢山あるのですが、じゃあそれはスマブラと何が違うの? マリオカートと何が違うの? トランプとウノと何が違うの? ドラクエやFFとは違う? ってなったときにTRPGならではの特色はロールプレイに集約されていると考えてるというわけですね。

逆にそこを突き詰めないと、他のコンテンツの劣化版になるとも考えています。ロールプレイ無しで展開するTRPGを遊ぶなら同じストーリーを映画で見たいです。ゲームでプレイしたいです。という考えの持ち主なのです。

台詞ではない行動宣言

「〇〇をします」「〇〇のような行動を行います」という台詞ではない行動内容を示す発言があります。

探索系ゲームにあるような行動宣言をずっと続けてマップの各地を探索するような要素は、おままごとには基本的にありません。

子どものおままごとでも「お茶を入れますね」といった行動宣言はするものです。でも、「この部屋の壁を調べます」「床下を探索します」なんて言いながら隅々まで探し回ることはないですよね。

こういった探索要素が入ってくると、「おままごとを抜け出して唐突に始まる別ゲー」となってしまうと私は感じてしまうのです。

私はTRPGの魅力は、キャラクターの視点で物語を体験できることだと考えています。基本的には会話を主体にしてロールプレイを展開したいというわけですね。あくまでも私主体の考えであるというのが前提であることをお忘れなく。

没入感が途切れる探索要素

一般的な考え方がプレイヤー=キャラクターではないことは理解していますが、私は如何にキャラクターとプレイヤーをシンクロさせるかを重要視しています。その方が物語の登場人物として没入感が得られるのです。

そうやってキャラクターの思考や感情を仮想体験している途中で、メタ的な発言があると没入感が薄れてしまいます。

探索型ゲームは、明示的に没入感を解いて、プレイヤーがゲームプレイを強要されてしまう側面があります。どこへ移動するか、どこを調べるか、それらを宣言しないと探索が進みません。

それをロールプレイと切り離して楽しめるなら良いのですが、私は切り離せず、「せっかくおままごとを楽しんでいたのに急に引き剝がされてつまらない作業を要求された」という感覚になってしまうんですよね。

しかも、厄介なことに私はせっかちな性格で、すぐに結論を求めてしまいがちです。そのため、緻密に情報を積み上げて真実を追及するような探索要素や、プレイヤーの思考と推理で真実を見つけ出すような謎解き要素、推理要素が苦手なんです。

10秒考えて分からないなら「いいから答えを教えてくれ」となる性格なんです。圧倒的に探索と謎解きに向いていない。それらをやるならコンシューマーでやった方が楽しいと考えちゃいます。

つまりCoC、エモクロアなどの探索系システムは私とかなり相性が悪いです。どれだけ良いシナリオも探索する場面になった途端にTRPGに求めている没入感から引き離されてしまいますから。。。

逆にシノビガミやインセイン、マギカロギアのようなシーン制システムはキャラの台詞と感情表現だけに集中できます。しかも判定の特技すらプレイヤーの自由です。ロールプレイを阻害するものは何もありません。

待てーい、シノビガミの戦闘は没入感を削ぐぞ?

ここで疑問が生じますよね。シノビガミやマギカロギアの戦闘シーンは、どう考えてもキャラクターの台詞や思考だけでは成立しない場面です。

先程の話をトータルすると、私はシノビガミやマギカロギアの戦闘シーンで探索要素と同じ苦痛感を味わすことになります。お前さっきシノビガミ好きって言ってたよな。二枚舌かおぉい。

と、これは確かにそうなんです。でも不思議と私はこれを楽しめています。その理由について考察してみましょう。

純粋にゲームとして面白い

シノビガミの戦闘って、プロットの読み合い、リソースの管理、一つ一つの判定のランダム要素に対するひりつき感……これらが間延びせず、楽しい体験が濃密に詰まっています。

探索パートと同じく「おままごとから別ゲーへ」という切り替えなんですが、その「別ゲー」が超絶面白いから許せちゃうんです。

マギカロギアも同様です。ゲーム性がめちゃくちゃおもしろい。逆にインセインはゲーム性が大雑把すぎて戦闘シーンは少し苦手気味です。ダブルクロスは……まだ慣れてなくて全力で楽しむところまで到達できていないかもしれません。

戦闘シーンをキャラ表現の場としている

実は私は凝った構成をあまり作らず、シンプルなキャラ構成が多いです。データ派のイメージがある方は残念でしたー。私はめちゃくちゃ構成オンチのデータ弱者です!

戦闘中もキャラへの没入感を切らさないようにして、メインはキャラクターの思考や感情であり、戦闘に対するプレイヤーとしての思考は二の次三の次だからです。

そのため、戦闘中もロールプレイをたくさんしますし、戦略面で思考を巡らせることはほとんどありません(10秒悩めば長考です)。

シノビガミの正しい裁定とかも全然気にしません。裁定考えるのに5秒時間使うならロールプレイに使います。そういうタイプというわけです。

戦闘と没入感のあるロールプレイの両立は可能です。むしろ、戦闘シーンこそキャラクターの本質が最も表れる場面だと捉えています。回想シーンや奥義描写などはその代表といえるでしょう。

ただ、それはシステムがロールプレイを阻害しない設計になっていることが条件です。

それぞれのTRPGを遊ぶ上でのウェイトをどこに置くか

TRPGの遊び方は本当に多様で、それぞれのプレイヤーが重視するポイントも異なります。ここで少し、TRPGにおける様々な「楽しさのウェイト」について考えてみましょう。

プレイスタイルの多様性

TRPGの楽しみ方を分類すると以下のような軸で分けられるでしょう。

  1. ロールプレイ重視型:キャラクターになりきることを最優先し、感情や関係性を深く表現することに喜びを感じるタイプ。私はこちらです。
  2. ストーリー重視型:物語の展開や結末に興味があり、その過程で起こる出来事やドラマ性を楽しむタイプ。一歩引いた視点でどんな結末になるのか、どんな展開が待っているのかというワクワク感を大切にする。
  3. 探索・謎解き重視型:情報を集め、謎を解き明かしていくプロセスを楽しむタイプ。真相に迫っていく過程でのプレイヤーの思考や推理が醍醐味です。CoCやエモクロアの醍醐味はここにあるのかも。
  4. バトル・ゲーム性重視型:システムのルールを使いこなし、戦略的に勝利することを楽しむタイプ。プレイヤーの判断力や戦略思考が問われる場面で楽しさを見いだせる。
  5. 世界観没入型:システムやルールよりも、その世界に存在することを楽しむタイプ。詳細な設定やリアリティある描写に惹かれます。

これらのプレイスタイルの好みによって、相性の良いシステムも変わってきます。例えば一例ですが

  1. シノビガミ、マギカロギア:ロールプレイとバトルのバランスが良く、短時間で濃密な体験ができる
  2. CoC、エモクロア:探索・謎解きを中心に、恐怖体験を共有できる
  3. ソード・ワールド:冒険とバトルを通じて戦略性やキャラクターの成長を楽しめる
  4. ダブルクロス:超能力バトルとドラマ性を両立。複雑なデータを理解しコンボや演出を楽しむ
  5. ネクロニカ:独特の世界観と物語性を重視している

私の場合、キャラへの没入感、感情、映画のような体験やドラマ性を求めています。逆にそこから引き剥がされるパートが苦手で、特に細かい探索や推理は苦行だと感じてしまいます。

ただし、駆け引きが熱いゲーム性の深いシステム(シノビガミやマギカロギアの戦闘)などは楽しめます。これはゲーム部分の質が高く、没入感を損なわない形で設計されているからなのかもしれませんね。

いろいろとブログを弄ってました

特に変わったのが目次です。

他にもいろいろなデザインを追加して使えるようにしてみました。例えば

強調ブロック

点線角丸ブロック

ヒントボックス

引用ブロック

  • リスト1
  • リスト2
  • リスト3

などなど、こういうデザイン考えるの楽しいですね。

初心者チュートリアルに必要なのは「前提」と「質問」という話

どんな趣味の世界も、時間とともに自然と年を取っていきます。若い頃には月に20回もセッションをこなしていた人たちが、徐々に活動を減らしたり、別の趣味に移ったりしていくものです。

そのままでは規模が縮小し、いわゆる「限界集落」状態になってしまいます。そのため、初心者の勧誘や牽引はどんなコミュニティでも必須といえるでしょう。だからもっとお前らシノビガミをやるんだよ!

こんにちは、シノビガミ以外は永遠の初心者のふれのです。今回は私が自負するプレゼンの得意分野、シノビガミのインストラクション手法をご紹介します。

「触らせてナンボ」がトレンド

現代のゲームチュートリアルに多いのは、実際に操作させながら要素を学ばせる方法です。わざわざ特別なチュートリアルモードを用意せず、実際のプレイの中で徐々に操作を増やしていくスタイルが主流になっています。気がつけば教えられることがなくなり、いつの間にか独り立ちしているという感覚を味わえます。

理由は簡単。現在人は長々としたチュートリアルテキストを読んでくれません。「いいから触らせろ、操作させろ」というのが現代のゲームチュートリアルのトレンドなのです。

なぜ実践型が効果的なのか
・プレイヤーは長い説明文を読みたがらない
・実際に操作することで体感的に理解できる
・徐々に学びながら自然に上達していく感覚が得られる

このアプローチはTRPGでも同様です。丁寧にチュートリアルを行うと、キャラクター作成と世界観の説明、ルールの説明だけで一日丸々使えてしまいます。特にシノビガミ、マギカロギア、ダブルクロスのようなデータ重視のシステムでは、キャラメイクからして結構ハードル高いです。

しかも、ここで問題となるのは「キャラクターを作っている時点では、まだゲームを遊んだことがない」という状況です。どのような構成にすべきか、どのようなデータを持たせるか、流派や経歴、シンドロームをどう決めるか、いくら口頭で説明を聞いても具体的にイメージできません。

そこで私が提案するのは、「いっそ慣れるまでデータはサンプルで良い」というアプローチです。流派や職業はイメージだけで決めてしまいましょう。例えば「知的な科学者っぽいRPがしたい」なら、斜歯忍軍のような漠然としたイメージだけで十分です。

データは公式が用意しているサンプルキャラをそのまま使うか、GMが事前に用意しておくとよいでしょう。中に書いてあるテキストや効果がまったく理解できなくても大丈夫です。私が初心者の方にチュートリアルを行う際は、流派とキャラクター性だけを決めさせ、

その他の要素は除外するようにしています。この時点ではシノビガミのルールなど分かるはずがないので、効果を読まなくても問題ないのです。まずは遊ばせることを最優先にします。セッション日までに余計なことを考える必要はなし。

こうして迎えたセッション日

さて、設定だけ決めたキャラクターが揃い、セッション当日となりました。ここでようやくチュートリアルに入っていくわけですが、意識すべきポイントは3つです。

  1. その場で必要なチュートリアルのみ行う
  2. 大前提を最初に話す
  3. 相手に質問させる

「その場で必要なチュートリアルのみ行う」というのは、多くの方が実践していると思います。

・判定が必要になったときに初めて判定方法を説明する
・戦闘シーンに入ってから戦闘ルールを説明する

一度に全てを説明すると記憶できないため、段階的に教えていくことが重要です。「何を説明するか」と同時に「何を説明しないか」も意識しましょう。

しかし、この手法にもう一手間加えることで、聞き手の理解はさらに進みます。それが「大前提を先に話す」ということです。例えばシノビガミの場合、導入シーンが終わって自由行動ができるところで「ではメインフェイズにできることを説明します。自分の手番になったら情報判定か感情判定か…」のような説明をすることがあります。

ここに一工夫加えましょう。この説明をする前に知っておくべき大前提を見つけ出します。この場合だと、シーン制(各キャラ交代、自分の行動数が決まっている)であることや、サイクル進行(3サイクルで終わる)などの説明を最初に大前提として伝えると、その後の理解が格段に速くなります。

シノビガミの世界観を説明する際も、個々の流派の説明をする前に「現代日本での異能バトルものです」という前提知識があるだけで、その後の理解度は大きく変わります。

戦闘シーンに入る前に、「プロットと行動手番を繰り返して、先に相手の生命力を0にした方が勝ち」という説明があれば、その後のプロットと諸々の説明が理解しやすくなります。

そして最後のステップが「相手に質問させる」です。説明の際に意図的に一部の詳細を省き、説明が一段落したところで質問を受け付けます。これは「質問を考える」行為を相手にさせるためのテクニックです。

相手が質問を考えるためには、これまでの説明を理解していなければなりません。ここで質問というプロセスを踏ませ、それに回答することで、最初からその内容について説明するよりも格段に理解度は高まります。自分の質問に対してパーソナルな回答をもらった感覚が生まれ、一方通行の解説ではなく双方向のコミュニケーションになるわけですね。

もちろん「質問はありません」と言われる場合もあるので、そのときは省略した箇所をどこかで補足する必要があります。ゲームを進めていく中で、関連する状況が来たらそのタイミングで改めて説明すれば良いのです。

これを繰り返して1回のセッションを終わると、遊びながら知識を蓄えられます。もちろん1回のセッションではまだ分からないことも多く残るでしょう。使われなかったルールも多々あると思います。

そういったルールは次に持ち越しです。しばらく遊びを繰り返していくと、ようやく「自分でキャラクターを作ってみたい、データを組んでみたい」という欲求が生まれます。そこで初めて自分でデータを作ってキャラメイクに挑戦しましょう。

個人的なデータゲーで自分でキャラを作るのにオススメの回数は3〜4回目からくらいです。それまではサンプルでいいですよ。

GMが初心者なら対立型、PLが初心者なら協力型

これはチュートリアルの手法ではなく、お勧めの考え方になりますが、初心者はGMの場合は対立型、プレイヤーの場合は協力型のシナリオをやるとよいでしょう。

シノビガミのGMに慣れていない初心者の方は、対立型のGMを担当し、経験者(信頼のある方が前提)をプレイヤーに置くと安心して遊べます。

対立型シナリオの特徴
・PC同士が対立する設定
・戦う理由や動機などをPCたちが演出して積極的に物語を作っていく
・GMは舞台装置としての役割が中心になる

対立型では、PC間が戦いの火ぶたを切り、プレイヤー自身が積極的に物語を作ります。そのため、GMが特に何もしなくても物語がある程度軌道に乗ってくれるため、初心者の方が困りにくいのです。もちろん、何らかの処理を行うことはあるでしょうが、経験者が居れば相談しながら進められます。

GMとしても様々な人の構成を見て、戦っている様子を観察し、多くのことを学べるでしょう。私も初心者の頃はGMとしてシナリオを回し、プレイヤーの方々に多くのことを教えてもらいました。

しかし、初心者プレイヤーに対立型はお勧めできません。なぜなら、ルールや世界観の理解だけで精一杯の中、「勝つためにはどうすれば良いか」というゲームをクリアするための攻略要素も考えなければならないからです。

さらには物語の深みが自分自身のロールプレイに強く依存します。うまくロールプレイできないと、戦う相手も共闘する味方も、何とも言えない白けた空気になりかねません。もちろん、シンプルにPvPが苦手、怖いという考えもあるでしょうし、初心者に対立型をお勧めできる要素はありません。断言します。対立はやるな!

