TTRPG.JPの「無断翻訳機能」問題。対応は「誠意」しかない
つい先日、TTRPG.JPくんがやらかしてしまい「言語切替」機能の実装により、プチ炎上してしまいました。
そもそもこのTTRPGってなんやねんって話でいうと、TRPGのポータルサイトなのですが、実は私も結構初期のころからインタビューを受けるなどして立ち上げの方向性には携わっていたりします。なのでどうしてもひいき目に見てしまうというか、応援したい気持ちがあるんですよね。
しかし、そんな私でも感化できない事件が起きてしまいました。そして運営への信頼を失墜させるような状態になりつつあります。どうしてこうなった。私も結構呆れ顔になってます。
ただ、サービスの黎明期から応援してきた身です。テオトピアが死んだときには終わった後にしか書けませんでしたが、TTPRGは2026.6時点でまだ現役、まだ間に合います。
今から誠心誠意対応すれば、まだこのサービスが返り咲く未来はある。と考えています。なので今回の騒動について、何が問題なのか、どういうところがシナリオ投稿者視点で怖いのか、なぜこの運営の在り方が怖いのか、などを分かりやすく解説します。
まだ間に合うと思ってるからこそ、結構強めにアクセル踏みます。付いてきてください。
あ、あくまでもいちシナリオ制作者から感じた個人の主観と感想に過ぎませんので、そこはご容赦を。法律とか経営学の専門家とかではないです。
どうも、アクセラレーションふれのです。ではよーい、スタート!
TTRPG.JPとは何か
まず、流石にTRPGのことが何も分からない人がこの記事見てるとは思いませんが、「テーブルトップRPG(Table-top Role-Playing Game)」の略で、ゲームマスター(GM)と呼ばれる進行役と、複数のプレイヤーが卓を囲んで会話形式で遊ぶゲームです。
そして、そんなTRPGには欠かせない「シナリオ」。ステージやストーリーに相当するものです。このシナリオを投稿するサイトとして、現在TRPGユーザーが最も多く利用しているのがBOOTH、次いでTALTOやpixivなどでしょうか?
しかし、これらのサービスが分散していることにより、シナリオがあちこちに散っており探すのが大変だ。BOOTHは最大手ではありますが、TRPG特化のサービスではないので、検索システムなどもTRPGに最適化されていません、
そこで満を持して登場したのが「TTRPG.JP」というサービスです。2025年12月にリリースされました。
コンセプトはシンプルで、「TRPGシナリオのポータルサイト」です。TALTOやBOOTHに散らばっているシナリオを一か所で探せるようにして、TRPGに特化した検索・レビュー・購入導線を整えよう、というものです。
サービスの名前が「TTRPG.JP」になっているのも示唆的で、日本のTRPGを代表するポータルを目指しているのがひと目で分かります。
ビジネスモデルとしては、シナリオの決済がこのサービスを通じて行われるようになれば、そこに手数料を乗せることで収益化できます。今はまだ先行投資フェーズで、コンテンツを集めながら認知を広げている段階です。
ただ、リリースから半年が経った現在、正直に言うと覇権は取れていません。TRPG界隈の標準的なプラットフォームにはなり切れておらず、利用者数もTALTOやBOOTHと比べれば少ない状況です。
そして、リリース半年というタイミングで「言語切り替え機能」が実装されました。
「言語切り替え機能」とは何か
企業のWebサイトや観光施設の案内ページなどでよく見かける、「日本語 / English」と切り替えられるアレです。ページ右上にボタンがあって、押すと英語表示になる。あのお馴染みの機能が、TTRPG.JPにも実装されたという話です。
これだけ聞けば、良い取り組みに聞こえます。海外のTRPGファンが日本のシナリオに興味を持ったとき、日本語のまま見るよりも英語で読めた方がずっとアクセスしやすくなります。「日本のTRPGを世界に届けたい」という運営の意図も、それ自体は理解できます。
昨今のブラウザにはGoogle翻訳のような自動翻訳機能が標準搭載されているので、「ブラウザを使えばすでに翻訳できるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。でも、サービス側が公式に用意した言語切り替えには、ブラウザ翻訳にはない「公式感」「安心感」があります。
運営が用意した翻訳なんだから、正しい内容に違いないと読者は感じます。
この「安心感」というポイントが、実は今回の問題の核心につながっています。
