テオトピア コンセプト最強 クオリティ足りず

テオトピア(THEOTOPIA)というサービスをご存知でしょうか? TRPGのオンラインセッションを統括するウェブサービスで、シナリオの投稿、掲載されているシナリオからの募集、そのまま参加申請、スケジュールの管理まで一元で管理できるというサービスでした。

ただ、実際には利用ユーザーは非常に少なく飛ばず鳴かずの限界集落と化してしまい、そのまま先日サービス終了を発表し、静かにその生涯を終えてしまうという哀しい結末となっています。2024年の2月にサービス開始となり、翌年2025年の9月にサービス終了となりました。

企業運営という地盤の安定感綺麗なデザインと優れたコンセプトを持ちながら、なぜこのサービスは失敗したのでしょうか。今回は、テオトピアの敗因を確認して、どのようにすれば良かったのかを分析し、TRPG界隈をふかーく分析したいと思います。

どうも、TRPG界隈のちょっかいかけふれのです。ではよーいスタート。

コンセプトは強かった

テオトピアというサービスは、シナリオの投稿機能、セッションの募集機能とマッチング機能、その後のスケジュール調整機能を内包しています。これは今のオンラインセッションにおいては必須の要項と言えるため、これらすべてを内包しているこのサービスは利便性において最強だと言えるでしょう。

そう、このコンセプトだけを見れば……。残念ながらこれらからユーザーを移動させるほどの品質が高くないと成立しません

競合する既存ツールは?

では、テオトピアがない状態で、他のみんなはどのように各機能を使っているのか見ていきましょう。

シナリオの投稿機能については、pixivやシナリオシートサイトなど様々な投稿場所がありますが、最も大きいのはTALTOでの無料公開、またはBOOTHでの有償頒布でしょう。

マッチング機能については、SNSを用いて行っているケースが多いですね。日程を決め打っているか、もしくはすり合わせ時期を指定し、あとは遊ぶ指針や好みなどをプロフィールに載せるなどして募集する、参加する方々をTwitterなどでよく見ます。

スケジュール調整機能については、伝助やデイコードを使っているケースが多いです。

つまりこれらが対抗馬なのですが、当然ですがこれよりも便利じゃなければ利用する価値はないわけです。既存のツールの方が便利なら既存のツール使えばいいじゃんってなる。

結果としては一つ一つ細かな分析まではしませんが、すべてにおいて敗北と言ってしまって良いでしょう。既存ツールのクオリティや使い心地を70点とするならば、テオトピアの各機能は40点くらいの品質でした。

面倒くさいシナリオ投稿

シナリオの投稿サイトとしては、投稿時に気にしないといけないことが多すぎる。規約やルール、独自のフォーマットを気にしないといけないのと、PDFでの入稿というのはハードルが高く、とにかく「手軽さ」がない

現に、私はテオトピアのサービス開始時にシナリオ投稿しようと思って、その方法や独自のフォーマットに「ああ、これは私のシナリオはお呼びではないな」と投稿を止めてしまいました。

しかも決済機能を持たず、有償シナリオを頒布する場としてはTALTOやBOOTH、テオトピアへそれらを掲載する際はリンクを載せるだけという連携の悪さ。作者が「敢えてテオトピアにシナリオを投稿する」意味がまったく見出せないんですよ。

スケジュール管理機能の方向性ミス

そして、特に市場とズレたものをリリースしちゃったなあ……と感じたのがスケジュール管理機能です。

まず皆さんセッションの日程調整をするときに何を使う? というとデイコードとか伝助ですよね?でもテオトピアのスケジュール機能って、「4月5日 21-24 〇〇〇のセッション」といったイベント内容を一つ一つ投稿する機能なんです……。

そう、これ、機能がスケジュール調整アプリじゃなくて、カレンダーアプリなんですよ! スケジュール調整するためにGoogleカレンダー使ってる人なんて見たことないです。

実際、テオトピアのセッションマッチング場面を見ると、募集者が「〇日、〇日、〇日、〇日が候補日です」と記載し、参加希望者が「〇日と〇日なら行けます。いかがでしょうか?」とコメントを打ってる始末。

ええ、Twitterの野良卓と何も変わらない……既存のツールより便利じゃないなら乗り換える意味はないんです。

TRPG民の使うスケジュール調整って、「〇月〇日に予定がある」って情報じゃなくて「一か月分丸々の日程〇×の確認」なんです。それをそのままマッチングでの日程調整に使えると、ようやく既存ツールを超えた価値があるんです。

人はそう簡単に移動しない

そしてもう一つ大事なんですけど、「便利で良いものも使われるわけではない」ということです。

人間というのは面倒くさがりで、楽して報酬をほしがります。今まで使い慣れたツールを手放して新しいツールに順応するというのは面倒くさいんです。その面倒くささを超えてでも最高の体験が待っていると保証できる場合だけ、その新たなツールに手を出します。

例えばSwitch2が売れた最も強い理由は、「switchのソフトが遊べるから」だと考えています。そしてそれを強くプッシュして認知できていたこと。新たなソフト資産をそのまま継承できて、ボタンの配置やUIも基本的には変わらない。何も面倒くささを感じることなく新しいソフトが遊べるようになる。

どれだけ使いづらくてもTwitterには人は残りますし、ゲーム的に洗練された新しいシステムが出ても古いシステムを捨てられません。

今まで70点の便利さを享受していた人に80点の便利ツールを提供しても人は移動しません。100……いや、150から200の便利さが必要で、その新ツールは旧ツールの機能をすべて内包している必要があります。

大量のコンテンツがある覇権前提の作り

優秀すぎるマッチング機能の皮肉

良いところも挙げましょう。先ほどシナリオ投稿時のフォーマットが面倒くさいと話しましたが、シナリオの様々な属性を付与できます

いわゆる要素、地雷チェッカー、その属性をシナリオや個人のプロフィールに盛り込み、趣向が合うシナリオ、同じ感性の人たちとのマッチング機能に使えます。

例えばR18の〇〇という要素がシナリオ内に含まれる場合、それを明記しておくことでシナリオの検索、検索避けに使えます。マッチングするときに個人のプロフィールに〇〇という要素について地雷かどうかを示しておけるのでマッチングの材料として役立ちます。

もちろん〇〇という要素を探したいときにも便利ですよね。こうやって大量のシナリオ、大量のユーザーの中から噛み合うものだけを選んで……。

精密マッチングは

一見便利なこの仕組みって実は机上の空論で、大量のコンテンツと、大量のユーザーがいることが前提なんです。

これはオンラインゲームすべてに言える課題なのですが、ユーザーが少なくなるとマッチングが機能しなくなります。同じ敵を倒すパーティを募集しても、その敵を目的にしている人がいなければ成立しません。モンハンでドスジャギィのクエスト貼って何人が来てくれるんだって話です。

テオトピアくんはシナリオの要素や地雷ポイントを非常に細かく設定できます。そのお陰で、いやその性で非常に精密なマッチングが可能になった反面、ただでさえ少ないシナリオが要素を絞って更に細分化してしまうという作りになっていました。

マジで覇権を取って全TRPGユーザーと全TRPGシナリオを統括するくらいしか勝ち目がないような設計になっています。

質と量のトレードオフ

そして思い出してほしいのですが、テオトピアのシナリオ投稿は……「気軽」じゃないんですねえ。面倒くさいんですねえ

テオトピア側である程度シナリオの品質を担保したかったという側面もあるでしょう。BOOTHは確かに一部で問題のあるシナリオも報告されるような無法地帯である側面も持っています。値段に反してコンテンツがスカスカだったという問題は時折話題になります。そういったクソシナリオを持ち込みたくなかったのかもしれません。

ただ質を担保するということは、それは量を集めるという仕組みとはトレードオフです。だったら細かな地雷分けなどはユーザーに委ねて、とにかくシナリオとユーザーを出会わせる回数を増やさないと勝ち目はなかったでしょう。

多分CoC専用システムとして設計してたのかな

ただ、実際にはそこまで勝算をもって挑んではいないと思います。

というのも、テオトピアのリリースまでひと月を切っている段階で、運営のTwitterで「どのシステムに対応させてほしいか」というアンケートを取ってたんですよね。

めちゃくちゃ緻密なマーケット調査をして、覇権を取るために対抗サービス全部駆逐する黒船になるつもりで運営していたなら、この時点でのこのような挙動はありえないでしょう。

テオトピアは一度触れば「CoCに特化したサイト」であることは分かるでしょう。つまりこれ、元々はCoCユーザー向けに開発していたと思われるんですよ。他システムに対応したサービスではなかった。

でもいざ、情報出して見たら思ったよりもインプレが悪い……このまま終わるくらいなら他システムも巻き込んじゃえ! 奇跡起こってめっちゃ流行れ!! みたいな空気感だったのかなあ……って。

どうしても中途半端に見えちゃいました。覇権取るために全力投球してる風にも見えません。

どうやったら勝てたのか

利益をあげるなら覇権狙い一択

テオトピアの運営は企業です。つまりただ神サービスを提供するだけでは何の成果も得られません。利益を上げる必要があります。

上でも挙げましたが、テオトピアは覇権を取る前提の作りになっていましたが、この方向性は合っているでしょう。

つまりTALTO、伝助やデイコード、BOOTH、なんならココフォリアやDiscordまで仮想敵と定め、これらを乗り越えて「テオトピア」に塗り替えるだけの火力が必要です。

こういうサービスは分母がめちゃくちゃ大事です。幸いなことに頻繁に重たいコンテンツを投稿するタイプのサービスではないため、Twitterなどの大型SNSと比べるとサーバーの維持費は比較的安め、とにかく人が多いことによるデメリットは比較的安いです。

なら、狙うのは商店街の一区画ではなく、大都会のショッピングモール一等地です。覇権を取って全TRPGユーザーの集会所にすることです。

覇権を取るための戦略

覇権を狙うなら各サービスにおいてとんでもないクオリティを叩き出して既存ツールを過去にして駆逐するくらいの便利さが必要です。

そしてその便利さを積極的に公式から発信させ、TRPG界隈のインフルエンサーなどにPRさせる必要があります。

ネット上での情報の拡散はバズるかどうかです。ある程度の熱量を超えると、それはトレンドになりバズになります。突き抜けないとユーザーの熱量は拡散しないのです。

シナリオ投稿機能について

PDFやドキュメント、テキストなど、様々な形式での頒布に対応させ、有償頒布を行う場合はテオトピア内で決済を完結させます。

つまりシナリオ作者に「テオトピアで公開しよう」と思わせることです。そして量がなによりも大事なので規約や審査を簡略化し、とにかく気軽で質の低いシナリオでもいっぱいテオトピア内にシナリオを集めます。

ユーザーがシナリオを探すときはDL数順、人気順など様々な手法で質の低いシナリオを足切りできるので、運営はその手間を被ってシナリオの本数を減らす必要はないです。

そしてCoCユーザーのみに絞って良いです。少し古いデータですが、Twitterでのランキングなどの分母を見るとCoCユーザーとそれ以外のシステムユーザーは99%:1%ほどの差があります。

そんな小さなパイを取るために他システムの対応や最適化をするくらいなら、CoCに特化させて99%のユーザーを狙い撃つ方がマーケティングとしては優秀です。なのでCoC特化サイトとして作っていたのであればそれは正解だったと思います。

スケジュール管理の革新

ここが個人的には心臓部です。これはあらゆるユーザーの方が思っていると思うのですが、既存のスケジュール管理ツールは穴だらけで付け入る隙は十分あります

まずは、スケジュール管理で必要なのが「セッションごとに毎回入力する手間をなくす」です。入力するスケジュールはマイページにある一つだけにしたいです。

そしてそのスケジュールをセッションの開催者、参加者と共有できる状態にします。これによりシナリオの開催側は、開催する候補日に日程が空いている人、マッチングが成立する人たちの組み合わせでセッションを成立させられるわけです。

現在のテオトピアはカレンダーツールのように、予定が入っている箇所に一つ一つ予定を追加するという作業が必要です。そんな面倒なことができるはずがない!

日程は空いているか埋まっているかさえ分かれば良いです。Excelの表のようなテーブル型のUIで一斉に塗りつぶせるようにしましょう。

夜しか遊べない人は、それ以外の時間を範囲選択することで一撃で夜だけ〇になったスケジュールを作成できます。プライベートな予定が入った場合、仕事で出張が入った場合、その範囲を一斉選択するだけで一気に×に変えられます。

「出張」「旅行」「〇〇のセッション」とか、入れるのはあり得ません。そもそもマッチングするのに×が付いてる理由なんていちいち聞かないでしょう?だから**×の中身を入れる必要はなく、範囲選択で×にするだけ**。

現実的な問題

最終的に当たり前のことしか言わなくなりましたが、結局これしか勝ち目はなかったと思います。

私はテオトピアを使ったとき、これが便利なツールなら周りにお勧めしようと思いました。実際には40点の出来栄えで使い物にならなかったので勧めるには至らず、自分も使用しませんでした。シナリオ投稿を行おうとして止めたのも気軽さがなくて「面倒くさ」って思ったところからです。

これ本当にTRPGやってる人が設計してるのか?」と文句が出る状態でしたが、設計はTRPG分かってる人がやっていたけど、それが上に承認されるとき、制作会社にシステムを作ってもらったとき、それぞれでズレが起きて今の現状になってしまったという説を考えています。

コンセプトは最高だった

シナリオ投稿からスケジュール調整とマッチングまで一元管理できるサイト。というのは個人的には是非ともほしい理想の場所です。

そのコンセプトは非常に素晴らしく、リリース当初はワクワクしていたのを思い出します。本当に期待してたんですよ。

しかし蓋を開けてみると面倒くさい投稿機能と使い物にならないスケジュール機能で白旗を上げてしまったわけです。

まあ、この惨状を見たら同じコンセプトで挑戦しようって考えるような人や企業が現れるとは思えないんですけど……

個人的にはTRPG界隈にほしいんですよ。機能やコンテンツが全部集まるTRPGプラットフォームって。だから諦めないでほしいなあ。むしろテオトピアの敗因を分析して勝算持って挑んでくれる個人か企業が現れることに期待しています。

え? お前はやらないのかって? はっはっはCoC嫌いな人が覇権コンテンツとか作れるわけないでしょうご冗談をー(笑)

でもスケジュール調整機能だけに特化したウェブサービス作りたい願望は昔からあるんですよねえ。この上のスケジュール調整だけ切り出したサービス作っても人気出せるんじゃない?って。

とはいえマネタイズで死ぬほど苦労するのは見えている未来

デイコードの入力をイベントごとに個別に入れるのではなく、「自分のところ一か所だけ入力する」という形ができればスケジュール調整は完成だと思うのですが……。

テオトピアの失敗は、コンセプトの誤りではなく実行の問題だった。次なる挑戦者には、この分析を活かして、TRPG界隈が本当に求めているプラットフォームを作ってほしいと思います。

SNSから離れろ! レコメンドから逃げろ!