一方、協力型は初心者プレイヤーにはうってつけです。

協力型シナリオの特徴
「黒幕を見つける」「ボスを倒す」など分かりやすい目標がある
シナリオ側で守るべきNPCや敵役NPCが用意されている
ロールプレイが苦手でも、ドラマチックな展開を観客として楽しめる
ルール理解だけに集中できる

黒幕を見つける、ボスを倒すという分かりやすい目的だけを見ればよいのです。ロールプレイがうまくできなくても、シナリオ側で守るべきヒロインや倒すべき敵役が登場するので、ドラマチックな展開を観客視点で楽しむことができます。自分のキャラクターが積極的に物語を作らなくてもよいのです。

あとはルールの理解だけに専念できます。受動的でも十分に物語を楽しめるのが協力型の良さです。

反面、初心者GMが協力型を回すのは少しハードルが高くなる可能性があります。なぜなら、ボスキャラを操作するのはGMだからです。敵が複数いれば複数のキャラクターを操作することになります。データの処理が多くなり初心者の方には負担となるでしょう。

そして敵役としてのボスキャラのロールプレイを担当するのもGMです。守るべきヒロインがいるならそのロールプレイもGM担当です。シナリオの展開、魅力的なキャラクターのロールプレイを通じて、セッションは熱く盛り上がります。

つまりGM次第で物語の没入感が大きく変わるのです。ただでさえルールの理解が曖昧な初心者GMの方に、それ以外の要素でいっぱいいっぱいになってしまうのは望ましくありません。

まとめ

ここでご紹介した手法は、TRPGのチュートリアルだけでなく、あらゆるプレゼンや説明で活用できます。

  1. 大前提を伝える
  2. 大まかな内容を説明する
  3. 必要な要素のみに絞った詳細を伝える
  4. 質問を待つ

この流れで説明することで、相手の理解度は格段に上がります。とにかく重要なのは、説明の内容を「大前提」「今話すこと」「質問待ち」に分解することです。これらのポイントを意識して、初心者にも分かりやすい説明を心がけてみてくださいね。

さて、シノビガミ初心者の方はいないかな〜回すよ〜ぜろゆめ〜

シノビガミでドラマ性と攻略性を両立せよ

はじめに

タイトルがもう答えなのですが、シノビガミに限らずTRPGはこの「ドラマ性」と「攻略性」という二つの軸足で遊ぶ場合がほとんどです。この二つのバランスは人それぞれで、どちらが正解というわけではありません。

ただ、シノビガミは特にこの二つの要素への優先度が界隈ごとに大きく異なる印象があります。本日はこの2要素について考えてみましょう。

どうも、君にロマンティックを捧ぐふれのです。ではよーいスタート!

ドラマ性と攻略性とは

ドラマ性は、ロールプレイや演出、キャラクターの感情や目的、物語をよく噛み締めて楽しむ感覚です。
対して攻略性は、シナリオをクリアするため、戦闘に勝利するための要素、ゲームを攻略するための視点です。

これら二つの軸足はどちらかだけでは成り立たず、両足で地面を踏みしめてこそ安定するものです。ただ、プレイヤーによって「どっちをどれくらい重視するか」が違うんですね。

「100ポイントのステータスをこの二つに自由に割り振ってください」と言われたらどう割り振るか、という感覚ですね。私だとドラマ70、攻略性30くらいになります。

ドラマ性重視の遊び方

「ゲームを攻略するなら絶対こっちのルートを選ぶべきなんだけど、このキャラクターはこっちを選んじゃうわ」というのはドラマ性を重視しているから起きる話でしょう。キャラクターによっては見えている地雷を敢えて踏みにいくことがあるかもしれません。

ドラマ派の特徴

  • キャラクターの立ち絵や差分にこだわる
  • 回想シーンや奥義の演出に時間をかける
  • キャラクター同士の関係性を大切にする
  • ロールプレイを深く楽しむ

ドラマ性を優先する方は、構成を極めるよりも、セッション中にいかにして自分のキャラクターを表現するか、他キャラクターと濃密な時間を紡ぐか、一つ一つのシーンを噛み締めて大切にするか、といったことを重視します。

例えば立ち絵を描いたり、戦闘差分を用意するのもその一つですし、回想や奥義でたっぷり時間をかけて凝った演出を行ったりします。筆者は割と回想シーンでドラマを展開するタイプですが、10分以上の時間をいただくこともあったりします。

ドラマ性を重視するプレイヤーが気をつけたいこと

ドラマ性を重視する場合、つい演出や感情表現に熱が入りすぎて、他のプレイヤーの時間を奪ってしまうことがあります。たっぷりロールプレイにのめり込むドラマシーンは楽しいものですが、「全員の時間」を使っていることを意識しましょう。

自分のキャラクター設定の一人語りが他プレイヤーにとっても楽しい時間とは限りません。ちゃんと魅力的なキャラクターになっているか、その魅力を表現できているかは要チェックです。ジャイアンリサイタルになってはいけませんからね。

攻略性重視の遊び方

データが豊富なシステムであるシノビガミは、この攻略性に比重を置く人が多いという特徴があります。クライマックスフェイズで必ず戦闘がありますから。そして多くの場合において、ここで勝たないと使命達成にはならないのです。

攻略派の特徴:

  • 効率的な忍法構成を考える
  • 複雑なコンボやテクニックを追求する
  • 戦略的に有利な行動を選択する
  • 忍法の裁定やレギュレーションなどを細かく定める
  • 「模擬戦」と呼ばれるスタイルを好む場合もある

攻略性を重視する方は、忍法構成での個性が光ります。強さや弱さだけではなく、構成の複雑さ、忍法同士の組み合わせによるコンボ性を重視される方もいらっしゃいますね。

セッション中も自分の使命達成がしやすいように有利となる行動を積極的に考えていくでしょう。この攻略要素を極めた遊び方が「模擬戦」と呼ばれるスタイルになるわけです。

そして戦略性を大事にするため、レギュレーションを細かく定めていたり、平等になるように裁定を工夫されていることが多い印象があります。

攻略性を重視するプレイヤーが気をつけたいこと

攻略性を重視する場合、「最適解」を他のプレイヤーに押し付けないよう注意しましょう。明らかに効率的ではないプレイには思わず指摘したくなってしまうかもしれません。が、そんなものは相手は望んでいない可能性があります。

「その選択は非効率だよ」と指摘するのではなく、「別の選択肢もあるけど、どうする?」というような声かけの方が場の空気を壊しません。

コミュニケーションの重要性

事前の擦り合わせ

セッションを始める前に、参加者全員で「どんな遊び方を望んでいるか」を話し合いましょう。

  • このセッションはどのくらいロールプレイ重視か
  • 忍法構成のレベル、ガチ構成かカジュアルか
  • 一つのドラマシーンにどのくらい時間をかけるか
  • キャラクター同士の交流はどのくらい大切にするか
  • どのようなレギュレーション、裁定になっているか

こうした点をあらかじめ話し合っておくことで、プレイ中の「ズレ」を減らすことができます。

「交通事故」を防ぐために

プレイスタイルの違いから生じる「交通事故」を防ぐために、以下のようなコミュニケーションを心がけましょう。これは特に野良でセッションする機会ができた場合には重要視したいです。

  1. 自分のプレイスタイルを伝える
    「私はキャラクターの感情表現を大切にしたいタイプです」「データを考えるのが好きです」と伝えることで、互いの理解が深まります。そして大事にしている部分がズレていないかを確かめられます。
  2. 違いを認め合う
    自分と異なるプレイスタイルを「間違っている」と切り捨てず、「異なる楽しみ方」として尊重しましょう。どうしても合わない場合は仕方がないです。
  3. 折り合いをつける
    完全に自分の好みだけを通そうとせず、お互いが少しずつ譲歩して中間点を見つけることも大切です。
  4. GMの役割
    GMは参加者のプレイスタイルを把握し、バランスを取る役割も担います。必要に応じてロールプレイを巻いて「そろそろ次に進みましょう」と進行を促したり、「今回はこのように処理します」と平等な裁定を考えたりなど行うと良いでしょう。

バランスが大切

実はどちらの視点も完全に切り離せるものではありません。ドラマ派の人も戦闘で負けてしまうと大切なキャラクターが酷い目に遭ってしまうかもしれないので、ある程度の戦闘力は必要です。攻略派の人も、キャラクターの魅力があってこそのゲームなので、ドラマ性を無視することはできません。

繰り返しになりますが、これは右か左かの選択ではなく、どのくらいの比重を置くかの「バランス」の話です。ドラマ性を重視している方でも攻略要素は考えざるを得ませんし、攻略重視の方もドラマ性に一切関わらないことはないはずです。

大切なのは、テーブルに集まるプレイヤー同士の「バランス感覚」が近いことです。ドラマ重視の人と攻略重視の人が一緒にプレイすると、時に「交通事故」が起きることも……。セッション前に「どんな遊び方がしたいか」を話し合っておくと良いですね。

ふれのはキャラクターへの没入を大切しており、ドラマ性を求める節が強いです。細かい処理とか攻略のための手順とかを考えるのは苦手で「いいじゃんさっさと進もうぜ」と思考停止になりがり。とはいえデータ面にもそれなりに明るいのでどちらも楽しめる土台はあります。

自分のプレイスタイルを知る

PLとしての優先度を客観視してみよう

自分がどのようなプレイヤーなのかを知ってみましょう。以下の質問を見て、どこに比重を置いているのか改めて自分で整理してみましょう。それぞれに配点をつけてドラマ性◯%、攻略性◯%とかになるように作っても良かったのですが、流石に面倒だったので省略!!

セッション中、どんな瞬間が一番楽しいですか?

  • キャラクター同士の会話や交流
  • 戦闘で強力なコンボを決めたとき
  • 感動的なシーンを演出できたとき
  • 難しい状況を戦略的に切り抜けたとき

キャラクター作成時に一番時間をかけるのは?

  • 背景設定や人間関係
  • 忍法構成やコンボの組み立て
  • キャラクターの性格や価値観
  • 他キャラクターとの関係性、すり合わせ
  • 立ち絵を描く

他のプレイヤーのどんな行動が魅力的に思いますか?

  • とても感情豊かな演技力のあるロールプレイ
  • 場面が頭に浮かぶようなシーン演出
  • 効果的で最適な戦術や戦略
  • 個性的なキャラクター設定
  • 円滑なセッション進行、提案
  • 素敵な立ち絵

セッション中のどのような要素で「うーん」と感じますか?

  • 自分のキャラクターがうまく表現できなかった
  • 戦闘バランスが悪いシナリオ、GMの裁定
  • 同卓者が立ち絵を描いてこなかった
  • 同卓者がガチ構成、又はあまりにも弱すぎる構成で来た
  • 同卓者の長考や長いロールプレイで時間を奪われた

こういった質問に対して優先度を確認してみると、自分がどちらの要素を重視しているかが見えてくるでしょう。

GMとしての配慮

GMとしても参加者のプレイスタイルに合わせた配慮を行うとより良いセッションに繋げられます。

  • ドラマ重視のプレイヤーには:NPCからヒアリングを行うなどして、キャラクターの感情や背景を掘り下げる機会を提供する、ドラマシーンや演出の時間を十分に確保する。
  • 攻略重視のプレイヤーには:PCたちのキャラクターシートに合わせて、敵のエネミーデータを調整して歯ごたえのある難易度を提供、PC間の戦闘バランスや平等な裁定に気を配る。

ふれシを遊ぶ方の趣向は?

あなたはドラマ性と攻略性をどのような塩梅で割り振りますか? もちろん人によるというのが前提ではありますが、私のシナリオを遊んでいる方はかなり「ドラマ性重視」で遊んでいる方が多いように思います。

以前にアンケートへの回答記事を書きましたが、その記事内にもある「ドラマ性を重視する方は女性が多い」「攻略性を重視する方は男性が多い」というものにも繋がってきます。もちろん数値だけで図るつもりはありませんが、事実として私のシナリオ購入者は7割が女性です。

シノビガミにおいて、ドラマ性と攻略性はどちらも欠かせない要素です。極端に片方だけを重視するのではなく、自分にとって心地よいバランスを見つけることが、楽しくプレイするコツとなります。そして何より大切なのは、異なる楽しみ方をするプレイヤー同士が互いを尊重し、理解し合うことです。

いろいろ語りましたが、分かっている方からすれば当たり前の話。これからもこのあたりのバランスに優れたシナリオを書いていきたいなあと思ったのでした。ふれのでした。

わかばTRPG部 シナリオアンケート返信

はじめに

皆さん、こんにちは! シナリオ書いて7年目の老人TRPGプレイヤーことふれのです。

https://forms.gle/zNxzeK7ToqbQKd7C6

先日実施したシナリオに関するアンケート、たくさんの回答をいただきありがとうございました。今回はその結果をまとめながら、みなさんからいただいた質問や意見に返信していきたいと思います。

なお、コメントはすべて原文のままではなく、回答しやすいように調整・まとめている部分がありますので、ご了承ください。「名指しで返信してほしい」というご希望がある方は、個人的にご連絡いただければ対応いたしますので、お気軽にどうぞ!

では、スタート!!

データ的な結果

主な年齢、性別区分

おおよそ、20〜30代の女性が多くを占めており、ここで全体の7割ほどを取っています。これは想定していた通りでした。もともとTRPGという遊びの人口分布が20前半の女性とかだと思います。

ただ、アンケート結果的には30代以上の方も多くいらっしゃり、以外に30を超えてもバリバリ楽しんでいらっしゃうんだなあと思いました! 反面、年齢層が上がっていることは嬉しいことだけでもなく、私のシナリオ、もしくはシノビガミ界隈自体に若い新規ユーザーが少ない予兆も感じます。

シノビガミのアクティブユーザー分布的には、大雑把に割り当てるとエモビガミを遊んでいる方は女性多め、ボドゲちっくに楽しんでいる方は男性多めだと思ってます。となると私のシナリオはエモを求めて遊ばれてる方は多いようです。

シノビガミ以外で書いてほしいシステム

  • マギカロギア
  • インセイン
  • ダブルクロス
  • クトゥルフ

予想通りの結果ではありますね。私が手慣れているサイフィクの各種システムと、同じく異能バトルもののダブクロ、そして覇権のCoCが上位に来ました。

マギカロギア

個人的にも書きたい気持ちは強めです。実は「夕暮れの約束」というシナリオをすでに書いているので、これを公開した後の反応次第で続きを考えていきます。

インセイン

最近「顔バレ」というシナリオを書いていました。これももう少しブラッシュアップして形にする可能性はあります。魅力があることは十二分に承知していますが、個人的には異能バトル感がある方が私の得意分野に合っているとも感じています。本格的なホラーテイストのシナリオを書きたくなったら使うことになりそうです。

ダブルクロス

シノビガミプレイヤーとの親和性も高く、ふれシとの相性も良い世界観と、一本道のシナリオ進行が魅力ですね。最近、界隈が盛り上がっている様子を見ていて「良いな」と思うことも多いです。ゲームマーケットの出展数も驚くほど多かったですよね。

ただ、まだルールが身体になじんでおらず、戦闘シーンでの盛り上げがちょっと難しいと感じています。もう少し訓練が必要そうです。

クトゥルフ

「シノビガミをやってくれないけど、CoCなら参加してくれる人にもふれシの良さを伝えたい」という声をいただくことがあります。個人的にはシステムにそこまで魅力を感じていないのですが、いくつかのシナリオをCoCにコンバートしても良いのではないかと考えてはいます。

候補としては「過去と未来」「巡り会わせ」「眠れる勇者は愛を詠う」「さよなら、僕らの夏」「君が居る四季」あたりですね。シノビガミならではの世界観追求にこだわっていないシナリオや、戦闘シーンに軸足がないものが主な対象になりそうです。

シナリオ集か単体シナリオか

アンケートでは、4:6くらいでシナリオ集の方が人気でした。シナリオ集にはお得感がありますよね。「1本でも良いのがあれば満足」という意見や、「イベント会場で買うならシナリオ集の方が達成感がある」という声もありました。

最後に発刊したシナリオ集は「初陣」「絆」になります。制作は正直かなり大変でしたが、文化財の準備をするような楽しさもあり、またやってみたいなあとは思います。

他の方のシナリオを集めるか、私が全部執筆するか、どっちの方が良いかなあという悩みもありますが、創作の楽しさを追求するなら皆さんと一緒に作るのが良いでしょうね。一緒にやってくれる人いないかなあ?