実は機能がリリースされたとき、私は「ああ、メニューとか検索画面とかのUI部分が英語に対応したのね」と思っていました。ポータルサイトの多言語化というのは普通そういうものだろう、と。
ところが、しばらくして界隈がざわついているのを見て、確認してみると、投稿されているすべての作品テキストが英語に翻訳されていたのです。私はこのサービスに英語版のシナリオを投稿した覚えがありません。そもそも英語版なんて作っていません。
しばらく経つとTTRPG.JPから公式告知があったのですが、Google翻訳等の機械翻訳ツールを使い、投稿されているすべてのシナリオを一括で自動翻訳していた。ということを公開しました。
今回アップデートした英語表示は、弊社が翻訳・監修した正式な英語版ではなく、Google翻訳を利用した表示切り替え機能として導入したものです。
一方で、先ほどの投稿の表現では、正式な英語版を提供しているように見える可能性があり、説明が不十分でした。
今後は、Google翻訳による機械翻訳表示であることが分かるよう、サービス上の表記や案内を見直してまいります。
そしてこれは明言されていませんが、その翻訳版テキストはその場のリアルタイム翻訳ではなく、翻訳版をサービスのサーバーに保存・配信していると思われます。
つまり、作者への事前連絡なし、個別の同意なし、で全作品の翻訳版が公開された。
これが今回の問題の出発点です。
当然、シナリオ作者たちから「英語版の展開なんて許可した覚えないけど?」「私の作品をAIで勝手に翻訳して公開したの?」という声が上がり、プチ炎上が起きました。
「プチ」という言葉が付くのは、TTRPG.JP自体がまだ業界の主流サービスではなく、影響を受けた作者の絶対数も多くなかったからです。悲しいね。とはいえ界隈の中では確実に話題になりました。
実際に私のシナリオがどう翻訳されていたか
さっそく自分の作品を確認しに行こうー!
私が投稿しているシナリオのひとつに「零は機械仕掛の夢を」というシリーズがあります。タイトルの「零(ぜろ)」は作中キャラクターの「ゼロ」が元になっています。その翻訳結果がこちら。
……同じシリーズなのに、片方は「Rei」、もう片方は「Zero」になっています。同じキャラクター名であることが反映されていない。まあ機械翻訳の精度としてはまあ予想の範囲内ですが、作品として見たときに「ぜろ」と「れい」が別人扱いになっているというのは、地味に笑えない話です。
精度の問題は一旦脇に置いても、この翻訳版が持つ「公式っぽさ」は深刻です。読者は「サービス側が用意した言語切り替え=公式情報」と受け取ります。機械翻訳で多少ニュアンスが変わっていても、「これが正規の英語版なんだろう」と思いながら読み進めてしまう。
要約すると質の保証もなく、作者の確認もないまま、「公式っぽい外見」を持った機械翻訳版が世界に向けて公開された状態になっている。
ブラウザ翻訳と何が違うの?
「どうせブラウザに翻訳機能があるんだから、サービス側でやっても同じことでしょ?」という話もあります。確かに今どきどんなブラウザにも翻訳機能はありますし、私も英語のサイトを見る時は愛用しています。
しかし、これらは同じではないんですねえ。これは表面上そう見えても、実態は根本的に違います。
| 比較項目 | ブラウザ翻訳 | TTRPG.JPの翻訳機能 |
|---|---|---|
| 翻訳をする主体 | ユーザー自身 | 運営(TTRPG.JP) |
| データをどこで持つか | ユーザーの端末内(一時的) | TTRPG.JPのサーバー(恒常的) |
| 誰が見られるか | 翻訳した本人のみ | 世界中の誰でも |
| 検索エンジンに載るか | 載らない | 載りうる |
最大の違いは「誰が翻訳の主体になるか」です。
ブラウザ翻訳は、あなたが個人的に「このページを翻訳して表示して」とブラウザに頼む行為です。翻訳結果はあなたの画面にだけ表示され、他の誰かに公開されるわけではありません。
一方TTRPG.JPのやったことは、サービス側が翻訳したデータをサーバーに保存し、日本語/英語の切り替えボタンで誰でもアクセスできる形で公開するということです。これは「翻訳コンテンツの生成と配信」を運営が行っていることになります。
つまりブラウザ翻訳は「あなたが自分のために使うフィルター」、TTRPG.JPの翻訳は「運営が作って世界に向けて公開した別バージョンのコンテンツ」。これは全く別の話です。
「サーバーに保存されているかどうか」がなぜ重要なのか、これをもう少し掘り下げます。
