一般的なシノビガミの舞台である現代日本ではなく、まったく違う歴史や文化を持った新世界《アルア》が舞台です。「剣と魔法と女神様」といったハイファンタジー感の強い世界観となります。

アルアの大きな特徴に、女神への信仰があげられます。シノビの異能を持つ者は、女神の末裔《神子》と呼ばれ崇拝されており、異能を持つ者は影の世界ではなく、堂々と表舞台で活躍し、アルアは神子が持つ異能を用いて、生活を豊かにしています。例えば火術で火を起こす、怪力で畑を耕す、対人術での交流などです。その反面、機械文明は現代の日本ほど発展していません。

中世～近世ヨーロッパくらいの文明レベルをイメージしています。

ですが、そのアルアで生きるための土地や資源、食料などは年々枯渇しつつあり、《レスト王国》と《グラディ帝国》は資源を巡り、緊張関係にあります。後述の《バラカイン大教国》が強い影響力を持っているため、王国と帝国の戦争は抑止されてきましたが、その平和維持もいつまで続くか分からないと言われています。

アルアは女神が創世した世界であると言い伝えられており、創世神である女神は信仰の対象です。人々は女神に願いを込め、祈りを捧げながら日々を生きています。

アルアの最果てには、世界樹と呼ばれる巨大な木があり、その頂には、神々が暮らす理想郷があると言われています。そこは、見渡す限り一面に広がる大草原。美しい森に湖、見たこともないような不思議な建造物。昼を夜に、晴れを雨に、望んだことが何でも叶う夢の世界。ですが、理想郷に辿り着いた者はおらず、その存在は伝説とされています。

女神は、理想郷よりアルアという世界を創世。
天にまで続く世界樹を植えた。
世界樹は、アルアに生命を振り撒く。
海、生物、人、文明、世界に生まれゆく。

だが、人間たちは互いに奪い合い、
争い続け、存続の危機に立たされてしまう。
哀れに思った女神は、自らの子「神子」を地上へ遣わした。

神子は、戦いを納め、人々を導き、世界に恵みをもたらした。

アルアにおいて、もう一つ崇拝の対象とされているのが「神子」です。かつて人々が争い合い、全滅してしまいそうなとき、女神は異能を持った自らの子たちを遣わしたとされています。神子は争いを鎮めると、人々を導いたという伝説です。

現代においても、異能を開花させた者は神子と呼ばれ、アルアを導く女神の末裔として崇拝されています。この神子が、通常のシノビガミ世界観におけるシノビに相当します。六大流派は存在しませんが、代わりにすべての神子たちを統括しているのがバラカイン大教国です。

神子が崇拝される一方で、制御できない異能で破滅をもたらす者も存在します。通常の神子が宿す力とは似て非なる森羅万象の力を宿す存在。「忌子」と呼ばれる彼らは、文字通り人々から忌み嫌われています。

「バラカイン大教国」は、女神神話の教えに重きを置く国です。女神神話が信仰されるアルアにおいて、大教国は強い支持を集め、多くの賛同者が集っています。
教団のトップである大司教「ソフィ」は、女神に近い血縁を持つとされ、その力は一人で数万の兵にも打ち勝てるとの噂もあるほどです。巨大な教会は、他国の民たちでも参拝できるように開放しており、貧しい人々や難民などを受け入れ、民たちへの配給も行っています。大きな軍事力と、大衆の支持を両立する大教国は、実質的なアルアの最大権力です。

さらに教会に隣接するように、全寮制の学校「アカデミア」が存在します。アカデミアはアルア中の神子たちを招集し、３年間かけて異能教育を施しています。帝国や王国出身の者も、異能が顕現した場合には、アカデミアへ預けられ、そこで教育を受ける制度になっています。
教科は、アルアの歴史に物理や数学といった学術から、異能の制御や戦闘、政治学まで多岐にわたります。

また、神子は単独よりも、ペアの方が高いパフォーマンスを発揮するため、殆どの神子は、学生生活で自らの相棒（デュアル）となる神子と出会い、そのまま互いに高め合いながら成長していきます。
こうして異能の制御を覚えながら大人になり、一人前となった神子は、アルアを導いていきます。ＰＣたちの物語は、このアカデミアでの学生生活から始まるのです。

ですが、この大教国による統治を受け入れず、女神信仰に反発する《クリフォト》というテロリスト集団が存在します。クリフォトは残虐の限りを尽くす連中で、村や町を襲って資源を強奪したり、権力を持つ貴族を暗殺したりなどして、世間を恐怖や混乱に陥れています。
大教国では勿論、帝国や王国でも共通の敵として認識され、すべての神子にとって仇敵とされています。

■女神
アルアを創ったと言い伝えられている創世神。人々はこの女神を信仰し、祈りを捧げている。

■世界樹
女神がアルアの創世時に植えたとされる、天まで続く巨大な木。頂には、理想郷があると伝えられている。

■神子（みこ）
異能（シノビの力）を持った者。女神の末裔とされ崇拝されている。アカデミアで力の制御を覚え、アルアを導くために振るう。

■忌子（いみご）
通常の異能とは異なる森羅万象の力を宿す存在。その力でアルアに破滅をもたらすとされており、人々から忌み嫌われている。

■妖魔
異形の怪物やそれに類似する力を持つ存在。通常のシノビガミの世界観ほど人々に恐れられてはおらず、文化の違う他種族として扱われている。人里に溶け込んでいる妖魔も居れば、ひっそりと山奥で過ごす妖魔まで千差万別。

■バラカイン大教国
三大国家の一つ。巨大な教会を中心とした実質的なアルアの統治組織で、大司教ソフィがトップを務め、人々に女神の教えを伝えている。アカデミアにて神子の招集と育成を行い、難民の受け入れや保護なども行っている。
ＰＣ３、クリスは大教国の出身。

■アカデミア
大教国の教会に隣接する教育機関。神子の育成を行っている。術の制御や戦闘訓練だけでなく、歴史や政治経済、数学などの学問も学ぶ。

■グラディ帝国
三大国家の一つ。乾燥した砂漠地域が広がる土地柄のため、多くの遺跡が出土する。農作物は非常に育ちにくいが、鉱物の発掘が盛んであり、帝都には有名な温泉地がある。

■オルドの町
エヴァンが領主を務めるグラディ帝国南部の港町。グラディ帝国内で最も海洋資源に恵まれた町であり、「水の都」と呼ばれている。ＰＣ２、エヴァン、ステラの出身地。

■レスト王国
三大国家の一つ。アルアでも有数の壮大な自然地帯が広がる地域で、芸術や文学も発展している。滅びゆくアルアの中では最も豊潤な土地だが、それでも作物の収穫量は減少の一途を辿っている。

■マーテル村
レスト王国北部に位置する山々に囲まれた小さな村。様々な農作物を出荷しているが、特に紅茶の名産地となっている。ＰＣ１が生まれ育った出身地。

■クリフォト
大教国による統治や、女神信仰に反発するテロリスト集団。殺人や強盗など暴虐の限りを尽くしており、三大国家共通の敵勢力。