好きなシナリオ傾向

予想通りの結果でしたが、シリアス、ダーク系への支持がかなり多く見られます。以下の傾向が人気でした。

  • シリアス
  • ダーク
  • 王道
  • ヒロイック
  • RP重視
  • キャラの関係性が深いもの

ふれシが得意としている方向性をそのまま強化していけば需要を満たせそうですね。コメディ系への投票も少数ありましたが、そちらはメインどころではないようで。

私のシナリオって「喪失から覚醒へ」という流れが多いんですが、絶望のまま終わったり、絶望の深さをさらに突き詰めたシナリオもあってもいいかもしれませんね。

好みのシナリオボリューム

4~9時間レンジが最も人気で、3時間以内が2番手。意外だったのは10時間以上への支持が少なかったこと。

最近はどの界隈もコンパクト志向が強いみたいですね。ふれシファンは「重ければ重いほど好き」というイメージがあったんですが、それも変わってきてるのかも。

なるべく要素を短くまとめることを意識していきたいと思います。いや、今も既に要素を削ることは意識してるんですけど、それでも書きたいものが巨大化しちゃって収まらないんですよ。

わかばシナリオの魅力的なところ

特に人気だったのは以下の要素です。

  • イベントリスト
  • 描写例
  • 立ち絵
  • マップデータ

「描写例」が堂々の1位だったのは実は意外でした。描写例はあくまで例なので使うか使わないかは自由ですが、これほど重宝されているとは驚きです。見知らぬシナリオを回す際には確かに助かりますよね。

かつては「リプレイがあると回し方がわかる」と言われていましたが、描写例がその役割を担っているのかもしれません。

頒布形式の好み

PDF版が6割、書籍が3割、その他が1割という結果でした。セッション時にはPDF版を使用している方も多いと思いますので、順当な結果ですね。

一方で、コレクションアイテムとしては書籍版の方が魅力的だとも感じます。ただ、書籍化を諦めればより特化したシナリオシートを作ることも可能になります。制作サイドとしては色んなやり方が考えられます。

例えば凝ったPDFデザインや、テキストコピーのしやすさなどを考えるとHTML形式での配布も選択肢になり、実は現在、ウェブで見られる便利なシナリオシートの形を検討中です。詳細はまだ未定ですが、ぜひお楽しみに。

イベント会場の希望

東京が50%、大阪が25%、その他が25%という結果でした。

実は昔、大阪ゲムマに出た時は今の東京イベントの2倍くらいお客さんが来てくれたんですよ。「ふれシファンは関西に多いんだ!」「関西のTRPG界隈は熱量高いな」って思ってたんですが…これって「大阪」だからじゃなくて「昔」は全体的に盛り上がってたってことに最近気づきました。

(あれ? 段々界隈の元気がなくなってる?)

細かいコメントへの返信

シナリオの完成度について

シナリオの骨組み、世界観の作り込みが凄い、創作や関係性を掘り下げる土俵や価値がある、完成度が高い

ありがとうございます。素直に嬉しいですし、時間をかけて制作しているので納得でもあります。個人的に強いと思っているのは、脳内の世界観をきちんとシナリオ内に出力できていることです。

どんなに作り込まれた世界も、作者の脳内だけにとどまっていては意味がありません。いかに作り込んだ世界観やシチュエーションをシナリオに書いてGMに共有できるかが大切です。そこが出来ているのが強みだなあと。

また、座談会の存在も強みだと思っています。作者や通過者の話し言葉での語りは、シナリオの深掘りに非常に役立つ情報になりますね。

GMの回しやすさについて

GMをする上で必要な事前情報の充実、回しやすい、PCの遊び方や指針が助かる

「人に物を伝える」のが得意な方だと自負してるので、必要な情報や順序、流れをシナリオシートに盛り込むようにしてます。「これなら回せそう」と思える土台作りは意識してます。

でも昔のシナリオ見ると「情報足りないな」「見にくいな」と感じることも…日々成長しながらクオリティを上げていきたいです!

ストーリー展開について

ストーリーが重厚、盛り上がりどころの用意や、道筋の分かりやすさ、展開の理由付け、くどさを感じさせないテンポ感

シナリオ制作講座にも書いていますが、「喪失と覚醒をいかに繰り返すか」に重きを置いています。

作り込んだシナリオでは毎サイクル忙しくイベントが発生して状況が目まぐるしく変わりますが、そのような展開の中でいかに喪失感や覚醒感を演出しつつ、後半に向けた伏線を貼り、流れを納得させるかを意識しています。

テンポ感は昨今の娯楽では特に重要ですね。短いスパンで強いイベントを流し込むことを心がけています。

NPCの魅力について

NPCが魅力的、GMが舞台装置にならずNPC経由でPCたちとRPを楽しめる、NPCの行動指針や性格など細部が作り込まれている

自作シナリオのNPCたちは、いわゆる「うちの子」です。全員愛していますし、魅力的なキャラクターに仕立てるよう心がけています。

守りたくなるようなヒロインや魅力的な敵役、GMがロールプレイしたくなるようなキャラクターを多く用意しています。GMも楽しんでほしいですからね。

プレイヤーの反応について

回した人からのリアクションが良い、感情の上下が何度も発生する展開、熱い展開、よい塩梅の予想を裏切る展開

感情を揺さぶられるような展開はやっぱり面白いものです。ただ協力型軸のシナリオに偏りがちなのは弱点かもしれません。プレイヤーにお話を委ねきれないと言いますか……。

対立型のシナリオでは各陣営によって全く違う展開に進むので、GMは「どうなるだろう」という観客視点での楽しみ方ができます。

一方、協力型では似たような展開を繰り返すことがあるため、GM視点では見える景色が変わらないという弱点があります。そんな時に変化の大きいドラマチックなシーンを用意しておくと、「このシーンでどんな反応をしてくれるかな?」というモチベーションが生まれます。PLの良い反応があると「そのリアクションを見るために頑張っていたんだ」と感じられますからね。

エンディングについて

がんばればハッピーエンドに辿り着ける

ふふふ、果たしてそうでしょうか?  確かに何かを失いつつも最終的には平和に終わるシナリオが多いかも。でも「何かを失う」の大きさはシナリオによってかなり違います。とんでもない犠牲の果てにようやく生き残る…そんなシナリオもあるので、それがハッピーエンドと言えるかは人それぞれかも。

素材について

ココフォリアマップとか他素材の附属が本当に助かる、描写例が丁寧で回すモチベアップ

素材があると確かに始めるハードルが下がりますよね! 描写例も評価いただけて嬉しいです。

実はこういうマップ作りや描写例の準備って、めちゃくちゃ時間かかるんですよ……私も大変な思いをしながら作ってるので、皆さんにはその苦労を味わってほしくない。「俺の屍を超えていけ、その先に楽しいセッションはあるぞ!」って感じです(笑)

(個人的にはココフォリアのマップ作りは苦行です)

戦闘バランスについて

ボスの容赦ない殺意が好き

ガチ構成以外お断り!ってほどではないですが、甘い構成だと厳しいデザインにはしてます。同人シノビガミシナリオの中では割とちゃんと難しい方かなと。「苦戦の末の勝利」がちょうどいいバランスだと思ってます。

意識してるのは「こんなの勝てるわけない…」からの「はぁはぁ…なんとか勝てた!」という展開。表面上のスペックより実際に戦うと案外なんとかなったり、奥義が演出重視だったり、明確な攻略法があったりするので、思ったより勝ちやすいかもしれません。

信頼感について

ふれのさんが書いたなら必要な情報が全部揃っているというGM視点の安心感

作者信頼、ありがとうございます!「この人なら身を任せられる」って思える相手とのセッションって楽しいですよね。それと同じで、「この人のシナリオなら絶対大丈夫」という安心感。

空中ブランコでジャンプした時に、確実にキャッチしてくれる安心感みたいなもの。この信頼感があるとセッションの楽しさがグッと上がると思います(真面目)。

もっと推してください!(本音)

制作秘話について

制作秘話をサイトでまとめて閲覧したい

ちゃんと語りたい話は座談会として作品に収録してますので、ぜひそちらをご覧ください。思いつきや呟き感覚の作者ふせは「ふせったー」で作品登録機能を使ってまとめました。

ウェブ形式のシナリオ頒布にも挑戦予定なので、座談会や作者ふせ、参加者のSNSなどを巡りやすくなるかもしれません!

シナリオの結末について

ふれシは「どうせ何だかんだで助かるんでしょ」と言われるので絶望のまま閉じるシナリオもほしい

実は救いがないシナリオもたまにあるんですよ。もちろん絶望一色ではなく切ない清涼感を大事にしてますが。「ふれのさんだから救済あるかなと思ったけどなかった」って言われたこともあります。

でも確かに分かりやすい救済が多めなので、少しずつ垂らす糸を細くしてもいいかもしれませんね。

タイトルとトレーラーについて

タイトルやトレーラーの弱さ、キャッチさの不足を感じる

これは本当に弱点だと自覚してます…ロゴ制作やトレーラーデザインの勉強をしてはいるんですが、プロに依頼した方がいいかもしれません。デザインが得意な協力者さん、真剣に募集中です!

報酬などは追って考えるとして、まずは一緒に作品を作るモチベーションがある方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。

ギャグシナリオについて

ギャグ方面のシナリオほしい

書籍化するかは未定ですが、ギャグシはわかばサイトのシナリオ一覧から読めますよ。手の込んだシナリオと比べると「こんなに手抜きなの!?」ってギャップを楽しめるかも(笑)

新作ギャグシについては2〜3個アイデアはあるんですが、筆が乗るかは微妙……ギャグシはギミックで面白くする必要がある気がしてて。ヴェロシティシステムを使ったナワバリバトルとか、シリアス要素を省いてお色気イベント増量したラブコメ御斎シナリオとか考えてます。

知名度について

知名度

「もっと評価されるべき」というタグをぜひ貼ってください(笑)。

認知度を上げるには私のマーケティング不足とトレーラーのキャッチ力不足が課題です。勉強するか、人に頼むかしないとダメですね。

シノビガミシナリオ作家としてはそれなりに知られてる気もしますが、クオリティを考えるとまだまだ足りないかな……という欲張り思考で今日も生きてます。

クライマックスフェイズについて

クライマックスフェイズを複数回繰り返す系のシナリオが多い、間延びするのでメイン戦闘と分割しては?

間延びする感覚は気のせいかもしれません。クライマックスフェイズ①から②に移行する時、多くの場合で生命力などは引き継ぎますよね。第1戦闘はリソースを適度に削る程度で、第2戦闘と合わせた総量でデザインしています。

PCの生命力が2倍になるわけじゃないので、敵の合計ステータスも2回分けても変わりません。つまり、2回戦闘するのも大きい戦闘1回も、処理量的には大差ないんです。

2回に分けるメリットは、メリハリのあるRPや全力の演出を2回楽しめること。CX1とCX2の間には色々なドラマやシーン、イベントが入るので、その展開の密度でくどく感じるかもしれませんね。

シナリオの世界観について

洋風ファンタジーが多い、和風の王道世界観を多くほしい

実は洋風ファンタジーは「Re:CreatA」と「眠れる勇者は愛を詠う」だけなんです。全体では王道シノビガミ世界観のシナリオが多いです。「ぜろゆめ」とかは純和風じゃなくSF要素ありますが、あれもシノビガミの世界観は忠実に守ってます。

「巡り会わせ」「君が静かに眠るなら」「いつか見た彗星」なんかは和の雰囲気強めなのでおすすめです。……ただ次の新作はまた西洋ファンタジー系になりそうです、ごめんなさい。

シナリオのボリュームについて

ボリュームが多すぎる。短く遊びやすいシナリオがもっとほしい。

その通りです。ただ、書きたい要素や展開をコンパクトにまとめるのは難しいんです!

「眠れる勇者は愛を詠う」も1サイクルシナリオのつもりで書き始めたのですが、盛り込みたい要素を入れていくと「1サイクルに収まるはずがない」という結果になってしまいまして、ふへへ。

シナリオの絶望要素について

シナリオの谷になる部分で絶望要素が強すぎることがある

シナリオ制作で大事にしてる「喪失」と「覚醒」って、サウナと水風呂を交互に楽しむようなものなんですよね。どのくらいの温度がちょうどいいかは人によって違うから難しいところ。適度な刺激がありつつも「楽しい」と感じられる温度設定を探っていきます。

ダーク色を強めてほしいという意見もあったので、いろんなシナリオでバランス調整していこうと思います。

戦闘演出について

ボスの忍法使用時のRP演出、奥義描写を充実させてほしい

今は簡易的な戦闘イメージだけ載せてて、詳しい描写例はあまり入れてないんです。通常シーンは描写例たっぷりなのに、戦闘シーンになると急に減るから、そのギャップに困る方向けに、忍法演出例を入れてもいいかも。

実はこれ、意図的に控えめにしてたんです。戦闘中にRPできる人ってそんなに多くないイメージで、GMやPLに「RPしなきゃ」というプレッシャーをかけたくなかったんですよね。でも、サポートとしての情報は提供していきたいと思います。

データの誤りについて

時々本と素材のエネミーデータ間違えてるぞ

すみません……本が間違ってることも、素材側が間違ってることも両方あります。全部私のミスです。やることが多いとチェックも大変で、すり抜けちゃうんですよね。今後は注意します!

人数可変シナリオについて

4〜6人のような数可変シナリオほしい

これいいですよね!遊ぶ機会も増えるし。

例えば重めのハンドアウトを6つ用意して、PLに選んでもらって、選ばれなかったのは登場しない、みたいな形式とか。

協力型で各PCにギミックに干渉できる特殊効果を与えておけば(能力見てキャラ決める感じ)、誰かが欠けてもドラマ的に困らないし、選ばれたキャラによって攻略の幅が出て面白そう。

逆に相互にドラマ性を持たせた設定付きキャラだと、「今日はフォロー役のPC2がいないどうなるんだ?」「PC3とPC4が一緒だから展開変わったね」みたいに陣営の空気が変わって楽しそうですが、制作は大変そう……。

継続キャラについて

継続キャラが使えるシナリオがほしい

よく聞かれるんですが、継続キャラだとPCハンドアウトでドラマを作るのが難しくなるんですよね。シノビガミって「とんでもない秘密をもらって『うわこのシナリオやばい』」ってなるのが醍醐味じゃないですか。

その秘密で「えーっ!」ってテンション上がって、キャラ作りに力入って、セッションへのモチベが上がる…この流れが大事なんです。そのきっかけとしてPCハンドアウトのドラマ性は重要。

継続キャラだと、それ以外の要素でグッとくる魅力がないと難しいんですよね。トレーラーと公開情報の魅力をもっと高めないと…。

時間遡行シナリオについて

時間遡行や時間旅行シナリオほしい

これ、めっちゃ魅力的ですよね!時を巡るワクワク感と各時代の変化。例えば1サイクル目は江戸時代、2サイクル目は昭和で、1サイクル目で出会ったキャラのその後が分かる…みたいな。

時間移動は大好きなんですが、これまでは「時間遡行」というより「時間漂流」や「タイムトラベル」が多かったかも。巻き込まれて時を超えちゃう系ですね。マギロギなら時間遡行しやすそうなので相性良さそう!

マギカロギアについて

マギロギの世界観が好きなのでマギロギ書いて

最近一本書いたんです。まだ清書できていませんが、いずれ形にしてリリースします。テストプレイヤーから「ふれシだ!」という評判をもらっているので頑張ります!

王道妖魔退治シナリオについて

退魔編の王道妖魔退治シナリオ書いて

「巡り会わせ」「君が静かに眠るなら」あたりは王道妖魔退治なんですが、確かに少ないかも。

公開情報では明かしてなくても「実は黒幕は妖魔で、これを倒す退魔シナリオ」ってパターンは結構あるんですが、最初からそれを前面に出したのは少ないかも。検討してみます!