GoogleなどのサーチエンジンはWeb上のページを「クローラー」と呼ばれるプログラムで自動巡回し、情報を収集して検索結果に反映させています。重要なのは、クローラーはページの中身が人間の書いた文章なのか機械翻訳なのかを区別しないという点です。サーバーに存在するページはすべて「等しく公式な情報」として扱われます。
つまり何が起きるかというと、機械翻訳によって生成されたシナリオの英語版ページが、Google検索の結果に表示されるようになります。海外のユーザーが日本のTRPGシナリオを検索したとき、誤訳だらけの機械翻訳版が「公式情報」として出てくる可能性があります。
さらに、将来作者が本物の英語版を用意したときです。すでにGoogleのインデックスには機械翻訳版が登録されているため、正規の英語版を出しても既存の誤訳版と検索順位を競合することになります。本来は新しい情報に更新されるべきなのに、過去の誤情報が邪魔をするわけです。これをSEO用語で「カニバリゼーション」と言います。
そして削除しても問題は残ります。Googleには「キャッシュ」という仕組みがあり、一度クロールしたページの内容はしばらくGoogleのサーバー内に保存され続けます。TTRPG.JPから翻訳版を削除しても、検索結果から完全に消えるまでにはタイムラグがあります。
まとめると、機械翻訳版がサーバーに存在するだけで、作者の知らないところで誤情報が「公式情報」として広まるリスクが生まれる。しかもそれは後から消そうとしても、すぐには消えない。
「翻訳者が誰か」という話
少し視点を変えて整理します。「シナリオの翻訳」には、だいたい3つのパターンが考えられます。
パターン1:作者自身が翻訳版を用意する これが一番理想的な形です。作者が責任を持って翻訳し、それをサービスが切り替えて表示する。内容は作者が保証しているし、誰も傷つかない。
パターン2:読者がブラウザ翻訳を使って読む 作者からすれば「できれば原文で読んでほしい」という気持ちがあるかもしれませんが、読み方を制限する権利は作者にありません。読者がどんな環境でページを見るかは自由です。
パターン3:プラットフォームが無断で翻訳して配信する これが今回のケースです。
翻訳の精度がAIだろうがGoogle翻訳だろうが、その点はある意味どうでもいいんです。問題の核心は「他人から預かった作品を、許可なく改変して、世界に向けて再配布した」という行為そのものにあります。
TRPG界隈では「改変禁止シナリオ」というのが話題になることがあります。そういった作品への配慮や議論があるような界隈で、その「改変」を今度はプラットフォーム側がやっている。しかも無断で、しかもサーバーに保存して世界に公開するような形で。これが今回の問題です。
「翻訳をした責任者が運営になっている」こと、そしてそれが読者に伝わっていないことが問題なわけですね。
規約に「翻訳可能」と書いてるから問題ないのか
ここで必ず出てくる論として「利用規約に同意してるんだから問題ないんじゃないの?」というものがあります。
確認してみましょう。TTRPG.JPの利用規約第8条3項にはこう書かれています(要旨):
ユーザーは、運営者に対し、本サービスの運営・改善・周知宣伝等の目的のために合理的に必要な範囲で、ユーザーコンテンツを無償で利用(複製、公衆送信、頒布、翻訳、要約、当社サイトやSNS・告知資料への掲載を含む)する非独占的な権利を、地域および期間の定めなく許諾するものとします。
はっきり「翻訳」と書かれています。さらに第5項では、ユーザーが著作者人格権を行使しない旨まで明記されています。
著作権法上、翻訳は「翻案」という行為に該当し、本来は著作権者(作者)の専有権です。無断で翻訳することは原則として許されません。でも規約でこれほど明確に書かれているなら、「規約に同意した時点でOKを出したことになる」という解釈は成立しうる。
では、これで法的にはすべて解決かというと、そう単純ではありません。いくつかの問題が残ります。
まず、同意の有効性の問題です。「シナリオ投稿サービスに登録する」という行為をした際、「自分の全作品が英語に機械翻訳されて世界公開される」と普通の人が具体的に想定できたか、という話です。規約に書いてあっても、ユーザーが本当に理解していなかった場合、その包括的な同意が有効と認められるかは争いになりえます。
次に、著作者人格権(同一性保持権)の問題です。著作者人格権というのは、作者が持つ「自分の作品が意図しない形に改変されることを拒否できる権利」です。これは規約で「不行使にします」と書いても、完全には消せないとされています。機械翻訳による誤訳でキャラクターのニュアンスや世界観が崩れた場合、同一性保持権の侵害として訴える余地が残ります。