最近、というか結構前からSNSを見る頻度を大きく下げるようにしています。

これ、あまり大真面目に解説している人が多くはないのですが、何度か聞いたことがある根拠のない話、テレビ脳、ゲーム脳、なんかと違って結構深刻な問題だなあと思ったりしています。

結論から言っちゃうと「レコメンド機能を使わない」ってことなんですが、これが超重要なんですよーというお話をしたいと思います。

元々、私自身がこういう思考を持っていたんですが、最近ゲームの解説してるYouTuberのナカイドさんって方がSNSの扱い方について言語化されてて「そうそうこれこれこれー」って思ったのでTRPG界隈の考えとかを混ぜながら自分の考えと交えて紹介したいと思います。

モンハンワイルズが低評価まつりになっているという動画ですが、もっと踏み込んでなんでSNS上で、こういうネガティブな意見が拡散されるのかその構図とかを解説されてて、めっちゃ面白かったですも。

意見を言うのは悪いことじゃない

まず最初に言いたいのは、自分の考えを持つことって別に悪いことじゃないってことです。当たり前のことなんですけどね。人間です。色んな思想や考えがあって当然ですよね。

そしてそれを誰かに発信するのも自由です。好きなものを語るのも良し、布教活動に努めるのも良し、ただ一方でポジティブな話は歓迎されますが、ネガティブな話は人から敬遠されがちだなーって感覚ありますよね。

否定意見は書くな、誰かがそれを見て傷つくかもしれないだろ、空気読め、って確かにその観点は理解できますが、ネガティブな要素も含めて意見です。良いところも悪いところも本来は忖度なく言って構いません。ネットというのはそういう場所だと私は考えます。

ところがネットではよくこの個人的な思考を「発信」することでトラブルになることが頻発している印象を受けます。一体なぜなんでしょう?

「肯定」は実は誰かを傷つける

ここで肯定的な意見も否定的な意見も、どっちも誰かの自己肯定感を上げ下げしてます

自分の好きなコンテンツに対して肯定的な意見を見ると、気分が良くなりますよね「こいつ分かってんな」ってなるわけです。こうして同じ意見を持った人の自己肯定感が満たされます。そして自分の好きなコンテンツを咎める意見を見るとテンションが下がります。「なんだこいつムカつくー」って。

だから、あまり否定意見をネットに書くべきではないって言われるんです。ネガティブな話は必ずどこかで誰かを傷つけるからって話ですね。

ただ、実は肯定的な意見も誰かを傷つけるんです。「俺の嫌いなあれがなんで絶賛されてるんだ? 腹立つー」ってなるわけです。例えですけどカルト的な政党がめちゃくちゃ勢力を伸ばしてて爽やかに「がんばります!」って言ってるコンテンツ見ると傷つきません? イライラしません?「なんでこいつが絶賛されてるんだ?」って。

これがポジティブな要素でも人を傷つけるという仕組みです。自分の嫌いなものが絶賛されてるとイライラするんです。自分の好きなものが貶されるとイライラするんです。ここに実は差はなくて「ただの考えの相違」なんですよ。

例えば、私はTRPGシステムのCoCがめちゃくちゃ苦手です。苦手な理由としては以下の通りです(本流と関係ないので伏せておきます)

CoCが苦手な理由

TRPGの醍醐味は「キャラクターになれる、体験できる」という没入感なのに、プライヤーが考えないと進まない探索要素はそれを阻害して没入感を奪いってしまう。更に興味や関心もない神話的恐怖が世界観の中核を担っているので、世界観、ゲーム性、RPの没入感、何を取っても楽しいポイントが見つからない。

CoCのPCたちは探索者ですから、その探索が苦痛なら遊ぶ資格はないし根本的に一切向いていない。心の底から私のやりたいTRPGの要素を邪魔しかせず、探索を楽しみたいならコンシューマーゲーム遊ぶ方が100倍楽しい。

どれだけ有名で名作と言われるようなシナリオもCoCという遊びに乗せられた時点で苦行になることが分かっているので、「インセインにコンバートしてくれたら遊ぶよ」と思っているわけです。

この感想は私個人のものであり、CoCを愛好される方々の価値観を否定するものではありません。

といった具合です。こういう意見を投げることで、

  • 同じように苦手な人は「わかる!私も思ってた!」って気持ちが満たされる
  • CoCが好きな人は「自分の好きなものを否定された」って気分が悪くなる

となるわけです。否定意見によって誰かの自己肯定感を上下させている。

逆に、私が普段楽しんでいるシノビガミやマギカロギアを絶賛しても、

  • シノビガミが好きな人は賛同意見があったことで嬉しくなる
  • シノビガミが嫌いな人は「なんで絶賛してるんだ?」ってイラつく

こういうポジティブな意見でも誰かの自己肯定感を上げ下げする。上げるのはイメージ付きやすいと思いますが、ポジティブな言葉が誰かの自己肯定感を下げて傷つけているって感性は持っている人少ないですよね。でも現に、私はCoCが日本のTRPGで覇権取ってるこの構図は嫌ですもん。未だにTwitterにユーザーが多くいる現状嫌ですもん。つまり私は傷ついているんです。

これって当然のことなんです。人間だもん、好き嫌いがあって当たり前。趣味、政治、経済、あらゆるコンテンツや思想がバラバラ、嫌なものを見ると気分が悪くなる、これも当然。だから好きな意見だけを吸収して自己肯定感を高めていきます。

「人が好きなものをその人の前で否定するな」ってネットの歩き方で良く言われますよね。というかコミュニケーションの基本ですよね? 否定的な考えや意見というのは、なるべく排斥して良い声だけにした方が気分よく楽しめます。 これをエコーチェンバー現象と言ったりします。

そしてTRPG界隈はその思考がネットの平均よりも更に強いです。肯定と称賛の文化ですからね。 PLを褒め、GMを褒め、シナリオ製作者を褒め、シナリオの良い部分をいっぱいピックアップして共有するような文化圏です。 否定や批判になれていないので、CoCシナリオのレビューサイトができたときも燃えました。

一方で、何かを褒めたり称賛することが、誰かの自己肯定感を下げているということはあまりピックアップされません。個人的には肯定的な意見は認めて、否定的な意見は認めないっていう感性は正直気持ち悪いです。

自分の自己肯定感が下がるような発言は、発言を拒否するのではなく、発言を聞かなければいいんです。自分の好きなコンテンツを嫌っている人なんてフォローしなければいいんです。自分の嫌いなコンテンツなんてわざわざ見にいかなければいいんです。

絶賛しても否定しても誰かが傷付き誰かが喜ぶ。だから考えることは自由。発言するのも自由、でも誹謗中傷とかの攻撃はしないでね。私たちは見たい発言だけ見に行き、嫌な発言は見ないようにする。棲み分け大事。

ここまではいいんですよ。ところが昨今のSNSにはこの違う意見の人をマッチングさせるシステムが用意されています。この住み分けがうまくいかなくなってるんですよねえ。

「見に行く」から「見せられる」時代へ

ここ10年間で、インターネットプラットフォームは劇的な変化を遂げました。これはただの機能改善ではなく情報との関わり方自体を大きく変えました。

昔のネット(2010年代前半まで)

  • YouTubeは動画を「検索」するサイト
  • Twitterは「フォローしている人」の発言だけが見える
  • 自分から情報を探しに行くスタイル
  • 見たいものを見に行く世界

今のネット(2020年以降)

  • アルゴリズムが「あなたにオススメ」を勝手に表示
  • 検索してないのに関連動画が無限に出てくる
  • 自分が見たくない情報まで強制的に見せられる
  • 見せられる情報を受け取る世界

皆さん、こんな経験ありません?

  • YouTubeのショート動画を見てたら、気づいたら1時間経ってた
  • 目当ての動画を見た後、次のオススメで延々と動画巡りをしてた
  • Twitterで流れてきた話題のツイートで、ネガティブな気持ちになった

私もこれが増えるようになってきて危機感を抱くようになったんですよね。

そして問題の核心:違う意見の人を強制マッチング

ここからが今回の話の核心です。今のSNSは昔だったら住み分けできてた異なる意見の人たちを、現代のSNSは強制的にマッチングさせてるんです。

プラットフォームの狙い

SNSプラットフォームは、とにかく私たちの注意を奪うことを目指してます。そこでどうするかというと、「好きなコンテンツ」ではなく「感情を動かすコンテンツ」を表示するんです。

例えば、あなたがTRPGの楽しい投稿を見てると、アルゴリズムは「この人TRPGに関心がある」って判断します。そして、TRPGの楽しい話だけじゃなく、TRPGを批判する意見や炎上ネタも混ぜて表示してくるんです。

なぜかって?感情が動いた方がタップしやすいからです。

なぜこんなことをするの?

答えは簡単。お金になるからです。

感情を高ぶらせて、ランダムな表示から脳に刺激を与えて、最終的には感情を上げ下げして揺さぶって、依存度を高めて滞在時間を増やす。これが現代SNSのビジネスモデルなんです。

「むかつくー」ってなりながら関連ツイートを追ったり、トレンドの検索ワードを見たりしちゃいますよね?それがもうプラットフォーム側の思うツボ。

本来なら出会うはずのなかった対立する意見同士を、わざと出会わせて感情を煽ってるんです。

現代のインターネットは私たちの注意力ビジネスと言われています。以下にして意識をスマートフォンの中の情報に向けさせるか、以下にユーザーに受動的に情報を受け入れさせて時間を消費させるか、それがプラットフォーム側の狙いです。

このシステムの基本構造は以下の通り

  • データ収集:ユーザーの行動、感情、反応を詳細に記録
  • 行動予測:機械学習アルゴリズムによる行動パターンの分析と予測
  • 行動操作:予測されたパターンに基づく感情的誘導
  • 収益化:滞在時間の延長と広告効果の最大化

プラットフォームが「感情を動かすコンテンツ」を優先する理由は明確です。

  • 強い感情反応はエンゲージメント(いいね、コメント、シェア)を増加させる
  • エンゲージメントの高いユーザーは滞在時間が長く、広告価値が高い
  • 怒りや不安などの否定的感情は、肯定的感情よりも強い行動誘発効果を持つ

そのためプラットフォームは、ユーザーが不快に感じる可能性の高いコンテンツの表示。政治的・社会的対立を煽る情報の優先配信。建設的でない議論や炎上案件の拡散促進。なんかを行うわけですね。

特に今みたいな選挙前の時期だとこれが顕著になります。ちょっと意見や刺激の強い政党の支持者のツイートばかりが流れてくるのは、SNS側がインプレ稼げるものを表示させてるからなんです。

だから正しいかどうかではなく、あなたが好きかどうかではなく、とにかく刺激の強い情報をランダム的に鳴らして脳にドーパミンを流し込んでくる。

これはいわゆる陰謀論的な「SNSのプラットフォームは俺達の脳をAIで監視してるんだー」的な話がしたいわけじゃないです。AIでスマホの中身を管理しているなんか当たり前で、これは変な話じゃなくてただIT企業として科学的に脳をハックしてきているだけです。プラットフォームもビジネスなんです。

人間の脳は、こんな情報過多に対応できません。人間の脳は数万年前からほとんど進化しておらず、小さな集落での生活に最適化されてるんです。一度に4〜7項目しか処理できない脳に、現代のSNSは常にその何倍もの情報を押し付けてくる。そりゃ疲れますよね。

レコメンドから逃げてSNSを楽しもう

じゃあどうすればいいの?ってことで、私が実践してる対策を紹介します。

結論を言うと、自分の見たいコンテンツだけを積極的に見るように気をつけます。ネットを昔ながらの検索型システムとして使用し、おすすめ欄をとことん無視します。

根性論的に「俺は気にしない」「気にしないぞー」とやってもいいのですが、やっぱり効果的なのはツールを使って情報を物理的に遮断することです。

レコメンド遮断ツール

YouTube

  • スマホ版では改造アプリを使って、おすすめ欄や画面内の表示情報を大幅に削減
  • 動画は検索して一本見たらそれで終了、関連動画や自動再生を表示しない
  • ショート動画は検索結果からも画面表示からも除外して、見たくても見られないように

YouTubeの拡張機能 – https://chromewebstore.google.com/detail/unhook-remove-youtube-rec/khncfooichmfjbepaaaebmommgaepoid

Androidの改造アプリ – https://revanced.app

Twitter/X対策

  • ウェブ版では拡張機能を使って、通知欄しか見えないように
  • リプライやDMには気づけるけど、タイムラインは見ない
  • エゴサーチ用に専用のセッションを作って、必要な時だけ確認

Twitterの拡張機能 – https://chromewebstore.google.com/detail/kpmjjdhbcfebfjgdnpjagcndoelnidfj?utm_source=item-share-cb

これがワイのTwitterや! なんとホームすら見えない通知専用のSNSとなっています。

プラットフォームの手に乗らない意識

  • レコメンドに載ってる情報をタップしない(根性論だけど大事)
  • 決まったこと以外はしないルールを作る
  • SNSは依存させるように設計されてることを常に意識

これらを意識することが大事です。知っていて利用するのと知らずに無駄に時間とエネルギーとお金を消費する人にはならないようにしましょう。もっと生産的な時間を使って、シナリオとかイラストとか書くのに時間使ってくださいね。

住み分けを意識的に作る

最終的には、自分の意見に合う、自分が見ていて心地よい人だけを自分のTLに固めるのがベストです。

私は苦手なシステムや苦手なシナリオについて、自分の考えを積極的に発信してます。なるべく表で言うようにすることで、私という人間を判定しやすくしてるんです。

  • 「あ、このふれのって人の考え、自分に近いからフォローしよう」
  • 「こいつ見てると腹立つからブロックしよう」

どっちでもいいんです! むしろブロックされることが多くなるのは、フィルタリングが進んで、私の発言を見たくない人がフィルターをかけることに成功したってことなので、「良いこと」だと思ってます。

  • 苦手な人、意見が合わない人はフォローを外そう
  • ミュートやブロックを積極的に活用しよう
  • 私の意見が合う人は積極的にフォローしよう
  • 見たくないのに意見が流れてくるなら、プラットフォームの使い方を工夫しよう

私の現在の環境

ちなみに私の現在のSNS運用は:

  • Misskeyサーバー「TRPGがすき」をメイン
  • そこでの投稿をTwitterとBlueskyに自動連携

Twitterは早々に見切りをつけたので今は完全に通知確認&エゴサ用になっていますが、私のツイート自体は連携機能経由で見れるようになっています。

まとめ:主体的にSNSを使おう

意見を持つのは自由、発信するのも自由。棲み分けすればよいだけです。でも本来なら住み分けできてたはずなのにレコメンドシステムが強制的に対立意見をマッチングさせて感情を煽って滞在時間を稼ごうとしてる。

なので、ツールの力を借りてSNSの情報をなるべく整理しよう。そして感情を動かされるコンテンツじゃなくて、本当に見たいコンテンツを見に行く。対立したくない人とは距離を置いて、価値観の合う人と楽しくコミュニケーションする。

そんなインターネットライフを一緒に目指しましょう! もちろん、どんどん私のこともブロック・ミュートしていただいて構いません。それが健全な住み分けってもんです。

通過済GMと未通過GMの優位性

先日、Twitterで「通過済GM」と「未通過GM」の話題を見かけました。この手の学級系議論って、結局は「メンバーによる」というオチに落ち着くことが多いのですが、今回はもう少し深掘りしてみたいと思います。

私としては、この話題に「作者に回してもらえるなんて贅沢」という視点も追加したいと考えています。

果たして通過GMと未通過GMの違いは何なのか?
通過GMの強みは? シナリオ作者に回してもらう優位性は何か?