流派ブックの追加ルールについて

流派ブックの追加ルールもりもりシナリオ

今まで使ったのは断城、工作、剣魂、半忍あたり。明言してないけど実質的な異界律も使ったかも。ずいずいさんは世論ルール使ってましたね。

特に魅力感じるのは断城ルール。能動的に場面やシーンを作れるので制作者的には扱いやすいんです。

ただ、追加ルールの魅力がいっぱいあるのと同時に、なるべく基本ルルブだけでも楽しめるシナリオにしたいなあという思いもあって、その匙加減は注意していきたいです。

ダークシリアス系シナリオについて

ダークシリアス系のふれシがみたい

興味があるのは、段々と人が少なくなっていくタイプのシナリオです。真夜中カード使って人がどんどん死んでいく系とか面白そう。あと荒廃した世界を舞台にして絶望の中で進むシナリオとか、エンダーマグノリア的な雰囲気とか好きなんですよねえ。次の新作はそんな雰囲気が「半分」あるシナリオになりそうです。詳細はまたいつか……。

ふせったーについて

ふせったーのタグ作ってくれてありがとう。作者巡回しやすい

有名シナリオだと登録が乱立して散らかるから、公式で決めておいた方がいいかなと。雑多な要素をまとめる独自データベースとしても機能しそうですね。

みなさんも呟く時は「広場」で作品登録してもらえると嬉しいです。新機能使ってコミュニケーション取りましょう!令和の時代ですからね!

シナリオの熱量について

熱量が高くて、それをちゃんとシナリオに落とし込めてるのが凄い

熱量の高さは自信あります。継続的かつハイペースで走り続けてるからこそ、密度の高いシナリオをたくさん作れたと思ってます。

でもモチベーションがいつまで続くかは分からない…。みんなの応援を燃料にしてるので、シナリオの感想を呟いたり作者にメッセージ送ったりするのは、どんな創作者にとっても大きな支えになります。

一緒に創作してくれる人も募集中!シナリオ作り、本作り、配信や動画作りなど、興味ある方はぜひ声かけてください。

シナリオ制作講座について

シナリオ制作講座を読んでシナリオ書いてます

これは本当に嬉しいです。あの講座は短期間で作ったものですが、私のノウハウはしっかり詰め込んだつもりです。創作の参考になれば嬉しいと思っていましたので、役立っているならとても光栄です。

最近、「ふれのフォロワー」のシナリオを見かけるようになりました。フォーマットや書き込みの量、シナリオの質やストーリーの方向性などが凄い私の作っているものに近しくて、私の琴線に触れる魅力にあふれているものが多く、プレイヤーとして遊んでみたいと思っています。

実は私自身、自分が制作したシナリオをプレイヤーとして遊んだことがないんです。機会があれば、講座を参考に作られたシナリオを私に回していただけると嬉しいです。

応援メッセージについて

応援しています。いつもありがとうございます。楽しんでます。

この一言のおかげで「今日も筆を取ろう」という気持ちになれます。本当にありがとうございます。

今後の活動について

さて、アンケートを取った理由は何かというと、正直なところ「私が活動方針に悩んでいる」からなんです。

私自身、シナリオを作るのは得意ですが、一人で作ってきたわけではありません。一緒にシナリオを作る仲間や、立ち絵を描いてくれる絵師さん、テストGM、テストPLの方々など、多くの協力があってこそシナリオ制作ができていました。わかばTRPG部は私を中心とした活動サークルではありますが、チームとして様々なものを作ってきたのです。

でも人間、いつまでも全力疾走はできません。いつの間にか一緒に遊んでた人たちのペースが変わってきました。仕事が忙しくなったり、結婚・出産で家庭環境が変わったり、新しいコンテンツに移ったり…完全に引退した人もいれば、熱量が下がった人もいます。

そんな中、私は「Re:CreatA」の執筆から、インセイン「顔バレ」、シノビガミ「眠れる勇者は愛を詠う」、マギカロギア「夕暮れの約束」と次々とシナリオを書き、さらにわかばのサイトのリニューアルまで行っていました。裏でも様々な活動をしており、熱量の高さには自信があります。

ただ、自分の熱量が高まるにつれて、活動ペースが変わりつつある仲間や界隈全体の様子を見ると、少し寂しく感じることもあります。さらに、わかばの創作物の売上も徐々に減少しています。アンケートでも触れたように「かつての大阪ゲムマほどの熱量が今のイベントにはない」と感じています。

時代の変化で私のシナリオが合わなくなってきたのか、TRPG界隈自体が落ち着いてきたのか……「オワコン」と言われてる気分になることもあります。

それでも、これからもシノビガミのシナリオを書きたいですし、TRPGを全力で楽しみたいと思っています。そのために皆さんの声を聞き、今後の活動の参考にしたいと思ってこのアンケートを実施しました。

また、データ頒布、書籍販売、イベント参加など、どのような形でシナリオを提供していくかも考えています。これまでは基本的に書籍があり、それのデータ版も出していましたが、今後はデータとしての形を追求するかもしれません。現在最も可能性を感じているのはHTML版です。ページ内リンクや画像などを活用した、オンラインセッション向けのシナリオシートを検討中ですので、お楽しみに。

あと、現在特に力を入れているのは、様々な人との交流です。

  • シナリオを一緒に書いてくれる人、相互フィードバックができる方
  • トレーラーやロゴなどの制作が得意な方
  • 創作活動を一緒にしたい方
  • 企画を考えており、ディレクションできる人を探している方

このような方々と繋がりたいと思っています。誘われ待ちではありますが、企画、依頼、相談など、どんなアクションでも気軽に受け付けていますので、ぜひお声がけください。一緒に活動してくださる方がいれば、私のモチベーションもさらに高まると思います。

これからも「オワコン」と言われないよう、様々な活動を続けていきますので、引き続きよろしくお願いします。

改めて、アンケートにご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。今回得られたデータは私にとって貴重な資料であり、大きなモチベーションとなっています。

TRPGの遊びの本質は「相手に合わせる」

早速ひと記事書いてみました。私と作業通話している方などは散々聞いたことのある話だと思います。
どうも、話が長くなってきた老人TRPGプレイヤーふれのです。

今回は、私が持論として持っているTRPGを遊ぶうえで心がけたいもの、気をつけたいもの、その根幹にある気持ちを記事にしたいと思います。当たり前のことしか書いてはいませんが、改めて見てみると何かの気づきになるかもしれませんので。

既にタイトルで答えは出ている

もうタイトルが結論であり、真理であり、これ以上の話は出てこないので、ここで記事を見るのを終わっても良いのですが、さすがに味気ないので解説していきます。

毎日SNSで繰り広げられる論争、シナリオの作りについてや遊び方について、こんな酷いことがあったよーという嘆きに、それへの共感や反論。
そう、誰が呼んだか「TRPG学級会」というやつは今日もどこかで繰り広げられ、いろんな人の参考になったりコンテンツとして面白おかしく消化されたり、多感な人がストレスの要因にしたりするのでしょう。

しかし、それらに対する答えは実は、ほとんどこれで片付いてしまうんです。それがTRPGの本質は「相手に合わせる遊び」だよという言葉。これこそが答えであり、この答えに辿り着けていない人は、TRPGを遊ばない方がいいかもしれません。

ほら、TRPGを遊ぶことを何といいますか? 「セッション」ですよね。お互いの音色や演奏に合わせて一つの音楽を奏でるようにして、ようやく一つのセッションが成立します。
TRPGも同じです。キャラクターの個性をうまく調和させながら、一つの物語という名の楽曲を仕上げないといけません。

一人だけが目立ちたがったり、自分の思い通りに進めようとしたりすると、セッションは成り立ちません。独りよがりなギターソロでは素晴らしいバンド演奏にはならないのと同じです。TRPGでは、自分の個性を出しつつも、他のプレイヤーやGMと調和できる「温度感」が大切なのです。

もし相手に合わせることができない、または合わせることで自分が極端に不幸になってしまうなら、それは単に相性が合わないだけかもしれません。そういう場合は、無理に同卓する必要はありません。これが大前提です。

妄想と創造のキャッチボール

TRPGはお互いに同じルールを、世界観を、そして存在しないキャラクターやシチュエーションを共有して一緒に物語を作っていくという遊びです。これは一般人に説明してもなかなか理解してもらえない、意味が分からないことをやっているんですよね。

TRPGってなあにって一般人に聞かれた時に私は「超本格的おままごと」としか返せませんし、それ以上語っても理解されることは難しいでしょう。

そんな面倒なことも実は紐解いていくと結局は、楽しい体験を「誰かと共有する」という遊びであるという結論に辿り着くんです。一人で遊ぶならコンシューマーゲームを遊べばいいですからね。TRPGの魅力は人と人とのコミュニケーションです。マジでこれ。

PC同士の会話、GMの投げ掛けに対する回答、その場で紡がれる即興の物語に一喜一憂し、感情を動かされる。これらはすべて誰かとのコミュニケーションによってのみ成立し、その他の要素はコミュニケーションを促進するためのツールに過ぎないのです。これがTRPGを遊ぶユーザーが持つべき大前提としてあります。

実はTRPGにはかなり高度なコミュニケーション能力が求められます。

  • 実際には目の前に存在しないキャラクターや場面を想像する
  • 実際には体験していないシチュエーションを頭の中で作り上げる
  • 他の参加者が作り上げた想像の世界を理解する
  • そこに自分の想像を重ねていく

正直、めちゃくちゃ難しいです。相手の話す内容を理解するヒアリング力、自身の妄想を分かりやすく伝達する伝達術、その双方が試されます。

これ、逆に言えばコミュニケーション力が足りない人のTRPGは、その妄想と想像のキャッチボールが上手くいかないってことなんです。これの具体的な例をあげていきましょう。

うちの子ジャイアンリサイタル

TRPGでは、自分のキャラクターに様々な設定を付け、愛着を持つことはとても自然なことです。しかし、果たしてそれが一緒に遊ぶ相手に伝わるでしょうか? それは他のプレイヤーにとって魅力的でしょうか?

ドラえもんに登場するジャイアンが、下手な歌を無理やり聞かせる場面をジャイアンリサイタルと呼びます。

自分だけが楽しい長々とした設定や背景説明は、他のプレイヤーにとっては「聞きたくもないノイズ」になってしまう可能性があるのです。しかし、それは「どうでもいい人」の設定であればです。
そう。ちゃんとその人やキャラクターに魅力があって、背景を知ることで物語に深みが生まれるような魅力さえあればいいんです。
つまりジャイアンが悪いのはリサイタルを開催していることではなく、そのリサイタルが下手くそな歌で聞くに耐えない迷惑行為だからということです。身も蓋もない話ですが、歌が上手くてみんなが魅力的に感じていればそれでいいんです。

キャラ設定をシナリオの流れと噛み合わせたり、同卓PCの設定を取り込んでチューニングしたり、キャラの隠されていた部分が見える度に「そうだったんだーうわー」と歓声があがるような魅力的な設定を用意できれば良い……というわけではないんですねー。

そこに追加で「ちゃんと伝わるように表現できればよい」のです。魅力的な設定でも伝わらなくちゃ意味はありません。必要なのはコミュニケーション能力です。ちゃんと相手に魅力的に伝わるような話し方、タイミングの選び方などが必要ということです。

ね、めっちゃハードル高いでしょ? とはいえ実際にはここまでの高いハードルは感じることなく「なんとなーく」で楽しめてる人が多いです。それは相手が「気の置ける仲の友人知人だから」なんですねー。ある程度のミスマッチを許容できるくらいの関係性があるから許されているんです。

逆にいえば、そうじゃない場合は要注意です。友達の友達、野良マッチング、などそういった関係性の薄い人との卓は要注意なんです。

常に「相手を楽しませているか」「相手を不快にしていないか」を意識するだけでも、セッションの質は大きく変わります。まあ、自分が精一杯気を使ってやった行為が相手にとって地雷だっていうなら、それはもう根本的に相性が悪いから仕方がないのですが。

PvPは何よりも協力が必要なゲームだ

PvP要素ありのシナリオ、対立型のシナリオ、そのようなシナリオは多々あります。中には苦手意識を持っていて、対立は遊びたくないって方もいらっしゃることでしょう。その気持ちも分かります。特にシノビガミでは結構不愉快な経験をした方も多いのではないでしょうか。

これは何故こんなことになってしまったのか。もう今までの話で散々語っていますが、コミュニケーションが出来ていないからであり、尚且つ対立型とは「最も高いコミュニケーション能力を必要とするハードルの高い遊びだから」です。

ちゃんと理解している人は問題ないのですが、これを正しく理解していたとしても対立というのは高度なコミュニケーションを要します。何せ、勝ち負けという概念が存在してしまうということは、どちらかが勝者役、敗者役をやらないといけないんです。

これは本当に難しいんです。コミュニケーションとは互いのやりたいことを上手に引き出し合うと話しましたが、強い力で相手を圧倒してしまうと、相手のやりたいことが何もできなくなってしまいます。断ちクリ一撃で構成崩壊、何もできずに敗北。それは楽しくないでしょう。

  • 強すぎるキャラや戦術で相手を圧倒すると、相手のプレイヤーは何もできなくなり楽しめない
  • かといって明らかに手加減すると、相手に「舐めプされている」と感じさせてしまう
  • 勝敗だけでなく、そこに至るまでのドラマや接戦感を共に楽しむバランス感覚が必要

ね、めちゃくちゃ難しいでしょ。そしてそもそも「対立型をみんなで協力して作る遊びである」という大前提を理解していても大変なのに、理解していない人がいると地獄絵図と化すんですよ。

感覚的にはパーティゲーム。マリオカートは「コミュニケーションのツール」のようなコンセプトがあるようですが、TRPGもそういうコンテンツなんですです。ゲームとしての勝ち負けよりも、その過程で生まれる感情やドラマを楽しむことが本質なのです。

対立型が苦手な方は、まずは信頼関係のあるメンバーと少しずつ試してみることをお勧めします。野良では絶対に対立にはいくな! ちなみに私が書いたシナリオに対立型は殆ど存在しないんですけどね!

まとめ

TRPGはコミュニケーションだって分かっている方はいいんですけど、本質が違う箇所にあると考えている方は一旦思考を整理する良い機会になれば幸いです。

  • 自分の楽しさだけでなく、テーブルの全員が楽しめるよう心がける
  • 相手の想像を理解し、自分の想像を伝える技術を磨く
  • キャラクター設定は魅力的に、そして適切に伝える
  • 対立型シナリオでは特に高度なコミュニケーションを心がける

TRPGを始めたばかりの方は、いきなり高度なテクニックを身につける必要はありません。まずは信頼できる仲間と「お互いの想像を楽しむ」という基本を大切にしながら、少しずつスキルを磨いていきましょう。

まあ、こんな偉そうなこと言ってる私も実際大したプレイができているわけじゃないのに理論でイキってるだけなので、「ふーん」って気楽にとらえつつ、でもどこかのタイミングで「あーなんかあんなこと言っとった変なやつおったわー」って思い出していただければそれでいいかなーって。

わかばTRPG部ウェブサイトリニューアル

みなさんこんにちは!お久しぶりです、ふれのです。

今回はわかばTRPG部のウェブサイトをガッツリ作り直したお知らせです。実は工事完了したのは3月頃なのですが、色々と新しくなったのでぜひ見ていってください!

待望のWordPress化(?)