さらに4項では「作品ページのスクリーンショット掲載や特集ページへの引用」が例として挙げられていますが、全文一括機械翻訳をそこに含めるのは解釈としてかなり無理があります。
……まあ、そもそも法的にセーフかアウトかの問題より、「こんなことをする気だったなら、なぜ最初に説明しなかったのか」という不誠実さの問題が大きいんですよね。
そして、規約に「翻訳」と明記されているということは、サービス開始の時点からこれをやるつもりだったということです。それが事前に告知されなかった理由は……猛反発を受けると分かっていたから、でしょう。規約という「小さな文字」に埋め込んで、ユーザーに気づかれないまま進めようとした。
これを「騙し討ち」と言わずに何と言うのか。
炎上後の運営の回答から分かる「翻訳は続けるぞ」感
プチ炎上を受けて、TTRPG.JPの運営はどう回答したのか。先程ツイッターの回答を載せましたが、
その回答は「今後は、Google翻訳による機械翻訳表示であることが分かるよう、サービス上の表記や案内を見直してまいります。」というものでした。
これを言い換えると
- 機械翻訳をやめるつもりはない
- サーバーに保存した翻訳データを削除するつもりもない
- 悪かったのは「誤解を招くUI」であって、「無断翻訳したこと」ではない
という立場です。「問題はUIだけ、翻訳行為そのものは悪くない」と言っているわけです。
これを聞いて私が正直に思ったのは、「このサービスはユーザーの声を聞く気がない」ということです。作者側が「勝手に翻訳された、コントロールを失った」と感じているのに対して、「翻訳は続ける、ただ機械翻訳だと分かるようにする」では、根本的な問題は何も解決されていません。
「自分たちの思い通りに進めるために、ユーザーを黙らせる最低限の対応をする」そういう姿勢にしか見えないのです。少なくとも発信している情報ではそのように思われても仕方がないわけです。
TTRPG.JPが勝つには、TRPG民と共存するということ
ここで少し視点を引いて、このサービスのビジネス的な立ち位置を考えてみます。
TTRPG.JPがやりたいことは明確です。日本のTRPGコンテンツを一手に集めるポータルになり、シナリオの決済が集まる場所になることで、手数料収入を得ること。長期的には日本のTRPGシーンの「インフラ」になることを目指しているのでしょう。
そのためには今、とにかくコンテンツを集め、ユーザーを増やし、界隈に定着してもらう必要があります。海外展開を見据えているのも、市場を広げるためには合理的な判断です。
理屈としては分かる。分かるんですが……。
TRPGコミュニティというのは、めちゃくちゃ面倒くさい集団なんですよ。
これは批判ではなく、私を含めた客観的な視点です。
TRPGを真剣にやっている人たちは、こだわりが非常に強い。ちょっとした意見の違いでも熱心に議論をするし、作者の世界観やキャラクターへの拘りは時にユーザーを巻き込んで複雑な問題を起こす。そして、サービスやプラットフォームに対する不透明な動きへの嗅覚が鋭く、「おかしいんじゃないか」と感じたときの反応が素早い。
TTRPG.JPのサービスインのときに、あれだけ色んなところで叩かれたでしょう? 今回は本筋じゃないのでカットしますが、このサービスって開始時にも炎上したんですよ。
こういった界隈で覇権を取るということは、「この界隈の人たちに本当に信頼してもらう」ということです。「TTRPG.JPは良いサービスだよね、良い運営さんだよね」と心から思ってもらわないと、選んでもらえない。
ソシャゲやFX、YoutubeやTikTokのような市場なら、騙し広告やサムネ一本釣りとかでとにかくユーザーを牽引すれば、一部から嫌われても新規ユーザーを引き込み続けてリカバリーできます。でもTRPGコミュニティは狭く、マニアックで、口コミの影響が大きい。悪評は一瞬で広まり、しかも長期間残ります。
今回の騙し討ちスタイルは、規約上はどうあれ、ビジネス戦略として超絶悪手です。投稿者が離れたらコンテンツが枯渇し、コンテンツが枯渇したらユーザーが来なくなり、ユーザーが来なければサービスは死にます。
コンテンツの投稿サービスなんですから、投稿主に嫌われたらダメなんですよ。既にほぼ死にかけの状態かもしれない。でも、まだ間に合うと思っているからこそ、こんなに強火で書いています。
「システム投稿機能」はどこへ?