その辺りを分解して考えてみましょう。

作者=解像度が高いとは限らない

まず、私がよく発信している考えから始めましょう。

「シナリオ作者」に回してもらうことは、実はそれほど良い体験とは限らないよ

これは、見ず知らずの作者に回してもらうことで得られる「シナリオ解像度の高さ」よりも、仲の良い友達とのセッションの方が圧倒的に楽しいという考えです。

そもそも、以下の3つの要因って全部別々の観点として捉えるべきだと思うんです:

  • シナリオ解像度の高さ
  • 作者であること
  • GMが上手いこと

シナリオというのは、いわば「レシピ本」ですよね。そのレシピ通りに作れば決まったお話が作れる…それがTRPGにおけるシナリオの役目です。

でも実際には、レシピ通りのセッションになることって珍しいじゃないですか。TRPGではその場その場で雰囲気やキャラクターが変わります。食材や調味料をアレンジしなければならない局面が必ず出てきます。

作者の優位性に関する分析

確かに、シナリオの作者が持つ優位性として考えられるのは:

  • 制作過程で得られた物語の設定・背景・描写に関する深い理解
  • NPCたちの解像度の高さ、RPの上手さ
  • アレンジが必要な際に本来の味を活かしながら最適な調整を加えてくれる可能性

…なんですが、ここで疑問が湧くんです。

「それが得意なのって、作者じゃなくて、単純にGMが上手い人じゃね?」

「そもそも作者が解像度高いって根拠はどこから?」

シナリオを読んだ人と書いた人の間で解像度に差があるという根拠って、実はどこにあるんでしょうか?

作者が案外テキトーにシナリオ書いてるかもしれませんよ。逆に、作者が読者の想像を超えた深い物語を作ってくれるかもしれませんよ。

まあ、セッションの体験とは別で「推し作者に回してもらう特別感」とかはあるかもしれませんが…。実は作者よりも物語を理解してくれる読者の人というのは居ます。その方がシナリオの体験としてはリッチなものになるでしょう。

「秘伝のタレ問題」という根深い課題

ここで触れておきたいのが、私が「秘伝のタレ問題」と呼んでいる現象です。

シナリオ作者がシナリオ内に書ききれない様々な要素が、実際にはセッションの体験を大きく盛り上げているという現象です。あとは作者のふせったーなどから得られる情報もこれの親戚でしょう。しかし、これらの要素はシナリオを呼んだだけでは得られません。

その面白かった要素を再現しようと通過済みGMは考えられますが、未通過GMはその要素に気がつけないんですよ。

問題の本質は、シナリオを楽しくできる要素をシナリオ内に記載できていないことです。つまり、これはぶっちゃけ作者側の課題です。

作者のTwitterなどを追跡し、ツイートから要素を拾わなければシナリオの要素を網羅できないというのは、あまりにもいびつな状況と言わざるを得ません。

もちろん、作者側もシナリオ執筆時には気が付かなかった要素を後から発見したり、物理本の制約などでテキストを削った結果として重要な要素が失われたりする事情は理解できます。

でも、それで未通過GMが完璧な状態で回せないというのはあまりにも可哀想なので、作者側が対策してほしいんです。

作者への提案

一つはふせったーの「広場」機能を使って、自分のシナリオに関する発言をまとめておき、アーカイブとして残して閲覧しやすい状態にすること。本当は本文の編集がベストですが、やむを得ない措置として。広場の作品は自分で作れ、私も自作シナリオ全部広場登録したんだからさ!

可能なら、シナリオ執筆時点で面白いセッションにするための要素は羅列してほしいです。要は、シナリオ書いたらちゃんとその要素で自分が回すのと同じクオリティが担保できるようにしてほしい。そうなるまでクオリティアップを図ってほしいですし見直しを繰り返して欲しい。

シナリオ執筆時には気が付かなかった要素を後から発見したり、物理本の制約などでテキストを削った結果として重要な要素が失われたりする事情は理解できます。

通過は修行である

さて、本題に戻りまして。通過済GMと未通過GMとの違いは何か?

これははっきりと言えます。GMをする上での準備の楽さと理解の速さです。

なにせ一度体験した内容を再現するだけでセッションができるんですから!

日本には「百聞は一見に如かず」という諺がありますが、一度自分の目でPL視点というものを見て体験してしまえば、理解の速度は段違いですよね。

シナリオを回すためには「シナリオを理解する必要」があるわけですが、このために必要な短期集中講座、これがシナリオ通過というファクターなんです。

この修行を経ているというステータスこそが通過済みGMの称号です。作者GMも同じような名刺ですね。そう、どちらも「修行済である」という名刺を提供するための動きなんです。

求められるGMの3要素

ここで大事なことを忘れてませんか?

その修行を受けた”人”って本当に良い人ですか?

良いというのは人柄という意味ではなく、あなたとのセッションの相性は?遊び方の方向性は?日程は?TRPGのうまさは?

要は相性です。

そういった遊ぶ上での良い要素を本当に持っていますか?それが噛み合わないなら、いくら通過済みだろうが、いくら作者だろうが、「相性の良くない人」となってしまいます。

上質なTRPG体験に必要なGMのポイントは以下の要素だと考えています。

  1. GMの上手さ、RPの上手さ(技術)
  2. シナリオの理解度の高さ、読み込み具合(解像度)
  3. プレイヤーとの仲の良さ、コミュニュケーションの円滑さ(コミュニュケーション力)

この中で「作者」ならではの優位性は2しかありません。ちなみに「通過済GM」の優位性も同じく2です。2だけです! 他の2つは個人の話! 作者でも通過済みでも下手な人もいる。めちゃくちゃ楽しくコミュニュケーション取ってくれる人もいる。

結局、ただの相性問題

世の中にはあなたと仲が良くて相性の良い人が、未通過でも文章読むだけで世界を表現できる人が、その逆の人が、ごまんといるわけです。

あなたと遊び方が噛み合う人が、目指す方向性が同じ人が、RP重視の人が、戦闘重視の人が、その逆の人がごまんといるわけです。

じゃあ愛情がいい人と遊びましょうね。

そこに「通過済みだから」「未通過だから」って言ってる時点で本質を見失ってますよ、ということです。まあ、こういう話が議題にあがる時点で本質からズレているとも言えるんですが…。

本当の問題は何だったのか

「シナリオの良さを活かせないテキトーなGMで、結果として後味の悪いセッションになった。せっかくのシナリオが台無しだ!」

…っていうその体験、未通過GMだからじゃないんですよ。「あなたと相性の悪いGMだったから」なんです。回すのが上手くなかったのも、セッションの方向性が違ったのも、全部そのGMとあなたの相性が悪いから起きたんですよ。

本当に望まれていたのは:

  • 「質の高い体験がしたかった」
  • 「もっと上手いGMの元で回りたかった」
  • 「シナリオ愛がある人に回してほしかった」

これは未通過でも通過済みでも作者でも関係ありません。とはいえ、通過済みの方がある程度の質は確保されている印象はあるでしょうけどね。要は学歴フィルターみたいなものです。

相性はいいけど技術が追い付いていないパターンもなくはない

もちろん世の中には、物凄い熱量と愛情があって、一緒に楽しんでほしい気持ちはいっぱいあるけれど、読解力不足からシナリオを実際に回すとミスだらけや拙い遊び方で没入感が出来なかった…という案件もあるでしょう。

相性はいいけど技術が追い付いていないタイプですね。

まあ基本的には稀だと思います。世間で学級会のネタになってるのは相性問題ですから。

そして、このケースでも今度はPL側の問題です。相手は善意で回してくれているのに「うーん質が悪いねえ」とケチを付けるお客様気どり。

嫌ならお前が回せ、人の未通過GMに難癖付けるなら自分が回す側に回れ。

それが建設的な解決策です。シナリオ読解は実際に楽しい作業でもあります。

俺は 作者よりも! 通過者よりも! 回すの上手えぞ

ちなみに私はシナリオの方向性にもよりますが、一度読んで自分の中に取り込んだ後で大胆にアレンジを加えるタイプです。

作者よりもシナリオ回すの上手いぞと豪語するシナリオも何本かあるので、もし回す機会があればよろしくお願いします。

あ、ちなみに私は自分の書いたシナリオ全部未通過です!! おかしい!! こんなに神シばかりなのに!! 遊べないなんて!!!!


PS:ありとあらゆるTRPG系の学級会「相性問題」で全論破できる説ある

外作業に最適なお店はどこ?

最近「ノマドワーカー」という言葉を聞く機会は減りましたが、スターバックスで作業や勉強をしている人は今でも多く見かけますよね。

家ではなく外で作業をする理由は人それぞれです。外の方が集中できる、家だと誘惑が多い、ドリンクを飲みながら効率を上げたいなど様々な理由がありますが、私も家よりも外の方が集中できるタイプです。

もちろん外作業ではマウスやキーボード、ディスプレイなどがモバイル仕様になってしまいますが、それを上回るメリットがあると感じています。

今回は、外作業に最適なお店を厳選してご紹介します。作業場所を探している方の参考になれば幸いです。

どーも、サイゼリアの守護神ふれのです。では、よーい、スタート!

検討対象のお店をピックアップ

まず、候補となるお店を整理してみました。

カフェ系

  • スターバックス、ドトール、タリーズ、コメダ珈琲店など

ファミレス・レストラン系

  • サイゼリア、ガスト、ココス、バーミヤン、ステーキガスト
  • ジョナサン、ジョイフル、ジョリーパスタなど
  • 食べ放題系(ホテルバイキングなど)

この中から実際によく利用するお店をピックアップして詳しくレビューしていきます。

ちなみに私の主な作業内容は、アイデア出し、シナリオを読む、シナリオ執筆などです。人によってはお絵描きやココフォリア(TRPG支援ツール)の部屋作りなどもあるでしょうが、これらは外作業との相性があまり良くないと感じています。

カフェ系なら断然コメダ珈琲店がおすすめ

カフェ系は作業や勉強、営業や商談などでよく利用されているイメージがありますが、実際にTRPG民の作業場所としてはどうでしょうか。

スターバックスの問題点

ノマドワーカーの聖地とも言えるスターバックスですが、店舗の広さや席の広さを考えると、作業効率的にはあまり良くないと感じます。

カフェ系全般の問題として、テーブルが狭く隣の席との距離も近いため、シナリオ執筆などをしていると隣の人の視線が気になってしまうことがよくあります。個人的にはこれが大きなマイナスポイントです。

コメダ珈琲店が優秀な理由

しかし、ここで一線を画すのがコメダ珈琲店です。料理のサイズが大きいことで話題になりがちですが、席のゆとりも他のチェーン店カフェとは比べ物にならない広さを誇ります。

また、スターバックスに比べて利用者層が落ち着いた年齢であることも作業環境として好ポイントです。スターバックスやタリーズは学生さんの割合が多く、作業に求める快適な店内空間という点では、広さや快適さでコメダの圧勝と言えるでしょう。

予算目安:ドリンクのみ500円、料理込み1,000~1,500円

ファミレス系はドリンクバーが最強の武器

実は私が強くおすすめしているのは、カフェ系ではなくファミレス系です。理由は明確で、ドリンクバーがあるからです。

ドリンクバーの威力

中長期間作業する身としては、ドリンクバーの存在は非常にありがたいものです。乾いた喉を潤し、違うドリンクでリフレッシュを図る。このドリンクバーの質が作業効率に直結すると言っても過言ではありません。

利用時の注意点

カフェと同様にピークタイムには滞在時間の制限がかけられることもあります。朝の時間帯や14〜16時頃に入店すると比較的空いているのでおすすめです。お店に迷惑をかけないよう、マナーを守って利用しましょう。

基本的にはドリンクバー単体よりも、何か一品注文してセットドリンクバーにすることが多いと思いますので、その前提で各店舗を比較していきます。

店舗別詳細レビュー

サイゼリア:コスパ最強の定番店

常に話題の中心にいる格安激ウマイタリアンレストランです。何といっても価格の安さが最大のメリットで、ドリンクバーにちょっとしたおつまみやデザートを付けてもお財布に優しい設定になっています。

メリット

  • 圧倒的な価格の安さ
  • 料理の美味しさとコストパフォーマンス
  • 豊富なメニュー選択肢

デメリット

  • 若者の利用が多く店内が騒がしくなりがち
  • ドリンクバーの種類や品質が並み以下
  • 椅子がやや固め

作業のついでに色々摘まみたい、かつ予算を抑えたい方には筆頭候補となるでしょう。

ほうれん草のソテーを半熟玉子のミラノ風ドリアの上にかけるんじゃないぞ!! ああいけません!! ああ!! ああああああああ

セットドリンクバー:200円 平均予算:500~1,000円

ガスト:王道で安定感抜群

超定番のファミリーレストランです。サイゼリアよりは価格が上がりますが、お手軽価格でドリンクバーとプラス一品を楽しめます。

特におすすめなのはデザート系です。パフェや夏場のかき氷などとドリンクバーの組み合わせで、快適な作業空間を作ることができます。ドリンクバーの種類も充実しており、温かいお茶やミルクティー、ラテ系の充実ぶりも魅力的です。

公式アプリやXで配信されるクーポンを活用すると、さらにお得に利用できるのも嬉しいポイントです。

セットドリンクバー:200~300円 平均予算:600~1,200円

ジョイフル:スープバーの魅力

こちらも定番のファミリーレストランです。個人的には、ドリンクバーの品質はジョイフルがガストをやや上回ると感じています。あっさり系から甘いものまで幅広く揃っているのが特徴です。

また、スープバーが付いているのも大きな強みです。塩分が欲しい時にスープを飲むと脳が活性化し、作業効率が大幅に向上します。価格もガストをやや下回る印象で、非常におすすめ度の高いお店です。

セットドリンクバー:200円 平均予算:600~1,200円

ココス:ドリンクバー種類で圧倒的王者

店舗数は少し減っていますが、ドリンクバーの種類数では他を圧倒する品揃えを誇ります。特に茶葉の種類が豊富で、あらゆるお茶を楽しめるため、じっくりお茶を味わいながら作業を進めることができます。

これまで紹介した店舗より価格は少し上がりますが、間違いなく質は最高レベルです。料理も500円前後で軽く摘める系のメニューが用意されているので、選択肢も豊富です。

セットドリンクバー:300円 平均予算:800~1,500円

バーミヤン:コスパ最強の隠れた名店

店舗数が限られていますが、もし近所にあれば非常にラッキーです。最強のコストパフォーマンスを誇ります。

ドリンクバーの種類はココスに迫る勢いでお茶の種類が多く、それに加えて軽く摘める系のメニューからがっつりメニューまで圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。

中華料理店なので他店舗とは料理の種類が大きく異なりますが、チャーハンやラーメンなども価格の割に素晴らしい質と量を提供してくれます。

公式Xやすかいらーくアプリで配信される割引価格が驚異的で、個人的にはサイゼリアをコスパで上回る店だと考えています。

セットドリンクバー:200円 平均予算:500~1,000円

ステーキガスト:とりあえず肉を食え

これまでとは異なり、ステーキをメインとするお店です。ここの特徴は、ステーキだけでなくパン+カレー+サラダバーの食べ放題が付いていることです。

特にサラダの食べ放題は作業との相性が良く、脳に栄養が行き渡ることで思考が冴えわたることがあります。ただし、がっつり食事を楽しむことが前提のお店なので、純粋な作業場所としては少し疑問です。