今回の一番大きな目玉はここです。
WordPress化! しかも自作テーマです。

分かる人にしか分からない話かもしれませんが、これまでのわかばのサイトというのは、HTMLとCSSというサイトを見るためのファイルを直接置いていました。そしてブログページだけはWordpressという専用ツールを使っていたので、昔のわかばのサイトってブログだけデザイン違っていたと思います。

具体的には、トップページを更新するには直接HTMLファイルを編集する必要があり、新しい作品やシナリオを追加するたびに手作業でコードを書き換えていました。これって結構大変な作業なんです。タイプミスがあればサイトが崩れますし、複数ページに渡る変更は全てのページを一つずつ修正する必要がありました。

でも今回は全部Wordpressにしてしまいました。トップページも作品集もシナリオ一覧も、全部WordPress!
これによって、専門的な知識がなくても簡単に更新できるようになったんです。あとは何よりもデザインの統一感が素晴らしい! ブログもシナリオ一覧も同じデザインで利用できる!

よくわからないかもしれませんが、紙とペンでイラスト描いていたのが、ペンタブを使ったデジタルに移行したような感じです。そして一度描いたパーツを何度も使いまわせるようになった感じとでも言いましょうか。

この辺の勉強と作業代行は大体AIくんにやってもらいました。私の推しAIはClaudです。AIとの対話でサイト構築のコツを掴むことができ、特にWordPressテーマのカスタマイズ方法などはとても勉強になりました。

デザインも新しく

元々のわかばのウェブサイトって、私が学生時代にサイト作りの勉強をして初めて作ったサイトなんです。すごくポップで可愛らしい雰囲気があり、あれはあれで好きだったのですが、もっとスマートな感じにしたいという思いがありました。

実は最初のサイトデザインからもう3年近く経過していたんです。今はより直感的で、余白を活かしたミニマルなデザインが主流になっています。そこで古き良き要素は残しつつも、現代的な雰囲気に一新することにしました。

わかばのウェブデザインコンセプトは「親しみやすくて」「可愛らしい」です。20代前半くらいの女性が好みそうなデザインというのを意識して作っていました。今回は、全体的な雰囲気をガラッと変えない程度に、サイトを綺麗に整え直しました

トップページ

作品一覧

シナリオ一覧

  • 全体的にコンテンツを小さくして余白を取る
  • 白ベースでスッキリした見た目に
  • ブロックがぷかぷか浮かんでる感じで遊び心のあるアニメーションもバッチリ
  • スマホでもPCでも見やすいデザイン

特に重視したのが、情報の整理と視認性の向上です。以前は情報が広く間延びしていた感じがありましたが、今回は要素のサイズをコンパクトにし、余白をしっかり取り、情報が一目で分かるようにレイアウトを工夫しました。各種シナリオや同人誌の情報がより探しやすくなったと思います。

そしてもちろん、スマホとPCの両方に最適化しています。ただこのサイトに来る人は基本的に10〜30台の方だと思っているので文字サイズは割と小さめにしています。

あと今回はブログのデザインも合わせることができたので統一感があって良い感じです! 以前はブログに行くと「別のサイトに来た?」と思うような感覚がありましたが、今はシームレスな体験ができるようになりました。

テーマは相変わらずポップで可愛らしさを追求しつつも、現代風のモダンな仕上がりにして、親しみやすさと優しさが共存できるサイトを目指しました。デザインの統一感が出たことで、わかばTRPG部らしさも表現できてきましたね。

見た目が良くなると更新のやる気もアップしますね! 自分でも「更新したい!」と思えるサイトになったことが一番の成果かもしれません。

ブログをもっと活用していきます

今回、実はブログ記事を書きたいなと思っていて。ブログページはデザインだけじゃなくて絞り込み機能や記事一覧の表示画面など、色々と力を入れています。

私って結構、いろんな考えや思考を分解して言語化するのが好きで、「こういう考えを持っています」みたいなつぶやきをよくSNSでしています。

TRPG界隈では、システムの解説とか遊ぶ上でのマナーなど、とにかく色々な「考え方」が存在します。それらを何度もSNSで発信していたわけです。それこそ「TRPGはセッションと呼ばれる理由」とか「対立型は協力して遊ぶものだ」とか、同じことを何度言ったか分からないレベルで。

でも、何度も同じ発言を繰り返していると、せっかく思考をまとめているのに、それがアーカイブとして残らないのはもったいないなと思ったんです。SNSはタイムライン型なので、過去の投稿がどんどん流れていってしまいます。そして忘れたころにまた同じ内容を説明する……という繰り返しになります。

そこで、いろんな考えや方針、シナリオの裏話なんかを、どんどんブログに残していこうと思った次第です。ブログって「ウェブ・ログ」の略なんですよね。そう、ログなんです! 私の思考や考えを形にしておく場所として使っていきたいと思います。

これによって、「あのときふれのが言っていた考え方、どこで読めるんだっけ?」と思ったときに、すぐに参照できるリソースになります。私自身も自分の思考を外付けのブログに残しておくことができます。

これからはSNSでは伝えきれない話や、新作の告知なんかもどんどん記事にしていく予定です。長文でじっくり読み込みたい内容はブログに、即時性の高い情報はSNSに、というすみ分けで情報発信していきます。

サイト作りって楽しいですね

ということでサイト作りを楽しんで、サイトのフルリニューアルが完了しました! 最近はねむゆうのサイトを作ったりもして、サイト作りにハマっている節がありますが、ちゃんとシナリオも書いていますのでご安心を。マギロギの新作一本と、シノビガミのまだ世に出ていない新作一本、今年中にはリリース予定ですのでお楽しみに!

サイト制作は、TRPGのシナリオ作りとも通じるものがあります。情報の整理と提示方法、ユーザー体験の設計、そして何より「伝えたいことを相手に届ける」という点では、同じ感性だと感じています。

それにしても、サイト作りを楽しめるというのは一つの才能だと思うので、有償でシナリオサイトの制作依頼とか受けてみようかなと考えています。特にTRPGサークルやシナリオ作家さんは、自分の作品を魅力的に見せるサイトが必要なはず。でも技術的なハードルが高くて諦めている方も多いのではないでしょうか。

これからも新しくなったサイトでいろんな情報を発信していきますので、時々覗きに来ていただけると嬉しいです!サイトのフィードバックや「こんな記事が読みたい」というリクエストも大歓迎です。どうぞよしなに。

マギカロギア サンプルキャラクター

「ああ、世界の理に迫りし者。魔法使いになりたいなあ〜^」

マギカロギアをプレイするには、当然ながらキャラクター作成が必要ですが、経験の少ない方には少し難易度が高く感じるかもしれません。

何をかくそう、マギカロギアはデータを駆使した高い戦略性がウリ、これは逆にいえば初心者にはルールを覚えて最適なキャラシを作るハードルが高いということです。

なので、初心者の方には「まずは遊んでみて、オリジナルキャラクターは後から考える」という方法をお勧めします。細かいことは遊びながら学んでいこうねーってことで。

そこで、簡単に使えるサンプルキャラクターをご用意しました。お試し用ということでルールブック無しでもキャラクターを作れ、ゲームを始められます。慣れてきたら自分でキャラクターを作ってみましょう。

好きな経歴からサンプルキャラシを選ぶ

マギカロギアには6つの魔法使いの種類(経歴)があります。いわゆる職業、流派に相当します。簡単に各経歴の紹介をしておりますので、一番興味を惹かれた経歴を選んでみてください。各サンプルキャラクターの細かい情報はこの下のサンプルキャラクターを選ぼうをご覧ください。

【書警 -ブックウォッチ-】戦いを得手とする者たち

戦うことと、魔法によって起こる災いにに対処する訓練を受けている者たちです。潜み隠れている魔法に関する存在を 見つけ出すことや、魔法と魔法がぶつかり合う、特殊な戦いで勝利を収めることを得意としています。

【司書 -ライブラリアン-】魔導書に関する専門家

魔法使いは自身が使える魔法を、よく魔道書という本の形 で所持しています。司書は、そんな魔道害の専門家です。彼らは魔道書に関して膨大な知識を備え、その知識を持って仲間の魔法使いを助けることに秀でています。

【書工 -アルチザン-】魔法の修復家

本という形を備えた魔法、魔道書の扱いに長けた者たちです。彼らは、調子の悪くなった魔道書をメンテナンスしたり、新たな装丁をほどこすことに よって、強化したりといった技術を身につけています。

【訪問者 -ゲスト-】魔術の世界のイレギュラー

魔法は知識であり、技術です。 しかし、眠れる才能として持っている者もいます。その才能を目覚めさせ、突然魔法の世界に関わることになってしまった者を、訪問者と呼びます。そう、あなたのような者たちです

【異端者 -アウトサイダー-】人ならざる者たち

魔法を使えるのは、人間ばかりではありません。吸血鬼や一角獣、夢魔のような人ならざるものたちは、生まれつき魔法に近しい存在です。異端者は、その中でも魔法を研鑽し、自在に操れるようになった者たちなのです。

【外典 -アポクリファ-】縛られし魔導書

魔法が形を成した存在である魔道書は、意志を持つことがあります。自在に動き回るようになった魔道書のうち、契約によって縛り付けられ、使役されるようになったもの。それが、彼ら外典と呼ばれる存在です。

サンプルキャラクターの作り方 ~基本情報を入力する~

好きな経歴を決めたら、そのサンプルキャラクターのURLをクリックします。「マギカロギア キャラクターシート」というサイトが開きますので、ここに自分のキャラクターを入力していきます。

①.基本情報を入力

【かりそめの名前】【魔法名】【性別】【年齢】【表の顔】【設定】を入力します。

魔法名: 魔法使いとしての活動名。キャラクターの力を象徴する名前を選びましょう。
例: 「炎の使徒」「霧の使い手」「星の守護者」など

かりそめの名前: 社会生活での日常的な名前。
例: 「田中太郎」「振野敏行」「リリー・グリーン」など

性別と年齢: 自由に設定できます。魔法使いは永遠の存在のため、数百歳という設定も可能です。

表の顔: 一般社会での職業や立場を設定しましょう。
例: 「大学教授」「古書店主」「フリーランスの写真家」など

魔法名: 時の書記官(クロノス・スクライブ)
かりそめの名前: 折本 時雨(おりもと しぐれ)
性別/年齢: 男性 / 表向き38歳(実年齢347歳)
表の顔: 大学非常勤講師
設定:表向きは大学で古文書学の講義も受け持つ穏やかな学者だが、実は「時の書記官」という時間遡行が可能な魔法使いである。長い年月を生きてきた時雨は表情を殆ど変えず、言葉少なで冷静だが、人々の生き様や人生の選択に対して深い敬意と共感を持っている。特に古い文書や物に宿る「記憶」を読み取ることができるため、修復作業を通じて過去の人々の想いに触れ、それを大切に保存することに喜びを見出している。近年は現代の記録媒体がデジタル化することに危機感を抱き、アナログな「書く」という行為の持つ魔力と意義を若い世代に伝えるため、大学での講義を始めた。密かな趣味は茶道と天体観測。工房の屋上には小さな望遠鏡があり、星々の動きもまた時の流れの証として記録している。

②.真の姿の名称と説明を決めて入力

【真の姿】とは、魔法使いとして真価を発揮した姿です。セッション中に一度だけ使用できる、いわゆる「必殺技」「奥義」「奥の手」に相当します。その名称と説明を追加します。
姿と銘打っている通り、元の姿からかけ離れたまったく異なる姿に変身しても良いですし、元の姿を残したまま魔力を纏い、未知の力を覚醒させるような演出にしても良いでしょう。
また、効果には「魔力開放」が入っています。

真の姿: 「万象歴史記」
説明:体から無数の巻物と書物が浮かび上がり、彼自身が巨大な「生きた書庫」へと変貌する。肌は古い羊皮紙のように変化し、瞳は墨のように漆黒になる。指先からは時の墨が滴り、空中に文字や絵が描かれると同時に現実がその通りに変容する。過去に記録したあらゆる歴史書から情報を引き出し、一時的に過去の英雄や偉人の技や知恵を再現することができる。また、周囲の時間の流れを操作し、敵の動きを遅くしたり、味方の動きを早めたりすることも可能になる。

③.魂の特技を決めて入力

【魂の特技】はキャラクターにとって非常に重要な理(ことわり)や信念を示します。例えば「正義」「愛」「煌めき」など、キャラクターの個性を反映させましょう。

④.初期アンカーを設定

初期アンカーのアンカー名と属性、設定を入力します。その魔法使いにとっての「大切な人」です。例えば家族や恋人といった親密な関係、遠い憧れの存在や興味関心、もしくはライバルや宿敵のような相手もアンカーになり得ます。

アンカー名:<橘 桜子>
属性:師弟。あなたはそのアンカーと仕事場、もしくは学校で知り合った。
設定:28歳の女性。時雨が非常勤講師を務める大学の図書館で古文書部門を担当する司書。表向きは同僚だが、10年前、彼女が整理していた古書から漏れ出した危険な時間魔法に巻き込まれたところを時雨に救われたことがきっかけで、彼の正体を知る数少ない現代人となった。

属性には以下のいずれかを入力してください。

2恩人。あなたは、困っているところを、そのアンカーに助けてもらった。
3居候。あなたかアンカーは、どちらかの家や経営するアパートに住んでいる。
4酒友。あなたとアンカーは、酒飲み友達である。
5常連。あなたかアンカーは、その仕事場によくやって来る。
6旅人。あなたは、そのアンカーと同じ趣味を楽しむ同志の士である。
7隣人。あなたは、そのアンカーの近所に住んでいる。
8師弟。あなたはそのアンカーと仕事場、もしくは学校で知り合った。
9文通。あなたは、手紙やメール越しにそのアンカーと意見交換をしている。
10肉親。あなたは、そのアンカーと以前に、親交があった。
11忠臣。あなたは、そのアンカーを秘かに見守っている。
12情人。あなたは、そのアンカーと肉体関係を結んでいる。

⑤.入力できたらキャラシを登録

任意ですが画面上部の「ファイルを選択」からキャラクターの画像を登録することが出来ます。より自分のキャラクターに愛着が湧いて楽しくゲームできると思います。フリーで使用できる立ち絵画像などはいっぱいありますので良ければ登録してみましょう。

ここまで入力が終わったら、一番下にある【パスワード】を入力し、【コピーして登録】を押していただくとキャラクター作成完了となります。お疲れ様です。

その後URLをコピーしてお気に入り登録するなどして保存しておいてください。このURLにアクセスすることでキャラクターシートが開けるので、GMに提出する時などに使います。またデータを更新したいときは同じパスワードを入力し、コピーして登録ではなく「登録」を押すと更新が可能です。

マギカロギアはシノビガミなどと違い、基本的に協力型のセッションとなるため、セッション前にキャラクターを公開しても問題ないことが多いです。

自分でキャラクターを作るためには?

ご自身でキャラクターを作成するためにはルールブックが必要になります。ルールブックにはキャラクター作成の詳細な手順や、豊富な魔法、経歴などの情報が掲載されています。

上記の作成過程では省略しましたが、膨大なレパートリーから「蔵書(魔法)」をご自身で決めて、自分なりの魔法構築を作ることが出来ます。真の姿も魔力開放以外のものを設定可能になります。

ご興味を持っていただければ、是非ともルールブックを購入いただき、マギカロギアの世界をよりお楽しみいただければ幸いです。

ゆくとしふれとし2024

わかばTRPG部のふれのです。2024年もいよいよ大晦日を迎え、振り返りの時期となりました。今年1年、私の活動に関わってくださったすべての方々に、改めて心より感謝申し上げます。

今回は、昨年の振り返りを中心に、これまでの活動について整理しつつ、来年の目標や今後の展望についてTRPGや創作活動との関わり方なども踏まえてお話しさせていただきたいと思います。

もしお時間があれば、ぜひ最後までお付き合いください。

わかばTRPG部 活動遷移

2019年 五つの軌跡執筆

2020年 シノビガミ汎用マップ、SelectA執筆

2021年 ゲムマ大阪、SHUXEI執筆

2022年 巡り会わせ執筆、ゲムマ東京春、シノビガミ汎用マップVer2、(りくりえ執筆)

2023年 絆初陣執筆、(りくりえ執筆)

2024年 初心者でもできるシナリオ制作講座、りくりえ執筆、ゲムマ東京秋

2025年 ????