実はこの問題には、もうひとつ「誠意のなさ」を示す流れがあります。
TTRPG.JPは今年4月、「システム投稿機能」という新機能をリリースすると告知していました。詳細は割愛しますが、シナリオ作者にとっては一つ魅力的な機能になるのでしょう。
それがリリースが遅れ、4月末には「5月中にリリースします」とアナウンスがあったのですが、その後音沙汰なし。6月も終わりに差し掛かったとき、突然「翻訳機能を実装しました!」というお知らせが来たわけです。
「システム投稿機能はどこへ……?」
遅延しているなら「〜〜な理由で遅延してます」と告知すればいい。でもそれもなく、代わりに別の機能が何の文脈もなくリリースされた。システム投稿機能に関する言及は一切なし。白紙になったのか? 開発中なのか? それすら分かりません。思考や方針の透明性がまったく見えない。
ちなみに500円/月の有料ファンブックに今後の展望などが書かれているらしく、運営のミスで一時的に無料で閲覧できる状態になっていたのですが、読んでみると特に中身はありませんでした。
特にシステム投稿機能に関する進捗や今後の予定もなし。翻訳機能が実装されることに関する熱意や展望もなし「これに500円……?」という感情は芽生えましたが、それはまた別の話。
誠意とは嘘偽りない真心
正直なところ、奇跡が必要な状況だと思っています。既に利用ユーザーは少なく、知名度も高くはない。初動のお祭りで集まった人々は殆ど離脱してしまいました。でも奇跡の可能性があるとすれば、もう誠意を示すこと以外にない。
まず「無断翻訳機能」の後始末をすることが最優先です。具体的に何をすべきかを整理します。
1:透明性の確保と謝罪
今回の実装について、何をどうやったのかを正式に告知する。機械翻訳を使ったことを明示する。そして「事前に説明すべきだった」と素直に認める。説明責任を果たすことが、信頼回復の出発点です。
2:作者へのコントロールを返す
作品の扱い方は、作者が決められるようにする。具体的には、シナリオ投稿の画面で「英文を自分で投稿する / 自動翻訳を許可する / 翻訳を拒否する」の3択を設ける。そして拒否を選んだ作者の翻訳データは、サーバーから削除する。これが最低限の誠実な対応です。これが難しいならロールバックして翻訳機能そのものを白紙にすべきです。
3:誤訳の拡散を防ぐ
翻訳版ページに「検索エンジンで利用されない」という指定(noindex)を入れる。言語を切り替えた際に「この翻訳は自動翻訳であり、ニュアンスが原文と異なる可能性があります」というポップアップを表示する。こういった技術的な対応で、誤情報の拡散リスクを下げることができます。
4:正直に話す
もし「どうしてもビジネス上の理由で翻訳機能が必要なんです」という事情があるなら、それを正直に語ってほしい。「こういう展望で、こういう理由で翻訳が必要で、でも今こういう問題を引き起こしてしまった。改善しながら頑張らせてください」と頭を下げれば、応援してもらえる可能性は十分あります。
TRPGコミュニティというのは、頑張っている人を応援する界隈でもあります。綺麗なAIイラストより、不格好な手書きイラストが求められる世界。洗練されたポータルサイトが勝てるならテオトピアは勝ってるんですよ。
それよりも作者たちと一緒に育っていこうとする姿勢の方が響きます。失敗しても、誠実に向き合えば評価される文化がある。
ただ、これだけ巧みに規約に埋め込んで騙し打ちをしてまで実装した翻訳機能です。簡単に手放すとは思えない。もしかしたら何か投資家との約束とか、海外展開における契約条件になっている可能性すらあります。
それならそれで正直に話すべきです。TTRPG.JPが相手にしているTRPG民というのは陰鬱で面倒くさいオタク軍団だということを忘れるな。それを相手にビジネスしていることを忘れるな。
TTRPG.JPがリリースされたとき、私は結構期待していました。TRPGに特化した検索・流通環境が整えば、シナリオ作者にとっても、プレイヤーにとっても、界隈全体の活性化につながる。そういう期待がありました。
その流れを、今の状態は壊しつつあります。
まずこの「無断翻訳機能」の後始末をすること。ストップしたままのシステム投稿機能の現状を公開すること。今後の展望をユーザーと共有すること。その3つができれば、まだ間に合う可能性があると思っています。
「実は長続きさせるつもりのない、実績作り用の捨てサービスでした」という落ちなら、こっちも「はははふざけんな!」で終わりにします。でも、そうじゃないなら。まだ間に合うと信じているから、こんなに強火で書きました。
一日でも早く、誠意を示してほしい。