ん? 趣旨から逸れて推しファミレス紹介になってないか? せやね。

平均予算:1,200~2,000円

その他の選択肢と総合的な判断

他にも様々なファミレスがありますが、共通しているのは「ドリンクバーがあること」と「席が快適であること」です。あとはドリンクバーの充実度と通いやすさとのトレードオフになります。

お金に糸目をつけず、かつがっつり食べたい場合の選択肢として、時間制限がない食べ放題店という選択肢もあります。時間制限がないホテルバイキングなどは特におすすめで、落ち着いた空間で食事を楽しみつつ作業ができます。料理も基本的にとても美味しいです。

私の個人的おすすめランキング

コスパ重視:サイゼリア、バーミヤン
品質重視:ココス、ジョイフル
バランス重視:ガスト
特別な日:ステーキガスト、ホテルバイキング

以上、個人的なノマド作業場所シリーズでした。もし皆さんのおすすめレストランや作業が捗る空間があれば、ぜひ教えてください。

それでは、今日も作業通話を募集しています。通話できるのは家にいる時の特権だなあと改めて感じました。

作業スタイルや予算、重視するポイントによって最適なお店は変わります。まずは気になるお店から試してみて、自分なりのベストスポットを見つけてくださいね。

ふれのでした。

シノビガミ サンプルキャラクター作り(2025.5)

「世界の裏側で暗躍する最強の異能力者になりてえなあ〜^」

私の大好きなシステムであるシノビガミをプレイするには、当然ながらキャラクター作成が必要です。しかし、経験の少ない方には少し難易度が高く感じるかもしれません。

何をかくそう、シノビガミはデータを駆使した高い戦略性がウリ、勿論、多くの忍法から自身のキャラクター性やシステム的な優位性を考えてキャラクターを作成するのは楽しいのですが、ルールの理解がまだできていない初心者さんには、キャラクター作成も一苦労だと思います。

私は、ルールの理解ができないままに膨大なデータ量に触れるよりも「とりあえず遊んでみよう。オリジナルのデータはそれから考えよう」という遊び方を推奨しています。

そこで、簡単に使えるサンプルキャラクターをご用意しました。お試し用ということでルールブック無しでもキャラクターを作れ、ゲームを始められます。慣れてきたら自分でキャラクターを作ってみましょう。

一度遊んでルールが理解できてきたら、ルールブックを見て一部の忍法や奥義を変えてみたり、慣れてきたならルルブを購入してみて、一からキャラクターを制作してみてください。

さあサンプルキャラを使ってみよう

好きな流派を選ぶ 

シノビガミには6つの忍者の種類(流派)があります。どのようなことをしている忍者なのかを決めていただきます。簡単に各流派の紹介をしておりますので、一番興味を惹かれた忍者を選んでみてください。

また、流派に所属しているからと言って、必ずしも流派の考えと個人の思いがすべて一致している必要はありません。組織との距離感もキャラクター性として考えつつ、どのようなキャラクター像にするか考えてみましょう。

キャラクターシートのデータは”忍術バトルRPG シノビガミ 基本ルールブック 改訂版“のサンプルキャラクターをベースに、癖が少なくより扱いやすくなるよう少し改良したものにしています。

好きな流派を決めたら、そのサンプルキャラクターの名前部分をクリックします。「シノビガミ キャラクターシート」というサイトが開きますので、ここに自分のキャラクターを入力していきます。


【斜歯忍軍】森羅万象を科学する超技術の使い手たち

雑賀衆の流れをくみ、忍器の研究・開発を得意とする流派。この世の中にあるすべての忍法を研究・解析し、それを誰でも使用できる忍器へと落とし込むことに並々ならぬ労力を費やしている。流派の目標は、斜歯を全統一流派にすることである。

シノビガミ公式サイト 「シノビガミ 流派ブック斜歯忍軍」より

【鞍馬神流】忍びの世の悪を正す最強の忍剣士

京八流を源流に持つ戦士たちの流派。その構成員は、いずれも恐るべき武術の達人たちである。その戦闘技術は、シノビガミ顕現にまつわる六神器をあらゆる勢力から守り、封印するために用いられる。誇り高き忍びたちだ。

シノビガミ公式サイト 「シノビガミ 流派ブック鞍馬神流」より

【ハグレモノ】自由を愛する一陣の風

厳密には流派ではないが、無視できない勢力。特定の流派に所属していないフリーの忍者たちや、非常に小さな「里」や血盟で結ばれた者たち。抜け忍なども含む。ハグレモノ同士が緩やかに協力することはあるが、特定の目的は持たない。

シノビガミ公式サイト 「シノビガミ 流派ブックハグレモノ」より

【比良坂機関】事件の裏で微笑む神算鬼謀の大陰謀家

比良坂流古神道を背景に持つ日本の諜報機関。政府とのつながりが強く、日本の国防、国益を最優先で遂行しようとする。政治力や経済力を背景とした陰謀や工作を得意とし、日本を守るために暗躍する。

シノビガミ公式サイト 「シノビガミ 流派ブック比良坂機関」より

【私立御斎学園】友のためなら何度でも立ち上がる不屈の御斎魂

表向きは小中高一貫の進学校。実際には、異能の力を持つものの、それを制御する術を持たない少年少女に、忍者教育を施す忍者養成機関である。国内外の財閥や研究機関、諜報機関から支援を受け、海外から留学している者も多い。

シノビガミ公式サイト 「シノビガミ 流派ブック私立御斎学園」より

【隠忍の血統】歴史の影で蠢く人ならざる者たち

古代日本において、鬼や土蜘蛛などと呼ばれた者の末裔たち。吸血鬼や人狼のような人外の存在も多く、「荒夜(あらよる)」とも呼ばれる。時の権力者たちから虐げられてきた歴史を持ち、国家権力に強い憎悪を抱いている。

シノビガミ公式サイト 「シノビガミ 流派ブック隠忍の血統」より

基本情報を入力する~

①.秘匿情報閲覧パスの「閲覧」を押下

サイトを開いたら最初に「閲覧」を押します。押したあとには「解除」と表示された状態になります。これを最初に押しておかないといくつか編集出来ない項目があり、後から押し忘れに気がつくと編集した内容が飛んでしまう可能性があるのでご注意を。

忘れるな! 最初にやるのは「閲覧」よ!

②.基本情報を入力

名前」「年齢」「性別」「表の顔」「信念」「設定」を入力します。

お前の癖を詰め込んでやれ!

「名前」「年齢」「性別」は自由に設定できます。シナリオのハンドアウトで指定や推奨がある場合はそれに従いましょう。

「表の顔」は一般社会での職業や立場を設定しましょう。
例:「大学教授」「古書店主」「フリーランスの写真家」など

信念」はそのキャラクターが行動する際の指針となる考えです。下記の6つから一番近いどれか一つを選んで入力してください。

  → 社会や自らを闘争や破壊、崩壊に巻き込もうとする。
  → 矛盾や弱さを許すことができず、それを正そうとする。
  → 金や名誉、力、自らの理想、安全を手に入れようとする。
  → 家族や友人、恋人など、身近な誰かを愛し、護ろうとする。
  → 自らの流派や思想、人物に共感し、彼らに殉じようとする。
  → 多くの人が幸せになる未来を信じ、互いに分かり合える道を模索する。

「設定」はそのキャラクターがどのようなキャラクターなのかを自由記入できます。普段何をしているのか、どんなことを考えているのか、好きな食べ物は、趣味は、簡単で良いので自分の作りたいようにキャラクターの個性を作ってみましょう。

名前:灯影 月華(とうえい つきか)
年齢: 23歳
性別:女
表の顔:高校教師
信念:情
設定:
普段は私立高校で国語教師をしており、穏やかな物腰と知的な雰囲気で生徒たちから「月華先生」と慕われ、人気がある。だが実際は斜歯忍軍のシノビであり、空気中の酸素と可燃性物質を瞬時に凝縮し、意のままに火を操る力だ。炎は彼女の感情と連動し、平静な時は小さな炎だが、怒りに触れると猛火となる。
昼は教壇に立ち古典を教え、夜は闇に潜み秩序を守る。流派としての任務だけでなく生徒たちに降りかかる災いを払うように自らの意思で戦いに赴くことも……学園の不可解な事件の裏には彼女の影がある。

いろいろ入力してみました

任意ですが「ファイルを選択」からキャラクターの画像を登録することが出来ます。より自分のキャラクターに愛着が湧いて楽しくゲームできると思います。フリーで使用できる立ち絵画像などはいっぱいありますのでぜひ登録してみてね。

ちなみにアップした画像は、最後の登録が完了するまで画面には表示されませんが、「ファイルを選択」の右にファイル名が表示されていれば正しく登録されています。

ここまで入力が終わったら、途中に書いてある「特技」「忍法」は無視して下の方までスクロールしてください。こちらはサンプルデータとして既に記入済みです。

無視して下までスクロール

奥義と忍具を入力する

①.奥義情報を埋める

奥義とはシノビがここぞという場面で使用できるいわゆる「必殺技」「奥の手」「最終手段」に相当します。奥義の効果は予め入力してありますので、「奥義名」「指定特技」「演出」のみ自由に変更してください。カッコイイ技名や演出を入れると気分も盛り上がりますのでそのキャラクターらしい奥義を覚えさせてあげましょう。

最強の厨二ポイントを決めてやれ!

奥義の効果は下記の6種類がありますが、サンプルではこの奥義の効果は最初から設定済みとなっています。

クリティカルヒット → 単体に強烈な一撃を喰らわせる
範囲攻撃 → 複数の敵にダメージを与える
絶対防御 → 相手の強力な攻撃を防ぐ
不死身  → 自らの生命力を回復させる
完全成功 → 自分のあらゆる判定を成功へと導く
判定妨害 → 相手のあらゆる判定を失敗へと導く

しかし奥義の効果こそ決まっていますが、どのような奥義なのかという演出はサンプルキャラシでは決まっていません。同じクリティカルヒットでも剣で斬りつけるのか、銃で撃ち抜くのか、体術なのか魔道なのか……。
ですので「奥義名」と「効果・演出」をカッコよく自分好みの書き換えましょう。

そして「指定特技」を自分の作った奥義に似合う特技に変更します。自分が覚えている特技の中からどれかを選んで指定特技に指定してください。特技表がキャラクターシートの少し上にありますが、黒く塗りつぶされている特技が修得している特技です。その中からやりたいイメージに合わせてみましょう。

奥義名:火守恵(ひもりのめぐみ)
指定特技:《火術》
効果【不死身】
演出:目を閉じ、右手を天に掲げる。すると空から小さな火の玉が降り注ぎ、体の周りを円を描くように回っていく。最後に胸元で一つの大きな火の玉となり、それを両手で抱き込むと、体全体が温かい光に包まれ、傷口が塞がっていく。聖なる火
を操り自らの命を灯す月華の奥義。


②.好きな忍具を持たせてあげます。

【兵糧丸】【神通丸】【遁甲符】の3つから、合計値が2つになるように好きな忍具を所有します。同じ忍具2つでも可能です。どの忍具も便利ですのでお好みで選びましょう。 悩んだら神通丸や兵糧丸が使いやすいです。

 兵糧丸 → 自分の【生命力】1点か変調1つを回復
 神通丸 → 自分のサイコロを振り直すことができる。
 遁甲符 → 自分以外のサイコロを振り直させることができる。

ここまで入力が終わったら、一番下にある「パスワード」を入力し、「コピーして登録」を押していただくとキャラクター作成完了となります。お疲れ様です。

コピーして登録すると、サンプルキャラがオリジナルのデータになります

その後URLをコピーしてお気に入り登録するなどして保存しておいてください。このURLにアクセスすることでキャラクターシートが開けるので、GMに提出する時などに使います。

またデータを更新したいときは、今度は「登録」を使います。同じパスワードを入力すると登録で更新が可能です。

自分でキャラクターを作るためには?

ご自身でキャラクターを作成するためにはこちらで紹介しているルールブックが必要になります。


「基本ルールブック」か「スタートブック」のどちらかが必要です。基本的には赤い背景の基本ルールブックがあれば遊べるようになります。

上記の作成過程では省略した「特技」をご自身で決めれるようになり、何よりも500種類以上(基本ルルブだけで)の膨大なレパートリーから「忍法」を選び、自分なりの忍法構築を作ることが出来ます。

ご興味を持っていただければ、是非ともルールブックを購入いただき、シノビガミの世界をよりお楽しみいただければ幸いです。

「チャパレ生成ツール」の使い方

ああ、シノビガミ、マギカロギア、インセインでキャラシとココフォリアの往復作業が面倒だなあ。

と思ったことは一度や二度ではないはず、目標値を調べて、戻ってきて、判定して、というこの往復作業がサイフィクの特徴でもありますが可能な限り簡略化したいということで当拡張機能を作りました。

シナリオシートを読み込んでチャパレの自動生成、ココフォリア用のコマ作成が行え、セッションの準備が非常に楽になるツールです。

こんにちは、わかばTRPG部のふれのです。普段シノビガミのシナリオやらを執筆し、頒布している者ですが、今回はこちらのツールを作成しましたのでご紹介です。

問い合わせ先
・Twitter ( @fureno )
・Misskey ( @fureno@takusuki.com )

インストール方法

下記のURLから拡張機能「チャパレ生成ツール」をインストールします。

https://chromewebstore.google.com/detail/fllpoppfplofcklcnkonghcjekhkigmp?utm_source=item-share-cb

右上の「Chromeに追加」から追加してください。

Chromeの拡張機能なのでChromeはもちろんですが、edge、Arc、Vivaldiなどのいわゆる「Chromiumエンジン」を使ったブラウザに対応しています。FireFoxやSafariは非対応なのでご注意ください。

使い方

キャラクターシート倉庫のウェブサイトを開いている状態で、拡張機能を起動します。

対応システム

  • シノビガミ
  • マギカロギア
  • インセイン

非対応のシステム、または関係ないウェブサイトを開いている場合エラーとなります。

「チャットパレットを作成」のボタンを押すと、チャパレが生成されます。オプションのチェックを入れると生成されるチャパレが変化します。
シノビガミの場合、「ステータス管理を利用」のチェックが入っていると、ファンブル値やスペシャル値をステータス管理する場合のチャパレを出力します。困ったら基本的にチェックは入れずに出力してください。

出力されたチャットパレットを確認できます。その後チャパレはコピー、またはダウンロードしてお使いください。また、ここからココフォリアのコマを出力することもできます。

チャパレの出力内容

大まかに分けると以下の3点の情報が出力されます。

  1. 特技
  2. 忍法、魔法、アビリティ
  3. コマンド

シノビガミでの話が多くなりますが、他システムの場合も同様です。

すべての特技の判定値

出力されたチャパレには、代用判定を含む66種すべての特技での判定値が設定されています。例えば「絡繰術」での判定が必要になった場合、チャット欄に「@絡術術」と入力することで呼出しが可能です。(アットマークは全角)