2024年振り返り

作業に没頭した日々

今年を振り返ると、何よりもまずRe:CreatA」の執筆作業に全力を注いだ1年だったことが印象深いです。11月のゲームマーケットに向けて全力でした。

TwitterなどのSNSでも定期的に活動を発信していましたが、日々の余暇時間のほとんどを執筆に費やしていたため、非常に忙しい毎日を送っていました。

息抜きの時間がほとんど取れず、積みゲーがどんどん増えてしまうという状況ではありましたが、それでも充実感のある日々でした。何よりテストGMの方やテストPLの方を中心に、多くの方に協力いただけたことが最後まで走り抜けるモチベーションに繋がりました。

時間をかけて取り組んだ分、完成した「Re:CreatA」には相当の自信を持っています。実際に遊んでくださった方やご覧いただいた方々からも好評な反応をいただいており、嬉しい限りです。これからも多くの方にアルアでの旅路を楽しんでいただければと願っています。

また、「Re:CreatA」執筆活動以外にも、様々なシナリオ制作に取り組んでいました。たとえば、インセインシナリオの「顔バレを完成させて公開したり、現在制作中のシノビガミGMレスシナリオ『眠れる勇者は愛を歌うもかなり形になってきました。

作業の合間に遊んだゲーム

執筆漬けの日々だった今年ですが、その合間を縫っていくつかの名作ゲームを遊ぶこともできました。特に印象に残っているのは、人生で初めて挑戦したドラクエ『ドラゴンクエストXI S』です。

壮大なストーリーや美しい世界観、魅力的なキャラクターに心を奪われ、じっくりと楽しむことができました。推しはベロニカな。

また、SF作品の金字塔とされる『13機兵防衛圏』も遊びました。こちらはあらゆるSF要素を詰め込んで破綻なく成立させているという異次元すぎる脅威のシナリオ。二転三転じゃ済まない前提からひっくり返すびっくり要素が最後まで続く神ゲーでした。

あとは、美しい世界観と高難易度アクションゲームで話題となったメトロイドヴァニア系列の神作『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』もプレイすることができました。ボスラッシュで5分台を出すまでやり込みましたよ!

あとは『風来のシレン6 とぐろ島探検録』も最高でした。過去作最高傑作で、空いた時間にコツコツ楽しんでいます。現在全ダンジョン制覇を目指しており、あと「超神髄」を残すのみになったのですが、なかなか大変そうでまだ低層ループから抜けられていません。

それぞれに独自の魅力があり、忙しい中でも心の栄養となる時間を過ごせたように思います。

来年の抱負


来年の抱負:新たな挑戦と視野の拡大

マギロギとダブクロやるも

RPGに関わる者として、来年は「シノビガミ」以外の活動にも力を入れていきたいと考えています。特に、「ダブルクロス」や「マギカロギア」を楽しむことを第一に考えています。

この方針は、決して「シノビガミ」に飽きたというわけではありません。むしろ、シノビガミだけに留まらず、新たなシステムやジャンルに挑戦していくという前向きな考えから来ています。

現在、世に公開していない執筆中のシノビガミシナリオを1本ありますが、これが完成したあとは、これまで通りの熱量で勢力的にシノビガミのシナリオを書き続けるのではなく、マギロギやダブクロにもっと積極的に関わり、シナリオ執筆やプレイの幅を広げていきたいと思っています。

なので、マギロギワーや、ダブクロワーにお世話になりますぅー!!

執筆活動の方向転換

これまで1年かけてシナリオ集を完成させ、即売会イベントで頒布するというスタイルを続けてきましたが、このやり方にはちょっと限界を感じています。

シナリオ集1冊を1年かけて制作することは、私自身の余暇を大きく削るだけでなく、新しいシステムやシナリオを遊ぶ機会を奪い、結果として活動が硬直的になると感じていました。

そのため、今後はシナリオ集という形にこだわらず、もっと気軽にシナリオを公開できる方法を模索していきます

この考えに至った背景として、まずTRPG界隈の変化があります。即売会イベントで直接本を手に取っていただく機会が減り、代わりにBoothなどのオンラインプラットフォームでPDFデータを購入される方が増えている現状があります。

これに伴い、せっかく大きな労力と時間をかけて完成させたシナリオ集も、必ずしも現代のニーズに応えていないのではと感じるようになりました。

さらに、収益を目的としないとはいえ、1年がかりで制作したシナリオ集が大きな赤字を出し続けている現状に少し虚しさを感じる部分もありました。

そこで、より手軽に制作し、より多くの方に楽しんでいただける形に活動を転換することで、私自身の負担も軽減しつつ、より広く届けられる方法を探していきたいと思った次第です。

 

わかばTRPG部」として精力的に活動を始めてから、もう5年以上が過ぎました。

この5年間でTRPG界隈や一緒に遊ぶプレイヤー層にも変化があり、かつて私のシナリオを楽しんでくれていた方々の多くは、すでに多くがアクティブなTRPG活動から離れているのが現状です。

これは、私の活動やシナリオに魅力がなくなったというより、人間が一つのコンテンツに夢中でいられる期間には限界があるという自然な流れだと感じています。人は4〜5年でスタイルを変える流動性を持っていると考えています。

活動を始める前、私は人狼ゲームの配信者として約4年間活動していました。その期間もちょうど4〜5年の枠で一致していますね。つまり、今また自分自身の活動が転機を迎えているのではないかと感じているというわけです。

ただし、これまでやってきたことを完全にやめるつもりはありません。TRPGを遊ぶことも、シノビガミのシナリオを書くことも、引き続き続ける予定です。

ただ、一緒に活動していた仲間の多くが新たな興味に移り変わっていったように、私自身も新しい挑戦をするタイミングが近づいているのかもしれません。

極端な例ですが、「VTuberになる」といったような全く新しい分野への挑戦も、考えとしてゼロではありません。来年はこれまでの延長線上だけでなく、新たな挑戦に目を向ける1年にしたいと思っています。どうか引き続き応援よろしくお願いいたします!

みんな大好き

来年、私がもう一つ取り組みたいと思っているのは、多くの方々との交流を深めることです。

先ほど触れたように、かつて一緒に遊んでいた仲間たちがTRPGを離れるケースが増えています。これを寂しく感じる一方で、現在もTRPGに対してモチベーションが高く、アクティブに活動している方々と積極的に関わり、共にセッションを楽しむ機会を増やしたいと思っています。

具体的には、TRPGすきーの非公式サーバーやSNSで積極的に交流を増やすようにしていき、作業通話を通じて交流を深めたり、セッションのお誘いを積極的に行ったりしています。

お陰で今年の後半ごろから、これまであまり接点がなかった方々ともセッションを共にする機会が増えており、来年はさらにその比率が増えるのではないかと感じています。

私自身、比較的フットワークが軽く、興味を持った方には気軽に話しかけ、一緒に遊ぶ約束を取り付けることが得意です。

そして、相手の良いところにすぐに魅了され、「この人ともっと一緒に遊びたい!」と思うタイプの人間です。ただ、その一方で、人によっては私の距離感が近すぎると感じてしまう場合もあるかもしれません。

相手のペースや距離感を尊重しながら、丁寧なコミュニケーションを心がけたいと思っています。無理のない範囲で楽しいセッションや交流の機会を増やし、多くの方とTRPGを通じた素敵な時間を共有できるよう努力していきます。

新しい人との交流の中で発見や刺激を得ることができれば、私の活動やシナリオ作りにも良い影響があるはずです。来年もTRPGを通じて、たくさんの方々と素晴らしい時間を共有していきたいと考えています。

積みゲー消化

今年も多くのゲームを遊ぶことができましたが、それでもまだまだ手をつけたいタイトルが残っています。

例えば、ぶっ飛んだアクションとして話題の『スーパーマリオワンダー』や、マリルイ最新作のシリーズとして心惹かれる『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ』、結構気になっている『アナザーコード』。

さらに、アクションゲームとして『ソニック&シャドウ ジェネレーションズ』や『ソニックフロンティア』も、いつかじっくりプレイしたいと思っています。

また、来年は次世代機「スイッチ2(?)」の発売も控えており、新作タイトルも登場することでしょう。気になるソフトが満載になりそうで、今から期待が高まっています。

こうしたゲームを少しずつ遊び進め、自分の感性や創作のインスピレーションの糧にしていきたいと考えています。来年はより多くのゲームを楽しみ、さまざまな体験を得られる年にしたいですね。

CoCからは距離を空けようという話

人によっては少しネガティブな報告に聞こえてしまうかもしれませんが、私は今後、クトゥルフ神話TRPGを遊ぶことはないだろうという結論に至りました。

これは決して、一緒に遊んでいただいた方々や、これまで触れてきたシナリオが悪かったというわけではありません。むしろ、多くの素晴らしいシナリオやプレイヤーたちに出会えたことには感謝しかありません。

ですが、私がTRPGに求める要素と、クトゥルフ神話TRPGが提供する体験との間に大きな乖離があることを、はっきりと自覚できるようになったのです。

正直なところ、これまで数多くのクトゥルフ神話TRPGシナリオを遊んできましたが、実はどれも私にはしっくり嵌まらないような違和感がありました。

その理由をずっと考え続け、「シナリオとの相性が悪かったのか?」「世界観が自分には合わなかったのか?」と試行錯誤を繰り返してきました。

ところが今年になり、その原因が明確に分かるようになりました。実はキッカケは「ドラクエ11s」を遊んだことだったのですが、何にせよ自分のモヤモヤを言語化できたことは個人的な大きな収穫です。

 

私がTRPGに求めるものは、物語への没入感とキャラクターへの共感です。しかし、クトゥルフ神話TRPGにおいて中心となる「探索」という要素は、私が求めるものとの共存が難しく、どうしても楽しめないものでした。

探索している間、私は「TRPGを遊んでいる」という感覚を持てず、不便なコントローラーで無理やりアドベンチャーゲームをプレイしているような感覚に陥っておりました。この時間が私にとっては退屈で、時には苦痛とさえ感じてしまったのです。

こうした感覚を抱きながら、他のプレイヤーと一緒に遊び続けることは、大変失礼だと感じています。

一緒に遊んでくださる方々にとっては、貴重で楽しい時間であるはずのセッションを、私が「苦しい」と感じてしまうことで、その場の雰囲気を壊してしまう恐れがあります。

私自身が心から楽しめないだけに収まらず、結果的に他の方々の楽しさを奪ってしまうことになるのではないかと思いました。

 

そのため、私は今後、クトゥルフ神話TRPGのシナリオを遊ぶことは控えようと決めました。

探索要素がまったくないシナリオや、一人用の特殊なシナリオであれば挑戦する可能性もゼロではありません。しかし、そもそも探索要素がなければ、クトゥルフ神話TRPGというシステムを使う必要性がなくなってしまうのではないかとも思っています。

クトゥルフ神話TRPGを愛する方々には、これからもぜひその魅力を楽しんでいただければと思います。私自身はその世界観やシステムからは一歩離れることになりますが、この決断を通じて、TRPGの中で自分に合った楽しみ方をより明確にしていきたいと考えています。

締めのご挨拶

ひとまず、直近の活動予定としては、2月8日〜9日に開催される「シオダマリ」に向けて、「シノビガミ汎用マップVer3」をリリースする準備を進めております。さらに使いやすく、便利になった汎用マップは、多くの方々に活用していただけると嬉しいです。

更に、新作シナリオである『眠れる勇者は愛を詠う』をリリース予定です。GMレスシナリオを目指して制作しております。ぜひ楽しんでいただけると幸いです!

最後になりますが、これからも「わかばTRPG部」および私、ふれのの活動を応援していただけますと大変励みになります。2025年もより充実した活動を目指してまいりますので、よろしくお願いいたします。

それでは良いお年を。ふれのでした。

ふれの / わかばTRPG部
2024/12/31

TwitterからMisskeyへ移った感想

おはようございます。人生最大級の体調不良に苛まれ、約5日間死人のように過ごしてました。
今も喉が痛くて喋れません。でもタイミングならできるようになったのでコミュニケーションは取れます!
便利な世の中ですね! ふれのです!!!

ふれののMisskeyアカウント

Misskey(TRPGすきー)デビューしました

最近はTwitterが結構不穏な動きを連発しており、サービスの終了や致命的な仕様変更が連続で続いています。そこで別SNSに避難しようという動きを色々と見るのですが……。

そこで特に話題にあがることが多いSNSがMisskeyです。ただ……。

・Misskeyってそもそも何? どこが運営してるの?
・Twitterから移行するの面倒くさい
・まだみんなTwitterに居るからなあ

という方が多いのも事実。
ただ、フォロワーには新しいサービスにはどんどん触れてアップデートしてほしいのが私の本音!
さっさと全員Misskeyに移れや

そこで、実際に10年以上Twitterに入り浸っていた私が、移行して感じたことを超簡単にまとめます!

いろんな専門用語とか細かい要素は抜きにして、あとはTRPG民として移行するに必要な最低限度のことだけ記載しておきます。

俺はせっかちなんだ結論だけ教えろ

TRPGプレイヤー:TRPGがすきー
アニオタ:にじみす.moe
鍵垢:隠れ家
上記のどれでもない:Misskey.io

でいますぐ登録してこい。そしてふれののMisskeyアカウントをフォローしろ。

Misskeyの最低必須知識

下の2つだけ知っておくと、Misskeyを使う上で色々と理解しやすくて便利ですも。

分散型がうんたらかんたら

Misskeyをはじめよう

なになに……?
Misskeyは分散マイクロブログプラットフォームで……それでサーバーが……

……

「Misskey」というのはいわばSNS名称ですが、Twitterと違い「沢山のMisskeyサーバー」というものがあります。

例えば極端な例ですが、サーバーAは成人限定でエロ絵などもアップできるサーバーBは全年齢で下着イラストすらあげたらBANされるみたいな規約もサーバーごとに違います。

Twitterは「Twitte」という巨大な一つのサーバーにみんながアクセスするので、世界中の人のツイートが同じ場所に集まりますが、Misskeyはそれが色んなサーバーに分散しています。

Misskeyを始めるという行為は、まずどこかのサーバーに所属するという作業になるわけです。サークルに加入する大学生みたいなものだよ。

ちなみに後で説明しますが、お友達とサーバーが違っても相互にフォローはできるから安心しろよ。

ボランティアによる運営

Misskeyは巨大企業が運営しているわけじゃありません。そして先ほどいった沢山のサーバーも、ITの知見がある個人が、身銭を切ってサーバー代を捻出し運営しているものが殆どです。

どこかの大企業がサーバー運営し始めると、利益を出すための動きというものも可能かもしれませんが、Twitterでも黒字化できなかったSNSの運営をやる企業が現れるのか。。。

最初に知るべきMisskeyのデメリット

最初にデメリットを紹介しておきます。これがデメリットに思えなかったり、気にしない人は今すぐMisskeyに移ろう。
どこのサーバー所属すればいいのって? オススメサーバー紹介はあとだあと。

大企業運営ではない不安定さ

これがMisskeyを使う上での個人的な最大のデメリットです。

Misskeyの運営は巨大企業ではないため、ある日突然サーバーがトラブルを起こしたり、管理者の方が金銭的に維持できなくなってしまうと、そのまま沈んでしまいます。

これまで投稿してきたツイート(ノート)内容や、アップしてきた画像も消えてしまう可能性があるわけです。

ちゃんとこれからも継続していく保証が、大企業サービスと比べると薄いのが一番の弱点かなと思います。まあでも大企業Twitterもあの様になので、別にMisskeyのデメリットではないのかもしれない

サーバー所属のハードル

そもそも最初にどこかのサークルに所属しろって言われてるのハードル高くないですか?