当然、ダメージを受けて分野が使用不可になった際や、呪いで特技が消えた場合などは計算が合わなくなりますのでご注意ください。

「@絡繰術」で、絡繰術での判定値を呼び出せる

アットマーク無しでも絞り込みは可能ですが、自分が修得している特技を呼び出そうとすると、代用判定分の多くの特技が候補に引っかかってしまい、絞り込みができません。全角のアットマークを頭に入れることで修得特技も絞り込みやすくなります。

全角のアットマークが無いと絞り込めない
アットマークを入れることで狙った特技を絞り込める

シノビガミの場合、[ステータス管理を利用]にチェックを入れていた場合は、スペシャル値、ファンブル値、修正値をステータスで管理する前提の判定を行えます。

  • チェック無し:SG@12#2+0>=5 (判定:@手裏剣術)
  • チェック有り:SG@{スペシャル値}#{ファンブル値}+{修正値}>=5 (判定:@手裏剣術)
コマのステータスにスペシャル値などを入れて管理する

コマ内のステータスを変動させることで、ダイスロール時の判定を可変させることができます。ステータスの変更はコマを直接編集する、もしくはチャパレにもステータス変更のショートカットを入れていますので、そこから行います。

こちらは私が別途BOOTHにて頒布している「シノビガミ汎用マップver3」での利用で真価を発揮します。クリックアクションでテンポ良くステータスを変更できるので、判定が非常に楽になります。

しばらく、そのステータスでの判定が持続する状況で使うと便利です。例えば、【戦場の極意】や【逆鱗】が適応されたなら修正値+1、【喘縄】が適応されたら−1、プロット4に移動したらファンブル値4、【水晶眼】を使ったらスペシャル値10など

ステータスでの管理が面倒くさい、よく分からない、という方は最初のチェックを無しにして出力することで、ファンブル値2、スペシャル値12、修正値0で判定を出力できます。

また、他システムの場合はチェックの有無に関わらず、シンプルな2D6の判定でチャパレが生成されます。マギカロギアの場合は「魂の特技」、インセインの場合は好奇心分野や恐怖心も判定に反映されるようになっています。

インセインの場合、[指定特技を隠した判定を出力する]にチェックを入れていた場合は、指定特技を隠して判定できます。まだ公開されていない【秘密】での恐怖判定などにお使いいただけます。

忍法の説明テキスト、判定テキスト

チャットパレットには、修得している各忍法、各魔法、各アビリティの一覧が出力されます。名前~効果までをまとめた説明テキストと、判定テキストが出力されます。

例えば【接近戦攻撃】を使用するときは、チャット欄に使用する忍法名を入力すると、説明テキストと判定テキストの2つのチャットが出てくるので矢印キーで選択してエンターで送信できます。

「接近戦攻撃」と入力すれば、説明と判定を呼び出せる

それぞれの忍法や魔法には上から順番に「@a」「@b」「@c」といった目印となるラベルテキストが記載されています。例えば「上から3番目の忍法を使用したい」というときには「@c」と入力すれば、説明テキストと判定テキストを両方呼び出せます。このアットマークは半角です。

このキャラクターは上から2番目が【魔弓】のため、「@b」で説明と判定を呼び出せる

半角入力のままで入力を完結できるので操作スピードを速めることができます。ただし何番目の忍法が使いたい忍法かは覚えておく必要がありますのでご注意ください。

もし、「@a」「@b」みたいな値では分かりにくいよって方は、ご自身でラベルの値を編集しておいても良いでしょう。一つの方法としてはローマ字内の値を入れておくのも手です。例えば【魔弓】であれば、「@makyu」など。

チャパレのラベルを「@makyu」に変更した例。半角のままで呼び出せる

全文書かなくても「@ma」くらいまで入力すれば絞り込みできるでしょう。出力されたものそのままではなく、説明文を簡略化したり、ラベルの値を調整するなどして、より好みの状態に調整ください。

また、シノビガミの場合、奥義も出力できます。初回は奥義情報を出力して利用する方が多いと思いますが、頻繁に使う奥義の場合、2回目以降はチャパレから呼び出しても良いでしょう。全角で「@奥義」、もしくは半角の「@ougi」でも呼び出せます。

その他、良く使うショートカットコマンド

各システムで使われることが多いショートカットコマンドが入っています。こちらも必要に応じてご活用ください。コマンドを忘れていても日本語で「妖魔化」「戦場表」などと入力すれば呼び出せます。
また、シノビガミなら「@マヒ」「@呪い」、マギカロギアなら「@封印」などと入力することで、特技や忍法をchoiceダイスでランダム出力することも可能です。

新しい異形表とか、戦場表とか、以外に忘れがちなものを入れてます

コマの作成機能

チャパレと一緒にココフォリアのコマを作成することができます。メモ欄にはキャラクターの情報が載っており、ステータスも必要なものが生成されます。特に魔法ごとにステータスを手動設定する必要があるマギカロギアで便利です。

チャパレ生成が終わったタイミングで「コマ出力」をクリックします。

チャパレ生成後に「コマ出力」を選択すると、クリップボードにコピー

クリップボードにコマデータがコピーできるので、ココフォリア上に貼り付けます。[Ctlr]+[V]で貼り付け可能です。

メモ、ステータス、チャパレ、参照URLなどが設定されたコマが生成できます

このコマには先ほど作成したチャパレも入っていますので、あとは立ち絵の設定などを行うだけで、セッションの準備を完了させることができます。

その他詳細仕様

細かい仕様をまとめています。気になる方だけご覧ください。

詳細仕様

1.1 システム自動判別

・URLを確認して対応TRPGシステム(シノビガミ、マギカロギア、インセイン)を自動検出
・検出したシステムに応じたオプション設定を表示
・未対応ページでは警告表示と生成ボタンの無効化

1.2 データ収集方法

・表示されているキャラクターシートからHTMLのID情報などから必要情報を取得
・特技テーブルの構造を解析し、特技の位置関係や修得状況を把握
・秘匿項目は収集対象外となる(秘匿情報閲覧を押していない状態の奥義など)

1.3 出力機能

・チャットパレットをテキスト形式で生成
・コピーボタン:クリップボードにコピー(完了時にトースト通知)
・ダウンロードボタン:テキストファイルとして保存(ファイル名:キャラクター名_チャットパレット.txt)
・コマ出力ボタン:CCFOLIA用キャラクターコマデータをJSONで生成しクリップボードにコピー

2.1 特技出力

■共通機能
・修得済み特技:目標値5で判定コマンド生成
・未修得特技:修得している最も近い特技からの距離で目標値を計算し、代用判定として生成
・最も近い特技が同値で複数存在する場合、左上のものを採用
・特技テーブル処理: 黒マス境界:ギャップを計算に含めて特技間距離を計算

■シノビガミ固有
・オプション「ステータス管理を利用」のチェック時:CCFOLIAのステータス管理用に以下を変数化
ファンブル値:#{ファンブル値}、スペシャル値:@{スペシャル値}、修正値:{修正値}
通常モード:固定値(ファンブル#2、スペシャル@12、修正値+0)
出力例:
通常判定:SG@12#2+0>=6 (代用判定:手裏剣術、指定特技:@手練)
ステータス判定:SG@{スペシャル値}#{ファンブル値}+{修正値}>=6 (代用判定:手裏剣術、指定特技:@手練)

■マギカロギア固有
魂の特技を出力 出力例:2D6>=6(判定:気合 魔力1消費) 【魂の特技】

■インセイン固有
・好奇心分野の特技に[好奇心]タグを付与
・恐怖心特技に[恐怖心]タグを付与し、判定に-2の修正
・オプション設定「指定特技を隠した判定を出力する」チェック時:指定特技をXXXとして表示し、実際の特技を後ろに@タグで付与
出力例:
通常判定:2D6-2>=7 (代用判定:第六感、指定特技:@戦争)[恐怖心]
隠し判定:2D6-2>=7 (代用判定:第六感、指定特技:XXX) @指定特技:@戦争[恐怖心]

2.2 忍法、魔法など

■共通機能
・忍法名や特技名がカッコで囲われている場合、二重表示ならないようにカッコを外す(【【接近戦攻撃】】とならないように)
・順番にアルファベットタグを付ける(@a, @b, @c)

■シノビガミ
・忍法の説明情報(タイプ、特技、間合、コスト、効果、ページなど)を1行で表示
・装備以外の忍法に判定コマンドを自動生成
・指定特技があれば適切な判定値を計算、代用判定も対応

■マギカロギア
・魔法の説明情報(タイプ、特技、目標、コスト、効果、ページなど)を1行で表示
・指定特技に基づく判定コマンドを生成

■インセイン
・アビリティの説明情報(名前、タイプ、指定特技、効果、ページなど)を1行で表示
・装備以外のアビリティに判定コマンドを生成
・恐怖心特技の場合は判定に-2の修正とタグを付与

2.3 奥義
・名前、指定特技、エフェクト(強み、弱み)のみ出力し、演出は出力しない。
・「@奥義」「@ougi」のタグを付与

2.4 その他コマンド
・システムに合わせたショートカットコマンドを出力
・D66、2D6、choiceなどの基本ダイス
・ランダム特技決定表(RTT1~6)
・ダメージ計算コマンド
・各種判定表(ファンブル、変調など)
・ステータス変更コマンド(ステータス管理モード時)
・修得特技のchoiceダイス(マヒ時に使用)
・修得忍法のchoiceダイス(呪い時に使用)
・修得魔法のchoiceダイス(封印時に使用)

3.1 コマデータ出力機能

■共通機能
・CCFOLIAで使用可能なJSONフォーマットデータを生成
・キャラクター基本情報を整形してメモに設定
・チャットパレットの内容をコマンドとして設定
・キャラクターシートURLを外部リンクとして設定
・クリップボードへのワンクリックコピー

■シノビガミコマデータ
・メモ:PL名、PC名、年齢、性別、信念、流派、表の顔、状況メモ欄、特技一覧、忍法一覧、背景
・ステータス:器術、体術、忍術、謀術、戦術、妖術、追加、忍具
・オプション対応:ステータス管理モード時はスペシャル値等も追加

■マギカロギアコマデータ
・PL名、かりそめの名前、魔法名、年齢、性別、経歴/機関、表の顔、階梯情報、アンカー一覧、特技、魔法
・ステータス:魔力、一時的魔力、各魔法のコスト/魔法名
・コストや根源力など、全角数字の半角変換処理

■インセインコマデータ
・メモ:PL名、PC名、年齢、性別、職業、特技一覧、アビリティ一覧
・ステータス:生命力、正気度、鎮痛剤、武器、お守り

4.1 一般的なエラー処理

データ抽出失敗:適切なエラーメッセージを表示
タイムアウト:処理完了まで待機表示
拡張機能エラー:再試行ボタン表示
エラー時も基本的なダイスコマンドは出力
キャラクター名がない場合は「名前不明」と表示

5.1 表示状態

■初期画面
・システム検出表示
・システム別オプション表示
・生成ボタン
・処理中:ローディングスピナーと待機メッセージ
■結果画面
・キャラクター名表示
・生成されたチャットパレット表示
・コピー/ダウンロード/コマ出力ボタン
・エラー画面:エラー内容と再試行ボタン

5.2 通知機能

・コピー成功時にトースト通知
・ファイルダウンロード完了通知
・コマデータ出力成功通知
・エラー発生時の警告表示

バージョンアップ履歴

1.0(2025/05/07)
初版リリース

2.0(2025/05/13)
コマ作成機能を追加。システムに合わせたコマ情報を出力できるように(マギカロギアでは魔法やコストをステータスに反映)
・細かな画面内テキスト、出力されるチャパレの文言を修正
・出力ボタン周りのUI変更。システムごとに異なる設定チェックボックスを表示できるように
・インセイン用の出力設定「指定特技を隠した判定を出力」(恐怖判定などで使用)を追加

2.1(2025/05/14)
・マギカロギアでのコマ出力時、メモに「真の姿」「魂の特技」を出力、ステータスの魔法に根源力を反映するよう修正
・各システムでのコマ出力時、メモの年齢と性別を1行で表示するよう修正 ・その他、軽微な文言の修正

2.1.1(2025/05/15)
・マギカロギアでのコマ出力時、コマの名前が出力されない不具合修正
・コマ作成時のメモ欄に、かなが[]括りで表示されるよう修正

2.1.2(2025/05/17)
・使い方ガイドのURLが間違っていたため修正

2.1.3(2025/06/15)
・シノビガミでの呪いとマヒ用の特技忍法のchoice(ランダム選択)コマンドを追加

2.1.4 (2025/08/07)
・マギカロギアにてアンカー出力を件数分のみ表示するように修正(固定10行から実際の行数に変更)
・各システムでのコードの最適化と共通ユーティリティの実装
・マギカロギアに「変調」セクションを追加。修得している召喚・呪文魔法のランダム選択コマンドを生成
・魔法の出力タグを「@魔法 @m @a」形式に変更、判定タグを「@判定 @h @a」形式に変更
・インセインでアビリティタグを「@アビリティ @a @a」形式に変更
・シノビガミで忍法タグを「@忍法 @n @a」、判定タグを「@判定 @h @a」形式に変更

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TRPGシナリオのニッチ化が進んでるって話

TRPGを遊び始めてもう7年目です。すっかりおじさんになっちゃたなあと思うなどしています。

少し前に、わかばTRPG部でもシナリオを書いてくださっているずいずいさんと「最近、覇権取ってるような大型シナリオってないですよね?」という雑談になりました。

言われてみれば確かにそうだと思い、話し込んでいる内に、今TRPG界隈自体のバブルの終了と、コミュニティが分断されているという話になったので、それをまとめます。

どうも、脳内思考解体センター局長のふれのです。ではよーいスタート。

TRPG界隈、バブルの終焉

皆さんご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、2023年11月をピークに、それまで右肩上がりだったココフォリアのアクティブユーザー数が43万人から41万人へと減少に転じました。長らく微増を続けてきた界隈にとって、これは大きな転換点です。

これはシンプルに「界隈が歳を取った」んですよね。もう少し丁寧に言うと、TRPG界隈が「成長期」から「成熟期」へと移行したということ。実際、TRPGというニッチな趣味にしては、これまでの人口増加はかなり異例だったとも言えます。

だからTRPGが「オワコン化した」というのは誤りで、単純に「バブルが終わった」と捉える方が自然かなと思います。

配信世代の成長とライフスタイルの変化

動画や配信から始まったTRPGブームと世代の加齢は感じる

2010年代後半から2020年代初頭にかけて、ニコニコ動画やYouTubeの配信などでTRPGのリプレイ動画が人気となり、ブームが起きました。

動画からTRPGに入った層は全体の半分以上を占めており、多くが10代後半から20代前半でした。TRPG配信を見ている人のデータを厳密に集計したわけではありませんが、傾向としては明らかでしょう。

ということは、彼らは今ごろ20代後半〜30代になっています。私のアンケート調査でも、「ふれシ」(ふれののシナリオ)を遊ぶ人たちは20代後半〜30代前半の方が多かったんですよ。