Twitterから移行する人としては「Twitterの代替ツール」を求めているわけなのですが、ここでサーバーを選べって言われても、はてな……? 俺は何をすれば? となってしまうわけです。

どこを選べば良いのだろう。そして各サーバーに所属することによるメリットデメリットは何があるのだろう。と思考がループして停止する。

コミュ障にはきっつい開幕の仕様。でも正直やってみたら楽なもんですよ。

オープンな空気感

良くも悪くも、Misskeyは非常にオープンな空気感のSNSです。所属サーバーによるとは思いますが、少なくとも私が所属しているサーバー「TRPGすきー」はめちゃくちゃオープンで、温かいです。

ただ、これが怖いって人も多いかもしれないので要注意。フォロワー以外と絡みたくない人にはあまり向いてない気がします。

矢印がついているこのリアクションスタンプのようなものが、Twitterでいう「いいね」に相当します。

「体調悪かったんですけど、何とか復帰しました」というツイートにこれだけいいねが来ました。そして驚くべき話なんですけど。

こ の ス タ ン プ く れ た 人 7 割 く ら い 知 ら な い 人 で す

オープンというのはこういうこと。TwitterでFF内の人を内輪のように捉えたクローズドなコミュニケーションを楽しむSNSだったと思うのですが、Misskeyは同じサーバーの人から容赦なく反応が返ってきます。何なら他サーバーからも

ちなみに鍵垢という仕様もありません。全部のツイートをフォロワー限定で投稿するようにして、フォローを承認制にすれば一応鍵垢に近いことは再現可能ですが、面倒くさいねそうだね。

よし、デメリットも問題なかったサーバーに所属するぞ俺は

ほい、サーバー一覧

ちなみに上でも書いた結論はこちら。

TRPGプレイヤー:TRPGがすきー 言うにおよばすTRPGの話題が豊富
アニオタ:にじみす.moe 言うにおよばず(略)
鍵垢:隠れ家 フォローしたユーザーのTLしか流れず、自分のツイートもフォロワーのみ
上記のどれでもない:Misskey.io 公式サーバー。ユーザー数最多

まず、サーバー所属=サーバーアカウントの作成なので、「Misskey.io」で登録したアカウントを、あとで「にじみす.moe」に移動させることはできません。

ただ、フォローフォロワーをインポート&エクスポートして実質的にコピーしたり、引っ越すことは可能です。だからあまりサーバー選びは慎重にならなくてもいい。

そして、ここが超重要なのですが。
他サーバーの人もフォローはできます。
他サーバーの人のツイートもTLに流れてきます。
他サーバーの人へリプライも送れます。いいねもできます。

これは私が所属している「TRPGがすきー」の「グローバルTL」。ここは全サーバーごちゃ混ぜのツイートが全部流れてくる場所です。大まかな情報収集に便利かも?

ちなみに先ほど鍵垢の話をしましたが、ツイートは公開範囲を設定できるので「フォロワーのみ」にしておかないと、このグローバルTLに容赦なく流れますw

見ると「一次創作 Misskey.design」「Misskey.io」の方のツイートが見えると思います。他サーバーの方のツイートも見えますね。オープンな空気感を感じるねせやね。

もちろんTwitterと同じく、自分がフォローしている人たちのツイートのみが流れる「ホームTL」もあります。ここをメインにするとTwitterと同じ運用ができるかも。

つまり友達同士で無理にサーバーを一箇所に集まらなくても自分個人の好みで所属サーバーを決めれば良いのです。

それじゃあサーバーなんてどこ入っても一緒じゃねえか。とお思いかもしれませんので、「ローカルタイムライン」と「チャンネル」というものを説明します。

この2つの空気感がサーバーの決め手になると思いますので。

同サーバー内のツイートが全部流れるローカルTL

「グローバルTL」……全サーバーの全ユーザーツイート
「ホームTL」……自分のフォローしている人のツイート

とくれば……ええ、もう分かりますね。
所属サーバーのツイートが全部流れてくるのが「ローカルTL」です。
ちなみにホーム+ローカルの「ソーシャルTL」というものもあります。
これいる? 活用したこと無い

このローカルTLですが、サーバーによって空気感は全く異なります。当たり前だよなあ。
そして、結構このローカルTLを見ている人が多いようで、ここからリアクションが飛んでくることがしばしば。ホームTLよりもこっちメインで見ている人も居そうですね。

なので、自分にとって魅力的な話題が流れてくることは、快適なMisskeyライフに繋がります。好きな話題があるならそのジャンルを押しているサーバーに所属するのが良いでしょう。

更に専門的な話題が集まるチャンネル

各サーバー内では、より専門的な話をするためのチャンネルというグループがあり、
例えば、ふれのはTRPGがすきーサーバーの中で「シノビガミ」「マギカロギア」「学級会用チャンネル」などに所属しています。

その中でツイートをすることで、チャンネルTL内にツイートが流れます。また、チャンネル内のツイートは、チャンネルをフォローしていないとホームTLやローカルTLに流れてきません。

で、このチャンネルはサーバーごとに設定されており、「Misskey.io」の人が「シノビガミ」チャンネルをフォローすることはできません(たぶん)。

ということは、私をioからフォローしている人は、どうやっても私がシノビガミチャンネルに書いたツイートは閲覧できないってことだな(たぶん)。

例えばシノビガミの裁定に関する質問や相談など、ニッチな話はコミュニティの方が盛り上がるのでそちらに書きたいんですけど、それを他サーバーの人には共有できないのはディスアドですなあ。

たぶんって書いてるのは、まだ検証不足で正しいかどうかが断定できないのが原因です。自分のioアカウントでTRPGがすきーアカウントをフォローしたときにチャンネルツイートは見えなかったので多分正解かなとは思うんですが。。。

まとめ

・Misskeyは所属サーバーによって使い心地変わるよ。でも複数サーバーにアカウント持ったり、引っ越しも割と簡単だから気軽に所属しよう
・個人のボランティアで成り立ってて不安定に思えるけど、Twitterよりマシだな。
・Twitterよりもオープンな空気感、身内オンリーで他の人のツイート見たく見られたくないなら隠れ家がオススメ
早くMisskeyにメインSNSを移せ! そして慣れろ!

個人的には在りし日のTwitterという感じで、雰囲気や距離感は最高です。
まだまだフォローフォロワーが少ないので、とりあえず同サーバー、他サーバー合わせて数百人くらいはフォローして好みのTLを作り上げたいところですね。

なので、早くフォロワー全員Misskeyに移行しろ!

TRPGシナリオ制作講座二話 ~物語は喪失と覚醒の繰り返し~

前回のまとめ

第一回の内容は、TRPGは楽しい非日常体験である。
そのために非日常的なシチュエーションか、非日常的なキャラクターを作ろうという話でした。

https://wakabatrpg.com/blog/2022/08/26/trpgシナリオ制作講座一話-楽しい非日常体験/


今回はその中でもシチュエーションについて、シナリオの流れを作る方法を深掘りして紹介します。

物語を作る上での考え方は様々ありますが、
私は必ず物語には喪失と覚醒という演出が必要だと思っています。

この二つは相反するもので、喪失は何かを失ってしまったり欠損してしまうもの。
覚醒は失ったものを取り戻したり、抱えていた障害を取り除けるようなシーンです。

人間は楽しいことが大好きです。思わず笑顔になってしまうような日常シーンRPはとても楽しいです。
ですが、それだけだとどうしても物足りなく感じてしまうのもまた人の特徴です。
「ストレスを与え、それを解消させる」という行為は古来よりゲーム作りや物語の基礎にされています。
ここはカービィやスマブラのディレクターをされている桜井さんが、YouTubeの動画でも語っておられます。


ハリウッド映画などを見ると、殆どすべてがこの喪失と覚醒で構成されています。

物語に躍動感を生み、良質なセッション体験に喪失と覚醒は不可欠です。
自分が描こうとするシナリオ中の、どこがストレス要素か、どこが解消要素かを抜き出してみましょう。

喪失は物語の始まりか転機

喪失は自分の平穏な日常を失ってしまう場面で、物語を進めるための動機付けになります。
何かを喪失してしまったキャラクターが、その状態からの脱却を目指して物語を進めていくわけです。
非常に多いアプローチの仕方として一例をあげると。

何かしらの事件」が発生し「その事件に巻き込まれたPC」が「事件の解決を目指す
この形式は良く見かける物語の導線でしょう。

この入口にあたる「何かしらの事件」が発生する瞬間が喪失のシーンに当たります。
そしてこの喪失という体験は、前回お話しした「非日常」であるということもミソです。
このケースですと、PCは平穏平和な日常生活を失ってしまい、それを取り戻すために物語を進めていきます。

その他にも喪失シーンの例としては……。
・大切な人を失った(家族、恋人などを事故で失う、何者かに殺される)
・四肢など体の一部を失った(スポーツ選手が事故にあり両足欠損、記憶を失う)
・故郷の町が消えた(何者かの襲撃で町が燃える、大災害で村が沈んだ)
・自分の大切なアイテムを失う(貴重な武具やアクセサリーが壊れる、金銭を奪われる)
・目指していた夢を挫折する(受験に失敗、オーディションに落ちる)
・地位や名誉を失う(王座からの陥落、何者かの陰謀による汚名dせ)
・安息の環境が脅かされる(異世界に迷い込む、近所で殺人事件が起きる)

などのように様々な喪失シーンは考えられます。
守りたいキャラクター、失いたくない景色、こんな日常がずっと続けば良いのに……。
しかしそれを裏切る喪失という大きなストレス要素が物語の大事なスパイスとなります

では、今度はこのシーンを入れるおススメの箇所を二パターン紹介しましょう。

シナリオ中盤で喪失シーン

メリット:波がありメリハリが付いたシナリオにできる
デメリット:シナリオの構成が長引きやすい

物語は平穏な状況からスタートしますが、シナリオの途中でその状況が喪失してしまいます
一度平穏な状況を楽しんでいるからこそ、喪失の瞬間には強いショックを与えることができますし、
何としてもあの平穏を取り戻すんだ! という強いモチベーションに繋がります。
後ほど説明する覚醒シーンで強いカタルシスを得ることができるでしょう。

プレイヤーのテンションが上下する機会が増えることになるので、
ダレたセッション体験にならず、メリハリを利かせることができます

半面、喪失する前の平穏なシーンを遊ぶ期間がどうしても必要になり、
物語の構成自体が長引きやすくなってしまいます

また、喪失を経験したキャラクターがどのような感情を抱くかが分からないのもデメリットです。
大切な人を失ったキャラクターが、塞ぎ込んでしまうのか、復讐に燃えるのか、前向きに生きようとするのか、
そのリアクションはキャラクターによって様々だからです。

最初のハンドアウトに「大切な人を失った後、あなたはこう行動してください」と書くのも一つの手ですが、
まだ誰も死んでいない状態なのに、大切な人の死亡をネタバレしてしまう状態になります。
そのタイミングで追加のハンドアウトを与える。というのも手ですが、
そのハンドアウトがこれまでRPしてきたキャラクター像と剥離してしまう可能性もあります。

しかしこれは、逆にシナリオの分岐が可能であるというメリットに変えることもできます。
その喪失を受けてどのように行動するかで、前向きルート、復讐ルート、のように、
キャラクターによって違った物語を展開していくことができるでしょう。

シナリオは喪失状態からスタート

メリット:シナリオがコンパクトになり、キャラクターを組み立てやすい
デメリット:喪失の瞬間をRPで味わえない

物語が始まる当初から、既に喪失した状態から始まります
ハンドアウトに「キミは大切な人を失い~~のような感情を抱いている」といったように、
シナリオ側で想定されているキャラクター像を事前に知らせて渡すことができます。
プレイヤーも、キャラクター作成を行う際にその喪失状態を考慮することが可能で、
より設定などを凝ったキャラクターを作ることができる
かもしれません。

既に喪失した状態なので、シナリオではそこからの脱却だけを描けばよいことになります。
物語の構成がコンパクトになり、短くまとめやすいことも大きなメリットです。

ですが、せっかく大きな感情を動かせる喪失シーンを、
セッション中にRPしながら体験できない
のは大きなデメリットです。
感情の揺らぎが大人しいと、後ほどの覚醒シーンも薄味になってしまいます。

覚醒するためにシナリオは存在している

覚醒は、いわば物語の決め所です。
キャラクターが輝き、プレイヤーが爽快感を得られる場面。
謎が解ける、敵を倒す、新たな舞台へ進む、事件を解決する

覚醒シーンという名前ですが、キャラクターが新たな力を開花させるようなシーンだけではありません。
(未知の能力が目覚める瞬間などは覚醒シーンの代表的な例ではありますが)

一撃で喪失を解消できるシーンだけでなく、段階を踏んでいく手法も多いです。
喪失の解消に向けて前進し、ゴールへ近づいていく感覚です。
アクションゲームでいうならセクション通過、中間セーブのポイントですね、

先ほどの喪失の例をそのままに覚醒シーンを考えてみましょう。

・大切な人を失った(家族、恋人などを事故で失う、何者かに殺される)
→新たな人と出会う、実は生きていることが判明する、犯人を逮捕する

・四肢など体の一部を失った(スポーツ選手が事故にあり両足欠損、記憶を失う)
→失われた体や記憶などを取り戻す、義足を手に入れる

・故郷の町が消えた(何者かの襲撃で町が燃える、大災害で村が沈んだ)
→新たな新天地を見つける、大災害の真実が明らかになる

・自分の大切なアイテムを失う(貴重な武具やアクセサリーが壊れる、金銭を奪われる)
→盗人の居場所が明らかになる、取り戻す、もっと貴重なものを手に入れる

・目指していた夢を挫折する(受験に失敗、オーディションに落ちる)
→挫折の先で新たな夢、出会い、物語が始まる、立ち直る兆しが見える

・地位や名誉を失う(王座からの陥落、何者かの陰謀による汚名を着せられる)
→元居た地位へと手が届きそうになる、のし上がる、敵の正体を知る、追い詰める

・安息の環境が脅かされる(異世界に迷い込む、近所で殺人事件が起きる)
→異世界からの脱出、事件の解決、解決の糸口を見つける

なんとなーくですが、以上のようなイメージです。
喪失からの脱却。又は脱却に近づくヒントを得ることで、
キャラクターは前向きになり、プレイヤーはモチベーションを得ることができます。

先ほどの喪失シーンを如何にして解消し、物語を進めていくのかは非常に重要で、
喪失で落ち込んだ心を思いっきり燃やして、テンションをあげられるようにしましょう。

特にふれののシナリオの評価ポイントは、この覚醒シーンの気持ちよさにあると思っています。
思わず拳を突き立てて「いいぞ! そこだ!」と叫びたくなるような高揚感。
物語の導入から撒いてきた伏線や、喪失シーンでの絶望感、それらをすべて巻き込んでパッと解消させる
私は、この覚醒シーンを盛り上げるためにシナリオを書いているといっても過言ではありません。

もちろん、すべてのシナリオがそうあるべきだとは思いませんが、
覚醒シーンの数やその内容は、物語の楽しさを決定づける重要要素だと言っても過言ではありません。

覚醒シーンはどこに置いても良い

喪失シーンは、導入時か物語中盤であると説明しましたが、
覚醒シーンに関してはどのタイミングでも構いません
一つの大きな喪失から脱却するために段階を踏んで、徐々に覚醒を繰り返す手法が王道ですが、
喪失した場面が続き、ストレスを感じ続けている状態から一撃でドカッと解消するのも手です。