ココフォリアのアクティブ年齢層分布では18~24歳が最大勢力のようですが、これは20代後半から30代のかつての層が離脱していることを意味します。

就職して仕事が忙しくなったり、結婚や出産などライフイベントが増えたり。以前は大学生ノリで鬼のように卓を回していた友人たちも、今ではかなり控えめになってます。

これを「落ち着いた」と見るか「冷めた」と見るかは人それぞれですが、結果としてアクティブユーザーの減少につながっているんですね。

エンタメ選択肢の多様化

エンタメの多様化時代にTRPG遊んでる人は本当に貴重だと思う

ココフォリアの新規参入率は初動こそ強かったものの、ここ数年は微増という状態で、それが頭打ちになったのが最近の状況です。離脱していく20後半のユーザーを補なうほどの新規流入がないということです。

理由としては、他のデジタルエンターテインメント(モバイルゲーム、VTuber、TikTokやショート動画など)との競合でしょう。若い世代が「TRPGを遊びたい」と思う率が低下していることが要因でしょう。Z世代のエンタメ選択肢は無限にあり、その中でわざわざ時間効率の良くないTRPGを選ぶ率はそう高くはないでしょうね。

かなり前のことですが、任天堂が株主総会で「ライバルは誰ですか?」と聞かれた時に「あらゆる娯楽です」と回答していました。こういう状況になると、その先見の明があったことに納得します。

ということでユーザー数は減少しつつありますが、それでも未だにTRPGを遊んでいる人というのは熱心なユーザーが多いとも言えます。もともとTRPG界隈は入れ替わりが激しい界隈というよりは、「ハマる人はハマる、ハマらない人には一切ハマらない」という特性があり、定着率が高い遊びであるともいえるのです。

そして成熟期に入った界隈の人たちが求めるものって何でしょう? それがこれからの本題です。前置き長すぎぃ。

コミュニティの細分化とニッチ化の波

遊ぶ「シナリオ」を厳選し、シナリオ作者がそれに応えていく流れができた

シナリオファーストの時代

今のTRPGは「シナリオファースト」の時代です。つまり「このシナリオを遊びたい!」が出発点になっています。昨今では「メンバーが集まったからシナリオを決めよう」という流れはほとんど見なくなりました。

そしてTRPGのシナリオの多くは同人シナリオです。公式が出したシナリオももちろんありますが、それがみんなが遊ぶような「覇権シナリオ」になっているケースはあまり見られません。

同人文化はそもそも「大衆向けの王道作品」ではなく「自分の好きを詰め込んで共有する」という側面があります。だから内容はマニアックになりがちで、商業誌では扱いにくいニッチなシナリオが多く見られるのは必然です。

TRPGライツにより、もともと溢れていた同人シナリオがマネタイズできるようになり、配信に使われたり、BOOTHで販売されたりするようになったのも、これを後押ししたと言えるでしょう。

なんと、CoCの同人界隈では全体の38%が何らかの性的要素を含むシナリオだそうで、これは商業誌では扱いづらい内容でしょうね。公式としてCoCをそういう方向性にしていくのは勇気が必要だと思いますし。

ただ、界隈が縮小しているなら、シナリオ作者側としてはなおさらニッチなコミュニティに対して訴求していく必要があるということですね。しっかりと届く魅力がないと、シナリオは遊ばれなくなってしまいます。

シナリオ選びの丁寧な文化

さて、TRPGというのは遊ぶのに非常に時間がかかる娯楽です。長時間かけてセッションに挑むのに、世の中にはとんでもない量のシナリオが溢れています(特にCoCは顕著です)。

つまりユーザーは「遊ぶシナリオを厳選しないといけない」という状態になります。適当に見つけた内容の分からないシナリオは、無料でも遊ばれないわけです。

そのため、シナリオ作者側は「こんな人におすすめ」「この要素が含まれるので苦手な方は注意」といった形で、ユーザーが選びやすいような情報提供を行うようになりました。互いに不幸な「ミスマッチ」を回避するよう努めるようになったわけですね。

地雷チェッカーなんて言葉、昔はなかったわけですし。そんなものは必要なかったし、そんな地雷を気にしてシナリオ厳選する作業もなかったんです。

ニッチであることの強み

TRPGに限らず、コンテンツというのは極まれば極まるほどマニアックになり、その分野の愛好家にとっては面白くなります。代わりに初心者お断りの世界になるという側面もあります。

難関アクションゲームである「フロムゲー」(ダークソウルなど)が高く評価されているように、格闘ゲームやシューターゲームでもレートを上げれば上げるほどエキサイティングなバトルが楽しめたりします。

マニアックなコンテンツは「ユーザー総数は減る」けど「コアなファンには強く刺さる」という特徴があります。シナリオ作者たちも、「こういう人に向けて書こう」と明確なターゲットを設定して、そのユーザーには強烈に刺さるシナリオを作るようになりました。逆に、万人向けの王道シナリオや初心者シナリオなどは減っていきました。

余談ですが、この話を一緒にしていたずいずいさんは「初心者向けを書きたい」という目標があるのに、自分の好みを追求した結果、毎回特殊ギミックや世界観を詰め込んで、結局ニッチになっていくという特徴があります。
頑張って王道の初心者OKシノビガミを書いてほしいですね! 私は王道系が好きなので、そういったシナリオを探しているのですが、あまり見つからないという悩みを抱えていたり。

閑話休題。先ほどの配信ブームの話にも繋がりますが、配信者陣ならではの物語が楽しめるマルチエンド式のシナリオなども多いです。これは同じシナリオの視聴を複数回しても毎回楽しめるという側面があります。

誰もが同じ感動を味わえる大衆に受けるシナリオというのは書くのも難しいですし、特定のユーザーを強く惹きつけるのも難しい。だったら同人らしくマニアックに振り切ってしまおう、というのが昨今のシナリオの特徴なのでしょう。

コミュニティの分断と新たな文化

信頼した人同士で遊ぼうって流れが加速したよね

さて、こんなニッチなシナリオを野良で出会った人と一緒に遊びたいと思いますか? 思いませんよね。実際、そういった状況では楽しむのは難しいでしょう。

ということで、TRPGの遊び方は「信頼のある身内と遊び続ける」というコミュニティ依存度が上がっていきます。野良卓で遊ぶ層というのはデータを取っているわけではありませんが、減っていると思われます。

信頼のある身内と、信頼のあるキャラクターで、自分たちの好むシナリオを選ぶ。それを理解しているからこそ、シナリオ作者側はどこかのコミュニティに強く刺さるニッチなシナリオで他所との差別化を図ります。

そうして遊ばれたシナリオの評判が、狭いコミュニティ内で話題になり、そのコミュニティ内で繰り返して遊ばれていくという「口コミ」の発展文化が生まれています。特に大きな事件や、界隈が大きく動くような何かがあるわけではなく、ただ市場が自然とそのように移り変わっているというのが、現在のTRPG界隈の現状です。

いやはや、まさに界隈の成熟期といった雰囲気ですね。だから「みんながこぞって遊んでいる覇権シナリオ」「有名シナリオ」というのは数を減らしていったわけです。

SNSの変化も大きな要因

ぶっちゃ私はもうTwitter(X)を見てないですしね

もう一つ、見逃せない要因として挙げられるのは、Twitter(X)の仕様変更による影響でしょう。これは私自身がSNSから少し距離を置いているため、より顕著に感じていますが、明らかに人々の熱量が拡散する力は弱くなりました。

XのAPI廃止、広告挿入の頻度の増加、インプレッションゾンビを含むブルーチェックアカウントのスパム増加、そしてAI学習目的の利用による嫌悪感を示す人の増加など。

Blueskyやmisskey(ミスキー)へ移動する人や、SNSに疲れて閲覧を控える人なども増えており、誰かの発信に対する盛り上がりが以前よりも静かになりました。

これは私自身にも言える話ですが、シナリオに興味を持つきっかけって結構「タイムラインで名前だけ見かけたシナリオが気になる!」という導線が強いと思います。その頻度が減ったなら、大型シナリオがバズって覇権になる可能性も低くなりますよね。

もう少し前から、XやYouTubeといった巨大コミュニティでトレンドが生まれてみんながそれに流されるという流れは廃れつつあって、自分の所属しているコミュニティ内でムーブメントが起きるようになったイメージがあります。

SNSとの関わり方については別の記事で詳しく書く予定ですが、とにかく「大作シナリオがバズって → みんなが遊んで → それを見た人が気になってプレイしたくなる」という流れは、以前より弱くなったと言えるでしょう。

今後のシナリオ製作をどうするか

今回の話をまとめると、以下の3点が今のTRPG界隈に起きている変化です。

  • コンテンツの専門分化
  • コミュニティの分散と発展
  • 遊戯形態、アクティブユーザー層の変化

では、シナリオ製作者であるふれのとしては、どのようなアプローチを取るべきでしょうか? 私は別に特段マニアックな嗜好を持っているわけではないと思いますが、同人シナリオの中でどんな展開を提供しているかを分解すると。

  • 熱いシチュエーション
  • さりげなく散りばめられた伏線が隙間なく回収される展開
  • 喪失と覚醒を繰り返すダイナミックなシナリオ展開

この辺りでしょうか? 実際に遊んでみると体験としては上質かもしれませんが、これではシナリオ選びの段階で「遊びたい」と思ってもらえるまでに至らないことが問題です。

例えば「いつか見た彗星」なんかは、濃密な展開が疾風怒涛のごとく流れてくる、かなり上質なシナリオだと自負しています。一方で、そのイメージがシナリオの公開情報の時点であるかと言われると、残念ながら十分ではないと思います。

対して「君が静かに眠るなら」「眠れる勇者は愛を詠う」などは、パッケージの時点で「おや? 面白そう」と目を引くような表題にでき、特定の層を狙い撃ちにすることができたと感じています。

つまり、ちゃんと刺さる層をイメージしながらシナリオのパッケージを仕上げ、中身はこれまで通り洗練させたものにするというのが目標になりますね。課題は「パッケージング」ということになります。ここが苦手な私にとっては難しい分野ですが、頑張っていきたいと思います。

というわけで、雑談したてほやほやの内容をアーカイブ的にまとめてみました。皆さんのTRPG界隈に対する見方はいかがでしょうか? 良かったらまた教えてくださいーふれのでした。

ダイエット奮闘記 ~痩せは「パワー」だ~

最近ダイエットに真剣に取り組んでいるので、その経験をシェアしたいと思います。その結論としては身も蓋もないパワー解決法に辿り着いたのでご紹介します!

どうも、悪食肉風船ふれのです。では、よーいスタート!

二つの顔

身体にそれなりに詳しい奴

みなさん、実は私って身体のことめちゃくちゃ詳しいんですよ。筋トレや運動の知識はもちろん、運動生理学や解剖学といった専門分野までかなり造詣が深いんです。マッサージやストレッチも専門的にできちゃう、そんな運動オタクの一面があります。

「じゃあさぞかし筋肉モリモリのマッチョマンなんでしょ?」

…というところで、もう一つの顔をお見せしましょう。

フードファイター並に食う奴

この私、とんでもない量のご飯を食べられるんです。「食事は人生の華」「食べるために生きている」という信念の持ち主。その食事量はフードファイターにも引けを取らないレベルで、昔あるお店のとんかつ食べ放題で30枚を平らげたこともあります。お店の記録保持者でした(今はそのお店、食べ放題やってないんですけどね)。

つまり、運動についての知識はめちゃくちゃあっても、異常な食事量のせいで全く役に立っていなかったというわけです。昔は胃下垂症で「食べても太らない体質」でしたが、年齢とともにその特性も弱まり、シナリオ執筆作業が忙しくなるにつれて運動習慣も失われていきました。

結果、「体力のあるぽっちゃり」が完成。昔は格闘選手のような体脂肪率だったのに、いつの間にかBMIが平均を超え、遂に肥満エリアに突入してしまったんです。

これまでのダイエット失敗の歴史

もちろん、これまでも手をこまねいていたわけではありません。知識を活かして効率的なトレーニング方法を確立し実行もしてきました。しかし、継続できずに挫折。

そもそも「その異常な食生活をなんとかしろ」という根本的な問題があったんですね。

運動はダイエットにおいて「必要だけど効率が悪い」という二面性を持っています。これを正さない限り、どれだけ運動しても無駄なんです。

本気の食事制限に挑戦

そこで今年3月から本腰を入れて体づくりを決意。メスを入れるのは当然、食生活です。

「食うな!何も食うな!!」

私の挑戦した方法はシンプル。1日の摂取カロリーを目標1000、上限1500kcalに制限するという超強烈な食事制限です。一般的な成人男性の必要カロリーより1000近く少ないですからね。理論上は10日で1kg痩せる計算です。

しかし、もう四の五の言っていられません。胃下垂バフも効かなくなったので、人生の楽しみを奪ってでも食事を減らすしかないんです。

具体的には1日の摂取カロリーを目標1000、上限1500と設定。これは一般的な成人男性の必要カロリーを1000近く下回っています。理論上は10日ほど続ければ1kg体重が落ちる計算です。

ただ、これまでこの方法を避けていた理由があります。言うまでもなく不健康なんです。必要な栄養素が足りない状態は身体に大きな負担をかけ、内臓への影響や免疫力低下などのリスクがあります。

また、リバウンドの危険性も。長期間の空腹状態は「飢餓状態」となり、体は栄養を脂肪に変換しようとする防衛機構が働きます。

お相撲さんが朝食を抜いて昼夜2食なのは、実はこの仕組みを利用して「太るため」なんです。彼らは空腹状態を作った後に大量に食べることで、太るためのプロセスを踏んでいるわけです。一般人の食事制限にもこの危険はあります。

そして何より、空腹状態が辛いんです。今までそれだけ食べていたのは単純にお腹がすくからであり、美味しいものを食べたいという欲求に逆らえなかったから。それを制限するのは精神的にも大変なことです。

成功の秘訣は「気合い」

では、どうやって食事制限を実施しているのか?答えは「やる」以外にない、気合いでゴリ押しです。

「あほやコイツ」と思われるかもしれませんが、仕方ないとも言えます。「痩せたい」という願望は人間の本能に逆らう行為。だったら精神論で乗り切るしかないんです。

ただ「よしやるぞー」程度の決意ではダメです。これまで何度も失敗してきたことを忘れるな。

「絶対にやる!!!やらないと死ぬ!!!!!今首元にナイフ突きつけられて脅されてる!!!!!!!!」くらいの気持ちで挑みます。

1ヶ月目レポート

3月から挑戦している食事制限、概ね成功しています。正直、24時間空腹状態ですよ。朝食抜きで、昼食はサイゼリヤのほうれん草、夕食はわかめうどん小といった具合です。食べても空腹は消えませんし、夜も眠りにくいです。でも、やるしかないんです!

これまでのダイエットとはレベルが違う気合いで頑張っています。この宣言をすることで、さらに自分を追い込んでいきます。ゲームマーケットで「新刊出します」と宣言するのと同じ効果を期待しています。

ちなみに先日、チートデーとして食べ放題に行ったのですが、あまりの幸せに食べながら涙が出ました。やはり人間は食べることに幸せを見出すものなんですね……。

食事制限のコツ

単なる食事制限ではなく、いくつか重要なポイントも押さえています:

肉と野菜を最優先

少ない食事機会では、肉と野菜を積極的に摂るようにしています。低カロリーで効率よく体を作れるからです。実質的な糖質制限ダイエットも兼ねています。今はお米も高いので、ちょうどいいかもしれませんね。

タンパク質は猛プッシュ

プロテインは必ず飲みます。タンパク質不足だと脂肪だけでなく筋肉量も減り続け、不健康な痩せ方になってしまいます。爪や髪もボロボロになってしまうので、それは避けたいですね。

筋トレ&有酸素運動はしっかりと

仕事帰りにジムに寄って短時間で集中的に筋トレし、筋肉内の糖質を使い切ったところで隣の駅までジョギングして有酸素運動で脂肪燃焼を促進。これをルーティン化しています。

最近はラットプルダウンが60〜70kg、チェストプレスも60kg近くまで上がるようになりました。ただ、チェストプレスは自宅での腕立て伏せでも似た効果が得られるので、ジムならではの運動としてはやはり背筋がおすすめですね。

オートファジーも試してみる?