ただし重要なことは、必ず喪失→覚醒であるという順番を守るようにしてください。
爽快感を得れる演出ではありますが、あくまでも喪失に対する答えが覚醒です。
事前にキャラクターにストレスを与えておかないと、覚醒は空回りしてしまいます。

やりたい演出や、作ってみたい場面、シチュエーションがあるなら、
シナリオの中でどのようにキャラクターを喪失させ、覚醒させるのかを大切にしてみましょう。

シノビガミであれば導入やメインフェイズ序盤で喪失シーンを入れ、
クライマックス前や、エンディングで爽快感のある覚醒シーンを入れると、
まとまりのあるシナリオとなり、楽しいセッション体験に繋がるでしょう。
対立型のシナリオの場合、その覚醒シーンの権利を巡ってPCたちが対立するというのが王道です。

ちなみにシノビガミやマギカロギアなどは、シナリオ側で丁寧に覚醒シーンを用意しなくても、
奥義、真の姿、運命の力、回想シーンなどといった、プレイヤー側が能動的に覚醒できるシステムがあります。
回想シーンを括弧良く切れるようなハンドアウトや、運命の力を綺麗に切れるシナリオアンカーなど、
楽しく覚醒できる場面をシナリオ側で用意できれば完璧です。

喪失、覚醒は何回繰り返しても良い

ここまで紹介してきた喪失と覚醒という考え方ですが、
これは別に1シナリオ1セットではなく、同シナリオ内で何回繰り返しても構いません。

・母を失って塞ぎ込んだ中、更に父まで死んでしまった(喪失→別の喪失)
・とある事件を解決したら新たな事件が発生した(喪失→覚醒→別の喪失)
・犯人を逮捕したが、真犯人が実は残っていた。(喪失→覚醒→別の喪失)

といったイメージです。同時に複数の喪失を発生させて、
それらの根幹をまとめて解決する覚醒シーンを一つ挟んで一気に全伏線を回収!
なんて覚醒シーンがあったら最高に気持ち良いですよね。

喪失から立ち直ったと思いきや、新たな問題が浮上してしまう。
なんて展開は良く目にすると思います。

プレイヤーのモチベーションとして、当然ながら喪失している間はテンションが下がって、
覚醒したときにはテンションがあがります。繰り返す数が多いほど良いというわけでは決してないですが、
複数の喪失や、連続した喪失と覚醒の繰り返しが盛り込まれたシナリオは、
物語が目まぐるしく展開し、導入からエンディングまで飽きさせない作りとなることでしょう

モチベーショングラフを作ってシナリオの流れを見る

私はシナリオシートを書くときにモチベーショングラフ(テンションカーブ)という表を書いています。
導入からエンディングまで、差し込まれる喪失シーンと覚醒シーンを羅列していきます。

最後に株価のチャートのように各シーンでテンションがどれほど上下するかを数値化してみます
基本的には喪失でテンションが下がり、覚醒でテンションが上がるはずです。
そして、その各シーンの点を線で結んでいくとシナリオを遊ぶ上でのテンションが表になります
勿論、実際のプレイヤーの方がどのような心境で遊ぶかは、蓋を開けてみるまで分かりませんが、
まずはシナリオ作者側の仮想プレイで、テンションの上下を計測してみましょう。
これは前作お話しした「ペルソナ」を考えろ。に繋がってきます。

「ああ、ちょっとテンション下がりっぱなしでフォローが当面ないなあ」
「ここの覚醒シーン、その前の喪失に対して弱いなあ、もう少し強い覚醒にしよう」
「全体的に上よりだから喪失でのストレスをちょっと強めても良さそうだ」

などといったように、なかなか感じ取り難い「シナリオ展開」を可視化することができ、
この表の上下バランスが取れているかを見ることでシナリオの流れを可視化することができます。
そして、そのグラフを参考にシナリオの流れをチューニングすることができます。

私のシナリオはよくサイクルの節目にイベントが起きたり、状況が一変することが多いのですが、
それはテンションカーブを作って、バランスを整えているからこそ成せることだと思ってます。

バランスの良さが正解ではない

ということで、まとめです。
・物語は喪失と覚醒でできている
・喪失と覚醒は必ずセットで考える
・シナリオを分解して喪失と覚醒を見えるように

といったお話でした。

ちなみに、喪失と覚醒はバランスが取れてなくても大丈夫です。
必ずしも同じ強さである必要はありません。

喪失ばかりが続いて、救いの手はとても細く覚醒が厳しいシナリオ。
そもそも喪失も覚醒もなく、ずっと平和な日常が続くだけのシナリオ。
覚醒するようなシーンが続くが、そもそも何も喪失してないシナリオ。

全然あります。全く問題ありません。

あくまでもこの内容はふれの流の物語の作り方ですので、
書く上でのルールは決まっておりません。作者さんの数だけ書き方はあるはずです。

ですが、自身のシナリオを客観視し、喪失と覚醒という役割に当てはめて考えてみると、
どのようなシナリオを目指したいのか、その着想を得るヒントになると思います。
まずは、自身のシナリオ内の演出やシーンを、喪失と覚醒として考えていき、
シナリオ進行度に応じて、どのようにテンションが上下していくのかを見てみましょう。
きっと、今まで気が付かなかった気付きを得られると思いますよ。

TRPGシナリオ制作講座一話 ~楽しい非日常体験~

こんにちは、ふれのと申します。

これまでシノビガミを中心とした様々なシナリオを書いて参りまして「楽しいシナリオだった」という嬉しいお言葉をいただくこともあります。

そんな中で「どうやったらシナリオが書けるの?」というお声をいただくことも多々ございまして、この場で解説することで誰かのシナリオ制作の助けになったり、自分自身の思考整理ができたらいいなあと思い、この記事を書いています。

結論を先に話すとふれシはものすごく理論的に作られています

私は結構感覚派の人間でして、普段の日常生活から後先考えずに行動したり、その場の感情で物事を判断することが良くあります。先ほどの理論的という言葉から最も程遠い人間ですね。

しかし、だからこそ自分の行動に対しての物差しを用意するようにしていて、TRPGのシナリオにおいては「シナリオ要素のパーツ分け、役割整理」を必ず行うようにしています。

TRPGは楽しい非日常体験だ

今回は基礎中の基礎である。人々はTRPGを何故遊ぶのかという根幹的なお話にフォーカスします。

昨今では様々なコンテンツに満ちています。アニメやコンシューマーゲーム、漫画や映画、そんな中でTRPGを遊ぶのは何故なのでしょう? 他では味わえないあの体験はどこからもたらされるものなのでしょうか?

これをふれのはTRPGでは「楽しい非日常体験」を得られるからと結論付けています。

例えば、TRPGにおいてリアルの自分とまったく変わらない性格や個性をもったキャラクターとして「ふれの君」が居たとします。要は自分自身の分身をRPすると考えてください。
そんなふれの君がリアルでやっているありふれた行動である「マクドナルドでの食事シーン」というRPをしても楽しくありません。そんな面白くないゲーム遊ぶくらいならリアルでマクドへ行ってご飯食べます。

日常生活には存在しない特別な体験、その非日常こそがTRPGの醍醐味です。今回はそれを更に二つに分割して深く掘り下げていきましょう。

非日常的なキャラクター

さて、非日常的な体験を得るための大事な材料が「キャラクター」です。

例えば、先程のマクドナルドへ行くというRPには魅力を感じなかったと思いますが、そこにいく「ふれの君」を非日常的なキャラクターに置き換えてみましょう。

実は自分とは全く異なる性格や特性のキャラクターがマクドナルドに行くRPを行うと、先程まで何の面白みもなかった場面が一変して面白くなるんです。

例えばお金持ちの高校生お嬢様がマクドナルドへ行くと想定します。もう少しキャラクターを煮詰めてみましょう。
普段は言いつけが厳しい執事が常に傍にいるのですが今日はたまたま一人のようです。普段なら学校帰りの寄り道など許されるはずもありませんが、今日だけは自分の自由ということで興味があったマクドナルドへ入店しました。

さて、彼女はどのような反応を示すのでしょう? どのような言葉を紡ぐのでしょう? 想像するだけで面白いですよね。

これを「非日常的なキャラクター」と呼んでいます。キャラクターをリアルの自分とは異なるキャラクターにしてみるとより非日常的な体験に浸かることができます。キャラクターには更に二つの要素があります。

性格付けによるアプローチ

キャラクターの性格を考えてみましょう。以下のものはあくまでも一例です。

・真面目 ・不真面目 
・熱血 ・クール
・強気 ・弱気
・楽天 ・悲観
・温和 ・粗暴
・優しい ・冷徹
・合理的 ・感情的
・活発系 ・おとなしい系
・常識的 ・非常識
・支配的 ・従属的

複数を組み合わせても構いませんので、リアルの自分とは少し違った性格を考えてみましょう

属性によるアプローチ

キャラクターに付与される特別な属性を考えてみます。様々な手法がありますが、一番代表的なものは職業です。他にも非日常ならではの現実離れした属性や、上記の性格を追加補強するような属性を追加しても構いません。

職業属性例
・お嬢様 ・不良生徒
・刑事 ・国会議員
・花屋 ・コック
・スポーツ選手 ・メカニック

現実離れした属性例
・吸血鬼 ・悪魔
・獣人 ・ロボット
・悪の科学者 ・正義のヒーロー

性格補強の属性例
・ツンデレ ・病弱
・成績優秀 ・毒舌家
・策士 ・守銭奴
・ナンパ系 ・純情
・ツッコミ系 ・ボケ系

あくまでも例に過ぎませんが、こういった要素を組み合わせてキャラクターの属性を付与していきます。

非日常的な体験

再び最初の話に戻りますが、「ふれの君」が「マクドナルドへいく話」は面白くないという結論でした。そこでキャラクターを変えることで非日常的な体験を得ようとしましたが、変更できる箇所はもう一箇所あります。マクドナルドのくだりの方です。マクドナルドに固執する必要などどこにもないのです。

例え、キャラクターがリアルの自分と変わらない「ふれの君」であったとしても、何かの事件に巻き込まれてしまうような場面、行ったことのない国、何なら異世界へ旅立つような状況に置かれたと仮定します。これもまた面白いんです。

これを「非日常的なシチュエーション」による楽しさと定義しています。そしてどちらかといえば昨今のTRPGにおいてはこのシチュエーションが重視される傾向にあります。

シチュエーション例
・古代の秘宝を求めて遺跡に潜入する
・学校に乗り込んできた敵から生徒を守るため戦う
・夏休みにクラスの同級生からリゾート施設へ誘われる
・摩天楼の屋上を駆けながら、忍者同士が空中戦を繰り広げる
・地球に衝突してしまう彗星を破壊するために宇宙空間を目指す
・人の心を理解するアンドロイドと出会い交流する
・殺人事件の犯人を追い詰め確保しようと突入する

このようなシチュエーションを組み合わせることでTRPGのストーリーを作っていきます。その目的は非日常的な体験を実現するためにあります。

キャラクターとシチュエーションの組み合わせ

すべてのTRPGのシナリオは、先程分解して説明した非日常的な「キャラクター」と「シチュエーション」の組み合わせで構成されています。

ちなみにこれはどちらか一方だけでも成立します。キャラクターの性格や属性は拘って、シチュエーションは日常的にありふれた場面を再現するシナリオというのは結構ありますし、楽しんでいるからは多いです。

いわゆるうちよそ系のシナリオなどで見られますが、その場合はキャラクターをしっかり作っておかないと先程の「ふれの君」が「マクドナルドへ行く」のような退屈なシナリオになってしまう可能性があります。

さて「キャラクター」と「シチュエーション」を組み合わせる具体的なシナリオ制作方法について話しましょう。

キャラクターはハンドアウト6割、プレイヤー4割で決める

「キャラクター」に関する要素はハンドアウト(使命と秘密)に納めると上手くいきます。どのような職業なのか、どのような立ち位置なのか、どのような性格なのか、それをシナリオ側からハンドアウトとして提示しておくとプレイヤー側がそのキャラクターを用意しやすくなります。

ここで二つ注意したいことがあります。性格から属性、1から100まですべてのキャラクター要素を作者であるあなたは想定し考えておくこと、そして考えたその要素は全て使わずに6割だけシナリオ側で提示することです。

例えば、アンドロイドと人との交流を描くシナリオが書きたいとします。プレイヤーにはそのアンドロイドと人をそれぞれRPしてもらうというわけです。
まずはアンドロイドと人のキャラクターを作り込みましょう。上記の性格や属性を参考に細かい設定まで考え、年齢、性別、職業、細かい性格、1~100まで作り込みます。私はこの作者が作り込んだキャラクターを「ペルソナ」と呼んでいます。

作り込んだら今度はそのペルソナたちがシナリオを遊んだと仮定し、シミュレーションしてみます。物語はうまく動くでしょうか? そのペルソナはシナリオを楽しむことができたでしょうか? それが上手くいったならそのシナリオは楽しくなる可能性を秘めています。やりました!!

ですが、そのままではシナリオになりません。そのペルソナをそのままプレイヤーに渡して「この通りのキャラクターを作ってください」というのはプレイヤーの自由を奪ってしまうことになります。

今度はそのペルソナから要素を削っていきます。一度シミュレーションしているなら、どのキャラクター要素が必須項目でどのキャラクター要素が無くても困らないかは判断できるはずです。

例えば「アンドロイドは人を守りたいと考えている。何故ならその人(女の子)に恋愛感情を抱いてしまったからだ」というペルソナだったとき。後半の部分は丸々削ってしまっても良いかもしれません。

人を守りたいというアンドロイドの根幹は守りつつ、その行動指針をプレイヤー任せにしてしまうというやり方です。もし恋愛要素を絡ませることがシナリオ上重要なのであれば、そこは削ってはいけません。どこを優先し、どこを削るかは作者であるあなた次第です。

①.理想のキャラクターであるペルソナを作成する
②.そのペルソナでストーリーをシュミレーションする
③.ペルソナから要素を削ってプレイヤーが遊ぶハンドアウトにする

シチュエーションの作り方

シチュエーションの作り方ですが、これを細かく語ってしまうとそれだけで1記事できてしまうので、ここでは書きたいストーリーや展開がある程度決まっている前提で説明します。

自分が書きたい物語やシチュエーションを1本の長い流れにします。小説のようなイメージです。

出来上がったら今度はそれを分割してしていき、そのパーツをシナリオの各地に散りばめていきます。ハンドアウトや各イベントシーン内にて順々にそのストーリーを公開していき、すべてのシーンが開かれたときに物語の全容を理解できるというやり方です。

①.一本の長いストーリーを作る
②.そのストーリーを分解し、シナリオの各所に散りばめていく

まとめ

・非日常体験を用意するためには「キャラクター」と「シチュエーション」が必要
・性格と属性を作り込み「キャラクター」を作成
・非日常的な場面を考え「シチュエーション」を作成
・すべての要素を想定したキャラクター「ペルソナ」の作成
・ペルソナから要素を削減し、ハンドアウトを作成
・一本のストーリーを分解し、シナリオの各所に散りばめる

今回はTRPGを楽しむための根幹である非日常的な体験について深掘りしてみました。

TRPGの楽しさにおける根幹は、「キャラクター」と「シチュエーション」の2点をどちらも合わせ持った体験ができることによる掛け算の楽しさがあるのです。

ということは、シナリオ制作をする側としては「楽しい非日常体験」をシナリオ内で提供できると、必然的に良いセッションに繋がりやすいわけです。

当たり前のことを言っていますが、シナリオを作る上でのベースなので大切にしておきましょう。ここがブレるとシナリオ制作の指針がブレることになります。

これはすべてのシナリオに当てはめることができます。色んなシナリオで登場するキャラクターや、発生するシチュエーション、どこにシナリオ制作者がデザインした非日常体験が用意されているのか分析してみるのも面白いですよ。