これはおまけ情報です。オートファジーとは細胞が自分自身を食べる現象のこと。ダイエットに取り入れる場合は極限の飢餓状態で実現するそうで、18時間の断食で可能だとか。

正直、効果については微妙な部分もありますが、分からないものは自分の身体で実験!ということで、夕食を18時に摂り、朝食を抜いて翌日12時に昼食、これで18時間断食によるオートファジーが成立します。

ただし、この昼食でがっつり食べないように注意が必要です。お相撲さん化してしまいますからね。まあオートファジーについては効果は怪しいのでまあお気持ち程度で。

これからの計画

デスクバイクの購入を検討中で、作業しながら運動できる環境を整えたいです。ダンベルも欲しいところ…特に脊柱起立筋群を鍛える方法がなくて困ってます。

この宣言をすることで自分を追い込む作戦。ゲムマで「新刊出します!」って言うのと同じ効果を期待してます。今年は東京のゲムマには行きませんが、いつか何かのイベントでお会いして「おっ、こいつ頑張って痩せたな」と思ってもらえたら嬉しいです。

人生の楽しみを削って挑むダイエット。つらいけど、それだけの価値がある挑戦だと信じています。みなさんも無理のない範囲で健康的な体づくりを目指しましょうね!

TRPGにおける探索要素は没入感を阻害するのか?

はじめに

みなさん、こんにちは!今日は「TRPGにおける探索要素と没入感」というテーマについて私の主観100%で考えてみたいと思います。

最初にお断りしておきますが、特定の遊び方を否定する意図はまったくありません。ゲームの楽しみ方は人それぞれです。シューターを好む人、パズルゲームを好む人、美少女キャラクターを好む人、ゾンビやクリーチャーを好む人…千差万別ですよね。TRPGでも同じです。

どうも、ゾンビTRPGプレイヤーふれのです。では、よーいスタート!

TRPGとはリッチなおままごとである

TRPGを知らない人に説明するときに「大人のおままごと」って例え話で伝えることないですか? キャラクターになりきって、関係性を演じるという奇っ怪な遊び。この私はこの「ロールプレイ」がTRPGの核心部分だと思っています。

他にもTRPGならではの魅力は沢山あるのですが、じゃあそれはスマブラと何が違うの? マリオカートと何が違うの? トランプとウノと何が違うの? ドラクエやFFとは違う? ってなったときにTRPGならではの特色はロールプレイに集約されていると考えてるというわけですね。

逆にそこを突き詰めないと、他のコンテンツの劣化版になるとも考えています。ロールプレイ無しで展開するTRPGを遊ぶなら同じストーリーを映画で見たいです。ゲームでプレイしたいです。という考えの持ち主なのです。

台詞ではない行動宣言

「〇〇をします」「〇〇のような行動を行います」という台詞ではない行動内容を示す発言があります。

探索系ゲームにあるような行動宣言をずっと続けてマップの各地を探索するような要素は、おままごとには基本的にありません。

子どものおままごとでも「お茶を入れますね」といった行動宣言はするものです。でも、「この部屋の壁を調べます」「床下を探索します」なんて言いながら隅々まで探し回ることはないですよね。

こういった探索要素が入ってくると、「おままごとを抜け出して唐突に始まる別ゲー」となってしまうと私は感じてしまうのです。

私はTRPGの魅力は、キャラクターの視点で物語を体験できることだと考えています。基本的には会話を主体にしてロールプレイを展開したいというわけですね。あくまでも私主体の考えであるというのが前提であることをお忘れなく。

没入感が途切れる探索要素

一般的な考え方がプレイヤー=キャラクターではないことは理解していますが、私は如何にキャラクターとプレイヤーをシンクロさせるかを重要視しています。その方が物語の登場人物として没入感が得られるのです。

そうやってキャラクターの思考や感情を仮想体験している途中で、メタ的な発言があると没入感が薄れてしまいます。

探索型ゲームは、明示的に没入感を解いて、プレイヤーがゲームプレイを強要されてしまう側面があります。どこへ移動するか、どこを調べるか、それらを宣言しないと探索が進みません。

それをロールプレイと切り離して楽しめるなら良いのですが、私は切り離せず、「せっかくおままごとを楽しんでいたのに急に引き剝がされてつまらない作業を要求された」という感覚になってしまうんですよね。

しかも、厄介なことに私はせっかちな性格で、すぐに結論を求めてしまいがちです。そのため、緻密に情報を積み上げて真実を追及するような探索要素や、プレイヤーの思考と推理で真実を見つけ出すような謎解き要素、推理要素が苦手なんです。

10秒考えて分からないなら「いいから答えを教えてくれ」となる性格なんです。圧倒的に探索と謎解きに向いていない。それらをやるならコンシューマーでやった方が楽しいと考えちゃいます。

つまりCoC、エモクロアなどの探索系システムは私とかなり相性が悪いです。どれだけ良いシナリオも探索する場面になった途端にTRPGに求めている没入感から引き離されてしまいますから。。。

逆にシノビガミやインセイン、マギカロギアのようなシーン制システムはキャラの台詞と感情表現だけに集中できます。しかも判定の特技すらプレイヤーの自由です。ロールプレイを阻害するものは何もありません。

待てーい、シノビガミの戦闘は没入感を削ぐぞ?

ここで疑問が生じますよね。シノビガミやマギカロギアの戦闘シーンは、どう考えてもキャラクターの台詞や思考だけでは成立しない場面です。

先程の話をトータルすると、私はシノビガミやマギカロギアの戦闘シーンで探索要素と同じ苦痛感を味わすことになります。お前さっきシノビガミ好きって言ってたよな。二枚舌かおぉい。

と、これは確かにそうなんです。でも不思議と私はこれを楽しめています。その理由について考察してみましょう。

純粋にゲームとして面白い

シノビガミの戦闘って、プロットの読み合い、リソースの管理、一つ一つの判定のランダム要素に対するひりつき感……これらが間延びせず、楽しい体験が濃密に詰まっています。

探索パートと同じく「おままごとから別ゲーへ」という切り替えなんですが、その「別ゲー」が超絶面白いから許せちゃうんです。

マギカロギアも同様です。ゲーム性がめちゃくちゃおもしろい。逆にインセインはゲーム性が大雑把すぎて戦闘シーンは少し苦手気味です。ダブルクロスは……まだ慣れてなくて全力で楽しむところまで到達できていないかもしれません。

戦闘シーンをキャラ表現の場としている

実は私は凝った構成をあまり作らず、シンプルなキャラ構成が多いです。データ派のイメージがある方は残念でしたー。私はめちゃくちゃ構成オンチのデータ弱者です!

戦闘中もキャラへの没入感を切らさないようにして、メインはキャラクターの思考や感情であり、戦闘に対するプレイヤーとしての思考は二の次三の次だからです。

そのため、戦闘中もロールプレイをたくさんしますし、戦略面で思考を巡らせることはほとんどありません(10秒悩めば長考です)。

シノビガミの正しい裁定とかも全然気にしません。裁定考えるのに5秒時間使うならロールプレイに使います。そういうタイプというわけです。

戦闘と没入感のあるロールプレイの両立は可能です。むしろ、戦闘シーンこそキャラクターの本質が最も表れる場面だと捉えています。回想シーンや奥義描写などはその代表といえるでしょう。

ただ、それはシステムがロールプレイを阻害しない設計になっていることが条件です。

それぞれのTRPGを遊ぶ上でのウェイトをどこに置くか

TRPGの遊び方は本当に多様で、それぞれのプレイヤーが重視するポイントも異なります。ここで少し、TRPGにおける様々な「楽しさのウェイト」について考えてみましょう。

プレイスタイルの多様性

TRPGの楽しみ方を分類すると以下のような軸で分けられるでしょう。

  1. ロールプレイ重視型:キャラクターになりきることを最優先し、感情や関係性を深く表現することに喜びを感じるタイプ。私はこちらです。
  2. ストーリー重視型:物語の展開や結末に興味があり、その過程で起こる出来事やドラマ性を楽しむタイプ。一歩引いた視点でどんな結末になるのか、どんな展開が待っているのかというワクワク感を大切にする。
  3. 探索・謎解き重視型:情報を集め、謎を解き明かしていくプロセスを楽しむタイプ。真相に迫っていく過程でのプレイヤーの思考や推理が醍醐味です。CoCやエモクロアの醍醐味はここにあるのかも。
  4. バトル・ゲーム性重視型:システムのルールを使いこなし、戦略的に勝利することを楽しむタイプ。プレイヤーの判断力や戦略思考が問われる場面で楽しさを見いだせる。
  5. 世界観没入型:システムやルールよりも、その世界に存在することを楽しむタイプ。詳細な設定やリアリティある描写に惹かれます。

これらのプレイスタイルの好みによって、相性の良いシステムも変わってきます。例えば一例ですが

  1. シノビガミ、マギカロギア:ロールプレイとバトルのバランスが良く、短時間で濃密な体験ができる
  2. CoC、エモクロア:探索・謎解きを中心に、恐怖体験を共有できる
  3. ソード・ワールド:冒険とバトルを通じて戦略性やキャラクターの成長を楽しめる
  4. ダブルクロス:超能力バトルとドラマ性を両立。複雑なデータを理解しコンボや演出を楽しむ
  5. ネクロニカ:独特の世界観と物語性を重視している

私の場合、キャラへの没入感、感情、映画のような体験やドラマ性を求めています。逆にそこから引き剥がされるパートが苦手で、特に細かい探索や推理は苦行だと感じてしまいます。

ただし、駆け引きが熱いゲーム性の深いシステム(シノビガミやマギカロギアの戦闘)などは楽しめます。これはゲーム部分の質が高く、没入感を損なわない形で設計されているからなのかもしれませんね。

いろいろとブログを弄ってました

特に変わったのが目次です。

他にもいろいろなデザインを追加して使えるようにしてみました。例えば

強調ブロック

点線角丸ブロック

ヒントボックス

引用ブロック

  • リスト1
  • リスト2
  • リスト3

などなど、こういうデザイン考えるの楽しいですね。

初心者チュートリアルに必要なのは「前提」と「質問」という話

どんな趣味の世界も、時間とともに自然と年を取っていきます。若い頃には月に20回もセッションをこなしていた人たちが、徐々に活動を減らしたり、別の趣味に移ったりしていくものです。

そのままでは規模が縮小し、いわゆる「限界集落」状態になってしまいます。そのため、初心者の勧誘や牽引はどんなコミュニティでも必須といえるでしょう。だからもっとお前らシノビガミをやるんだよ!

こんにちは、シノビガミ以外は永遠の初心者のふれのです。今回は私が自負するプレゼンの得意分野、シノビガミのインストラクション手法をご紹介します。

「触らせてナンボ」がトレンド

現代のゲームチュートリアルに多いのは、実際に操作させながら要素を学ばせる方法です。わざわざ特別なチュートリアルモードを用意せず、実際のプレイの中で徐々に操作を増やしていくスタイルが主流になっています。気がつけば教えられることがなくなり、いつの間にか独り立ちしているという感覚を味わえます。

理由は簡単。現在人は長々としたチュートリアルテキストを読んでくれません。「いいから触らせろ、操作させろ」というのが現代のゲームチュートリアルのトレンドなのです。

なぜ実践型が効果的なのか
・プレイヤーは長い説明文を読みたがらない
・実際に操作することで体感的に理解できる
・徐々に学びながら自然に上達していく感覚が得られる

このアプローチはTRPGでも同様です。丁寧にチュートリアルを行うと、キャラクター作成と世界観の説明、ルールの説明だけで一日丸々使えてしまいます。特にシノビガミ、マギカロギア、ダブルクロスのようなデータ重視のシステムでは、キャラメイクからして結構ハードル高いです。

しかも、ここで問題となるのは「キャラクターを作っている時点では、まだゲームを遊んだことがない」という状況です。どのような構成にすべきか、どのようなデータを持たせるか、流派や経歴、シンドロームをどう決めるか、いくら口頭で説明を聞いても具体的にイメージできません。

そこで私が提案するのは、「いっそ慣れるまでデータはサンプルで良い」というアプローチです。流派や職業はイメージだけで決めてしまいましょう。例えば「知的な科学者っぽいRPがしたい」なら、斜歯忍軍のような漠然としたイメージだけで十分です。

データは公式が用意しているサンプルキャラをそのまま使うか、GMが事前に用意しておくとよいでしょう。中に書いてあるテキストや効果がまったく理解できなくても大丈夫です。私が初心者の方にチュートリアルを行う際は、流派とキャラクター性だけを決めさせ、

その他の要素は除外するようにしています。この時点ではシノビガミのルールなど分かるはずがないので、効果を読まなくても問題ないのです。まずは遊ばせることを最優先にします。セッション日までに余計なことを考える必要はなし。

こうして迎えたセッション日

さて、設定だけ決めたキャラクターが揃い、セッション当日となりました。ここでようやくチュートリアルに入っていくわけですが、意識すべきポイントは3つです。

  1. その場で必要なチュートリアルのみ行う
  2. 大前提を最初に話す
  3. 相手に質問させる

「その場で必要なチュートリアルのみ行う」というのは、多くの方が実践していると思います。

・判定が必要になったときに初めて判定方法を説明する
・戦闘シーンに入ってから戦闘ルールを説明する

一度に全てを説明すると記憶できないため、段階的に教えていくことが重要です。「何を説明するか」と同時に「何を説明しないか」も意識しましょう。

しかし、この手法にもう一手間加えることで、聞き手の理解はさらに進みます。それが「大前提を先に話す」ということです。例えばシノビガミの場合、導入シーンが終わって自由行動ができるところで「ではメインフェイズにできることを説明します。自分の手番になったら情報判定か感情判定か…」のような説明をすることがあります。

ここに一工夫加えましょう。この説明をする前に知っておくべき大前提を見つけ出します。この場合だと、シーン制(各キャラ交代、自分の行動数が決まっている)であることや、サイクル進行(3サイクルで終わる)などの説明を最初に大前提として伝えると、その後の理解が格段に速くなります。

シノビガミの世界観を説明する際も、個々の流派の説明をする前に「現代日本での異能バトルものです」という前提知識があるだけで、その後の理解度は大きく変わります。

戦闘シーンに入る前に、「プロットと行動手番を繰り返して、先に相手の生命力を0にした方が勝ち」という説明があれば、その後のプロットと諸々の説明が理解しやすくなります。

そして最後のステップが「相手に質問させる」です。説明の際に意図的に一部の詳細を省き、説明が一段落したところで質問を受け付けます。これは「質問を考える」行為を相手にさせるためのテクニックです。

相手が質問を考えるためには、これまでの説明を理解していなければなりません。ここで質問というプロセスを踏ませ、それに回答することで、最初からその内容について説明するよりも格段に理解度は高まります。自分の質問に対してパーソナルな回答をもらった感覚が生まれ、一方通行の解説ではなく双方向のコミュニケーションになるわけですね。

もちろん「質問はありません」と言われる場合もあるので、そのときは省略した箇所をどこかで補足する必要があります。ゲームを進めていく中で、関連する状況が来たらそのタイミングで改めて説明すれば良いのです。

これを繰り返して1回のセッションを終わると、遊びながら知識を蓄えられます。もちろん1回のセッションではまだ分からないことも多く残るでしょう。使われなかったルールも多々あると思います。

そういったルールは次に持ち越しです。しばらく遊びを繰り返していくと、ようやく「自分でキャラクターを作ってみたい、データを組んでみたい」という欲求が生まれます。そこで初めて自分でデータを作ってキャラメイクに挑戦しましょう。

個人的なデータゲーで自分でキャラを作るのにオススメの回数は3〜4回目からくらいです。それまではサンプルでいいですよ。

GMが初心者なら対立型、PLが初心者なら協力型

これはチュートリアルの手法ではなく、お勧めの考え方になりますが、初心者はGMの場合は対立型、プレイヤーの場合は協力型のシナリオをやるとよいでしょう。

シノビガミのGMに慣れていない初心者の方は、対立型のGMを担当し、経験者(信頼のある方が前提)をプレイヤーに置くと安心して遊べます。

対立型シナリオの特徴
・PC同士が対立する設定
・戦う理由や動機などをPCたちが演出して積極的に物語を作っていく
・GMは舞台装置としての役割が中心になる

対立型では、PC間が戦いの火ぶたを切り、プレイヤー自身が積極的に物語を作ります。そのため、GMが特に何もしなくても物語がある程度軌道に乗ってくれるため、初心者の方が困りにくいのです。もちろん、何らかの処理を行うことはあるでしょうが、経験者が居れば相談しながら進められます。

GMとしても様々な人の構成を見て、戦っている様子を観察し、多くのことを学べるでしょう。私も初心者の頃はGMとしてシナリオを回し、プレイヤーの方々に多くのことを教えてもらいました。

しかし、初心者プレイヤーに対立型はお勧めできません。なぜなら、ルールや世界観の理解だけで精一杯の中、「勝つためにはどうすれば良いか」というゲームをクリアするための攻略要素も考えなければならないからです。

さらには物語の深みが自分自身のロールプレイに強く依存します。うまくロールプレイできないと、戦う相手も共闘する味方も、何とも言えない白けた空気になりかねません。もちろん、シンプルにPvPが苦手、怖いという考えもあるでしょうし、初心者に対立型をお勧めできる要素はありません。断言します。対立はやるな!

一方、協力型は初心者プレイヤーにはうってつけです。

協力型シナリオの特徴
「黒幕を見つける」「ボスを倒す」など分かりやすい目標がある
シナリオ側で守るべきNPCや敵役NPCが用意されている
ロールプレイが苦手でも、ドラマチックな展開を観客として楽しめる
ルール理解だけに集中できる

黒幕を見つける、ボスを倒すという分かりやすい目的だけを見ればよいのです。ロールプレイがうまくできなくても、シナリオ側で守るべきヒロインや倒すべき敵役が登場するので、ドラマチックな展開を観客視点で楽しむことができます。自分のキャラクターが積極的に物語を作らなくてもよいのです。

あとはルールの理解だけに専念できます。受動的でも十分に物語を楽しめるのが協力型の良さです。

反面、初心者GMが協力型を回すのは少しハードルが高くなる可能性があります。なぜなら、ボスキャラを操作するのはGMだからです。敵が複数いれば複数のキャラクターを操作することになります。データの処理が多くなり初心者の方には負担となるでしょう。

そして敵役としてのボスキャラのロールプレイを担当するのもGMです。守るべきヒロインがいるならそのロールプレイもGM担当です。シナリオの展開、魅力的なキャラクターのロールプレイを通じて、セッションは熱く盛り上がります。

つまりGM次第で物語の没入感が大きく変わるのです。ただでさえルールの理解が曖昧な初心者GMの方に、それ以外の要素でいっぱいいっぱいになってしまうのは望ましくありません。

まとめ

ここでご紹介した手法は、TRPGのチュートリアルだけでなく、あらゆるプレゼンや説明で活用できます。

  1. 大前提を伝える
  2. 大まかな内容を説明する
  3. 必要な要素のみに絞った詳細を伝える
  4. 質問を待つ

この流れで説明することで、相手の理解度は格段に上がります。とにかく重要なのは、説明の内容を「大前提」「今話すこと」「質問待ち」に分解することです。これらのポイントを意識して、初心者にも分かりやすい説明を心がけてみてくださいね。

さて、シノビガミ初心者の方はいないかな〜回すよ〜ぜろゆめ〜

シノビガミでドラマ性と攻略性を両立せよ

はじめに

タイトルがもう答えなのですが、シノビガミに限らずTRPGはこの「ドラマ性」と「攻略性」という二つの軸足で遊ぶ場合がほとんどです。この二つのバランスは人それぞれで、どちらが正解というわけではありません。

ただ、シノビガミは特にこの二つの要素への優先度が界隈ごとに大きく異なる印象があります。本日はこの2要素について考えてみましょう。

どうも、君にロマンティックを捧ぐふれのです。ではよーいスタート!

ドラマ性と攻略性とは

ドラマ性は、ロールプレイや演出、キャラクターの感情や目的、物語をよく噛み締めて楽しむ感覚です。
対して攻略性は、シナリオをクリアするため、戦闘に勝利するための要素、ゲームを攻略するための視点です。

これら二つの軸足はどちらかだけでは成り立たず、両足で地面を踏みしめてこそ安定するものです。ただ、プレイヤーによって「どっちをどれくらい重視するか」が違うんですね。

「100ポイントのステータスをこの二つに自由に割り振ってください」と言われたらどう割り振るか、という感覚ですね。私だとドラマ70、攻略性30くらいになります。

ドラマ性重視の遊び方

「ゲームを攻略するなら絶対こっちのルートを選ぶべきなんだけど、このキャラクターはこっちを選んじゃうわ」というのはドラマ性を重視しているから起きる話でしょう。キャラクターによっては見えている地雷を敢えて踏みにいくことがあるかもしれません。

ドラマ派の特徴

  • キャラクターの立ち絵や差分にこだわる
  • 回想シーンや奥義の演出に時間をかける
  • キャラクター同士の関係性を大切にする
  • ロールプレイを深く楽しむ

ドラマ性を優先する方は、構成を極めるよりも、セッション中にいかにして自分のキャラクターを表現するか、他キャラクターと濃密な時間を紡ぐか、一つ一つのシーンを噛み締めて大切にするか、といったことを重視します。

例えば立ち絵を描いたり、戦闘差分を用意するのもその一つですし、回想や奥義でたっぷり時間をかけて凝った演出を行ったりします。筆者は割と回想シーンでドラマを展開するタイプですが、10分以上の時間をいただくこともあったりします。

ドラマ性を重視するプレイヤーが気をつけたいこと

ドラマ性を重視する場合、つい演出や感情表現に熱が入りすぎて、他のプレイヤーの時間を奪ってしまうことがあります。たっぷりロールプレイにのめり込むドラマシーンは楽しいものですが、「全員の時間」を使っていることを意識しましょう。

自分のキャラクター設定の一人語りが他プレイヤーにとっても楽しい時間とは限りません。ちゃんと魅力的なキャラクターになっているか、その魅力を表現できているかは要チェックです。ジャイアンリサイタルになってはいけませんからね。

攻略性重視の遊び方

データが豊富なシステムであるシノビガミは、この攻略性に比重を置く人が多いという特徴があります。クライマックスフェイズで必ず戦闘がありますから。そして多くの場合において、ここで勝たないと使命達成にはならないのです。

攻略派の特徴:

  • 効率的な忍法構成を考える
  • 複雑なコンボやテクニックを追求する
  • 戦略的に有利な行動を選択する
  • 忍法の裁定やレギュレーションなどを細かく定める
  • 「模擬戦」と呼ばれるスタイルを好む場合もある

攻略性を重視する方は、忍法構成での個性が光ります。強さや弱さだけではなく、構成の複雑さ、忍法同士の組み合わせによるコンボ性を重視される方もいらっしゃいますね。

セッション中も自分の使命達成がしやすいように有利となる行動を積極的に考えていくでしょう。この攻略要素を極めた遊び方が「模擬戦」と呼ばれるスタイルになるわけです。

そして戦略性を大事にするため、レギュレーションを細かく定めていたり、平等になるように裁定を工夫されていることが多い印象があります。

攻略性を重視するプレイヤーが気をつけたいこと

攻略性を重視する場合、「最適解」を他のプレイヤーに押し付けないよう注意しましょう。明らかに効率的ではないプレイには思わず指摘したくなってしまうかもしれません。が、そんなものは相手は望んでいない可能性があります。

「その選択は非効率だよ」と指摘するのではなく、「別の選択肢もあるけど、どうする?」というような声かけの方が場の空気を壊しません。

コミュニケーションの重要性

事前の擦り合わせ

セッションを始める前に、参加者全員で「どんな遊び方を望んでいるか」を話し合いましょう。

  • このセッションはどのくらいロールプレイ重視か
  • 忍法構成のレベル、ガチ構成かカジュアルか
  • 一つのドラマシーンにどのくらい時間をかけるか
  • キャラクター同士の交流はどのくらい大切にするか
  • どのようなレギュレーション、裁定になっているか

こうした点をあらかじめ話し合っておくことで、プレイ中の「ズレ」を減らすことができます。

「交通事故」を防ぐために

プレイスタイルの違いから生じる「交通事故」を防ぐために、以下のようなコミュニケーションを心がけましょう。これは特に野良でセッションする機会ができた場合には重要視したいです。

  1. 自分のプレイスタイルを伝える
    「私はキャラクターの感情表現を大切にしたいタイプです」「データを考えるのが好きです」と伝えることで、互いの理解が深まります。そして大事にしている部分がズレていないかを確かめられます。
  2. 違いを認め合う
    自分と異なるプレイスタイルを「間違っている」と切り捨てず、「異なる楽しみ方」として尊重しましょう。どうしても合わない場合は仕方がないです。
  3. 折り合いをつける
    完全に自分の好みだけを通そうとせず、お互いが少しずつ譲歩して中間点を見つけることも大切です。
  4. GMの役割
    GMは参加者のプレイスタイルを把握し、バランスを取る役割も担います。必要に応じてロールプレイを巻いて「そろそろ次に進みましょう」と進行を促したり、「今回はこのように処理します」と平等な裁定を考えたりなど行うと良いでしょう。

バランスが大切

実はどちらの視点も完全に切り離せるものではありません。ドラマ派の人も戦闘で負けてしまうと大切なキャラクターが酷い目に遭ってしまうかもしれないので、ある程度の戦闘力は必要です。攻略派の人も、キャラクターの魅力があってこそのゲームなので、ドラマ性を無視することはできません。

繰り返しになりますが、これは右か左かの選択ではなく、どのくらいの比重を置くかの「バランス」の話です。ドラマ性を重視している方でも攻略要素は考えざるを得ませんし、攻略重視の方もドラマ性に一切関わらないことはないはずです。

大切なのは、テーブルに集まるプレイヤー同士の「バランス感覚」が近いことです。ドラマ重視の人と攻略重視の人が一緒にプレイすると、時に「交通事故」が起きることも……。セッション前に「どんな遊び方がしたいか」を話し合っておくと良いですね。

ふれのはキャラクターへの没入を大切しており、ドラマ性を求める節が強いです。細かい処理とか攻略のための手順とかを考えるのは苦手で「いいじゃんさっさと進もうぜ」と思考停止になりがり。とはいえデータ面にもそれなりに明るいのでどちらも楽しめる土台はあります。

自分のプレイスタイルを知る

PLとしての優先度を客観視してみよう

自分がどのようなプレイヤーなのかを知ってみましょう。以下の質問を見て、どこに比重を置いているのか改めて自分で整理してみましょう。それぞれに配点をつけてドラマ性◯%、攻略性◯%とかになるように作っても良かったのですが、流石に面倒だったので省略!!

セッション中、どんな瞬間が一番楽しいですか?

  • キャラクター同士の会話や交流
  • 戦闘で強力なコンボを決めたとき
  • 感動的なシーンを演出できたとき
  • 難しい状況を戦略的に切り抜けたとき

キャラクター作成時に一番時間をかけるのは?

  • 背景設定や人間関係
  • 忍法構成やコンボの組み立て
  • キャラクターの性格や価値観
  • 他キャラクターとの関係性、すり合わせ
  • 立ち絵を描く

他のプレイヤーのどんな行動が魅力的に思いますか?

  • とても感情豊かな演技力のあるロールプレイ
  • 場面が頭に浮かぶようなシーン演出
  • 効果的で最適な戦術や戦略
  • 個性的なキャラクター設定
  • 円滑なセッション進行、提案
  • 素敵な立ち絵

セッション中のどのような要素で「うーん」と感じますか?

  • 自分のキャラクターがうまく表現できなかった
  • 戦闘バランスが悪いシナリオ、GMの裁定
  • 同卓者が立ち絵を描いてこなかった
  • 同卓者がガチ構成、又はあまりにも弱すぎる構成で来た
  • 同卓者の長考や長いロールプレイで時間を奪われた

こういった質問に対して優先度を確認してみると、自分がどちらの要素を重視しているかが見えてくるでしょう。

GMとしての配慮

GMとしても参加者のプレイスタイルに合わせた配慮を行うとより良いセッションに繋げられます。

  • ドラマ重視のプレイヤーには:NPCからヒアリングを行うなどして、キャラクターの感情や背景を掘り下げる機会を提供する、ドラマシーンや演出の時間を十分に確保する。
  • 攻略重視のプレイヤーには:PCたちのキャラクターシートに合わせて、敵のエネミーデータを調整して歯ごたえのある難易度を提供、PC間の戦闘バランスや平等な裁定に気を配る。

ふれシを遊ぶ方の趣向は?

あなたはドラマ性と攻略性をどのような塩梅で割り振りますか? もちろん人によるというのが前提ではありますが、私のシナリオを遊んでいる方はかなり「ドラマ性重視」で遊んでいる方が多いように思います。

以前にアンケートへの回答記事を書きましたが、その記事内にもある「ドラマ性を重視する方は女性が多い」「攻略性を重視する方は男性が多い」というものにも繋がってきます。もちろん数値だけで図るつもりはありませんが、事実として私のシナリオ購入者は7割が女性です。

シノビガミにおいて、ドラマ性と攻略性はどちらも欠かせない要素です。極端に片方だけを重視するのではなく、自分にとって心地よいバランスを見つけることが、楽しくプレイするコツとなります。そして何より大切なのは、異なる楽しみ方をするプレイヤー同士が互いを尊重し、理解し合うことです。

いろいろ語りましたが、分かっている方からすれば当たり前の話。これからもこのあたりのバランスに優れたシナリオを書いていきたいなあと思ったのでした。ふれのでした。